松崎悠希 yuki matsuzaki yuuki 映画 ハリウッド hollywood yuuki black ninja last samurai ブラックニンジャ ラストサムライ トムクルーズ 洋画 movie star ニューヨーク NY New york タイムズスクエア 日記 リアルタイム 旅行記 貧乏旅行 出演 アカデミー ゴールデングラブ 撮影 フィルム カメラ 旅行記 diary 生活 12モンキーズ ラッセル・クロウ ロン・ハワード ブラッド・ピット ストリート・ミュージシャン ストリート 歌 オペラ 面白い 馬鹿 新しい 候補 新 活躍 ムービー 日本 アメリカ 書く 米 米国 カリフォルニア フィラデルフィア クレイトン・プリンス ビデオ 新作 情報 ゲーム 面白い 楽しい 人気 ニュース 芸能 学校 映像 世界 world Holly Wood CA NY ブラックニンジャ black ninja yuki matsuzaki yuuki ユウキ マツザキ


最新版
2004 [ Jan. Feb. Mar. Apr. May. Jun. Jul. Aug. Sep. Oct. Nov. Dec. ]
2003 [
Jan. Feb. Mar. Apr. May. Jun. Jul. Aug. Sep. Oct. Nov. Dec. ]
2002 [
Jan. Feb. Mar. Apr. May. Jun. Jul. Aug. Sep. Oct. Nov. Dec. ]
2001 [
Jan. Feb. Mar. Apr. May. Jun. Jul. Aug. Sep. Oct. Nov. Dec. ]
2000 [
Jan. Feb. Mar. Apr. May. Jun. Jul. Aug. Sep. Oct. Nov. Dec. ]


俳優 映画 ハリウッド hollywood 松崎悠希 yuuki yuki matsuzaki black ninja last samurai ブラックニンジャ ラストサムライ トムクルーズ 洋画 movie star ニューヨーク NY New york タイムズスクエア 日記 リアルタイム 旅行記 貧乏旅行 出演 アカデミー ゴールデングラブ 撮影 フィルム カメラ 旅行記 diary 生活 12モンキーズ ラッセル・クロウ ロン・ハワード ブラッド・ピット ストリート・ミュージシャン ストリート 歌 オペラ 面白い 馬鹿 新しい 候補 新 活躍 ムービー 日本 アメリカ 書く 米 米国 カリフォルニア フィラデルフィア クレイトン・プリンス ビデオ 新作 情報 ゲーム 面白い 楽しい 人気 ニュース 芸能 学校 映像 世界 world Holly Wood CA NY ブラックニンジャ black ninja yuki matsuzaki yuuki ユウキ マツザキ

一番下へ行く
8月最初の日記へ行く
8月最後の日記へ行く
9月の日記へ行く

[最後の休息の前に]
8月31日(日)28:44


舞台劇「デッドライン」の本番まで、あと4日。
リハが無いのは今日だけで、明日からは毎日練習だ。

せっかくの休みなので、ゆっくりさせて貰おうじゃないか。


・・・だが、そうもいかない。
キャストのうちの一人、「スティーブ」から
「簡易ヘッドショット」の作成を頼まれてるんだ。

公演の際、劇場の前には出演する役者のヘッドショット(写真)が飾られる。
そのヘッドショットが無いので、俺に作ってくれと頼んだというわけだ。

どうやらフライヤー(広告)を作ったせいで、
すっかりその道のプロだと思われているらしい。
やっかいな事になったなぁ・・・


仕方が無い。早いとこ済ませるとしよう。


デジカメで撮ったスティーブの写真を・・・
 (クリックで拡大)


白黒にして・・・
 (クリックで拡大)


修正&改造する。
 (クリックで拡大)


「簡易ヘッドヘッドショット」なので、こんな所でいいだろう。
遠くから眺めるだけで、手に取って見るわけでも無いしね。


よーし、終わった終わった。さぁ、今日はもう何もしないぞ。
明日に備えてしっかり寝ておかなくちゃ。

前の日記 次の日記


[戦場のおしゃれさん達]
8月30日(土)31:34


さぁ、舞台劇「デッドライン」ファッションショーのお時間がやって参りました。

キャラクター設定と合わせて、とくとご覧あれ!


 (クリックで拡大)
ショーン(役名:売れっ子カメラマン「ショーン」)


 (クリックで拡大)
ソニータ(役名:BBCの美人特派員「マーティー」)


 (クリックで拡大)
ダーン(役名:さえない新聞記者の「スコット」)


 (クリックで拡大)
クリス(役名:世界的に有名な記者「デューク」)


 (クリックで拡大)
マーク(役名:フランスから来たやる気の無い記者「パリス」)


 (クリックで拡大)
クレッグ(役名:デュークに憧れる夢多き若手記者「トラヴィス」)


 (クリックで拡大)
ナオコ(役名:住み込みの売春婦「リリー」)


 (クリックで拡大)
ウィー(役名:住み込みの下働き少年「タム」)


〜〜衣装が1着しか無い方々〜〜


 (クリックで拡大)
左から
スティーブ(役名:ガンコ頭の職業軍人「ヘンショー」)
カーリー(役名:ホテルを切り盛りする「サム」)
ユウキ(役名:性格の悪い自己中心的な軍人「ロン」)


 (クリックで拡大)
左から、
ラマー、ビイエー、ジェロード(役柄:海兵隊の三人衆)


こうして見ると、中々悪くない。
これが「完全」な衣装になれば、もっと雰囲気が出て来るのでは無いだろうか。

・・・ただ、クリスとソニータの衣装は、果たしてどうなのか。

ソニータ
 (クリックで拡大)

クリス
 (クリックで拡大)

二人共、たった今ジャングルから帰って来たにしては、
少しキレイ過ぎやしないか?

特にクリスのは1週間のジャングル生活の後のハズなのに、
どうしても「遠足帰り」に見えてしまう・・・

・・・多分まだ改良されるだろう。今はまだ心配する必要は無い。


さて、肝心のリハーサルの方はどうだったかというと、

第1幕は土曜の朝だった事も手伝ってテンションの低いスタートだったけど、
第2幕からは役者の動き、セリフ 共に格段に良くなり、中々良い物ができた。

台本を最後まで通すと時間はすぐに無くなってしまったが、
それに見合った内容のリハーサルだった。

・・・俺はこんなリハーサルを待っていた。
あと本番までのリハは3回。この調子で頑張って行こう!

(舞台上からの視点)
 (クリックで拡大)

前$NF|5- 次の日記


一言

今日は飯も2食取り、
運動量も半分に控え、
何ともゆったりとした一日だった。
これで明日からも頑張る事ができる。


[騙され続ける男]
8月29日(金)25:44


借りたビデオを返す為、リトル東京に向かうと、
一人の太った黒人青年が話しかけて来た。

青年「すいません、少しいいですか。」

・・・またか、と思った。


青年「そこで車を警察に止められちゃって、
    家に帰れないのでバス代を貸してくれませんか。
    ほら、僕はホームレスじゃないし、
    身分証明証も持ってるし・・・」

殆どのホームレスは「自分はホームレスだ」とは言わない。


俺 「どうして電話しないの?」

青年「いや、小銭も持ってなかったんで。」

俺 「一体、どこのどいつが電話代も持たないで車に乗るっていうんだ?
   だいたい、どこに車を停めてたんだよ。
   普通、パーキングメーターに入れる金も持たずに車に乗るか?
   どう考えても有り得ないだろ。」

路肩にはパーキングメーターが設置されてるので、
車のドライバーはいつでもある程度の小銭を持ち歩いてるのが普通だ。


青年「いや、偶然持ってなかったんだ。
    なぁ頼むよ。ほら、俺は怪しい奴じゃないってば。」

俺 「悪いが、信用できないよ。」


そう言って、車に乗り込む俺。

車の運転席で20分ほど様子を伺うと、
その黒人青年は、他の通行人にも話しかけ、ウロウロしている。


・・・「今回」は、「本物」だろうか?それとも、「偽物」だろうか?

・・・「演技」だろうか?・・・「本気」だろうか?



どうして、ここまで疑うのか。
それには、れっきとしたワケがある。

俺はニューヨークで自分がホームレスになった事もあるし、
友達の殆どがホームレスだった事もあって、ホームレスの手口を色々と学んだ

そして、幾度となく助けようとして、騙されている。



・・・例えば、この前、このような事があった。



俺が通りを歩いていると、紫色のシャツを来た黒人の中年男性が、
頭から血を流して立っていた。


男性「くそっ!すぐそこで脅されて、殴られて、サイフを取られた!
    なぁ、あんた。病院に行きたいんだが、バス代を貸してくれないか。」

男性の頭を見ると、確かに血が流れている。
ケガも本物だ。シャツには血もついている。


俺 「どうして警察に行かないの?」

男性「・・・警察にはやっかいになれないんだ。」

俺 「バス代を貸したとして、病院代はどうするの?」

男性「・・・俺は市民病院の特別治療を受ける権限を持っているから、
    簡単な応急処置は無料でしてもらえるんだ。」

明かに嘘臭い。


俺 「サイフを取られたのなら、その病院に行って、
   どうやって自分が特別治療の会員である事を証明するの?」

男性「会員カードは別に持ってるんだ。」

俺 「じゃ、その会員カード見せてよ。」

男性「確かここに・・・あれ、ねえな。
    今は見つからないよ。」

俺 「それじゃ治療受けれないでしょ。」

男性「そうだな。仕方が無い。
    家に帰るから、バス代だけでも貸してくれないか。」


・・・本当に脅されて、サイフを奪われたのか。
・・・それとも、嘘を吐いているのか。


決断は俺に委ねられた。

もしも本当に脅されたのなら、助けてやるべきだろう。
だが、もしも嘘ならば・・・

迷いに迷ったあげく、俺はこの中年男性にバス代・・・1.50$を貸した。


俺 「このバス代を貸すよ。
   では、そこのバス停からバスに乗るんだな。
   もしも後でここを通った時に、まだ同じ事をしていたら・・・許さないぞ。」

男性「おお、すまんな。
    もちろんすぐバスに乗るさ。ありがとう!」


俺は去る、と見せかけて、物陰に隠れて男の様子を伺った。

男はバス停の方向へ歩いて行く。


しかしどういうつもりか、バス停の前を通り過ぎたじゃないか!

・・・クソッ。どこへ行くつもりだ。


男はそのまま歩いて行く。俺は隠れて後をつける。


そこに、別の男性が通り掛かった。
ケガをした男はその男性に近づくと、何かを話している。

話し掛けられた男性が首を横に振ると、ケガをした男はまた歩き出した。


俺は、話し掛けられた男性に近づくと、聞いた。

俺 「あの男、もしかしてバス代が欲しいって、あんたに聞いた?」

男性「ああ、すぐそこで脅されてサイフを取られたから、
    家に帰るバス代をくれって。 どうせいつもの手だろ。」


・・・・ああ、やられた。 ・・・見事に騙された。


頭のケガは、人々の同情を買う為に、奴が自分で傷つけた「演出」だったというワケだ。

俺はその時、4$しか持っていなかった。
金が無い時に騙され、煮え湯を飲まされた感覚は格別だ。

・・・もう二度と、二度と信用しないぞ。
人の善意を食い物にする糞共め。くたばりやがれ。



・・・そして、今がある。



話は戻るが、どうする?
今、ここで、「警察に車を止められた」と言うこの黒人青年を信用すべきか。

金を得る為には、自分を傷つける奴だっている。一体、どこまで信用できるのか。


俺は車の運転席で悩む。


・・・何度騙されれば気が済むのか。いい加減に学べよ。

だが、「もし」今回は本物だったら・・・?
本物だったら、「誰か」が助けなければならないのではないか・・・?


・・・いや、お前はいつだって、そうやって騙され続けて来た。
さぁ、エンジンを掛けろ。家に帰ろう。


時計は、夜中の12時を指している。

俺はエンジンを掛けた。
車をゆっくりと進ませ、路上に出る。


その時、歩道の向こうから、さっきの黒人青年が歩いて来るのが見えた。


俺は車の窓を下げると、クラクションを鳴らし、男を止めると言った。


俺 「・・・バス代だ。早く帰るんだな・・・。」



・・・俺はまた騙されたのかもしれない。
だが、今回は男の後は見届けない。


車を走らせると、家に帰った。



どうして、一々困っている人を疑わなくてはならないのか。

それは、それをエサにして人を騙す奴が多すぎるからだ。
誰が本当に困っているのか、見分けがつかない。

だから皆は狼少年のように、困っている人を信用しなくなるんだ。


 「困っている人を助けた人」は、人助けをする事により、
 良い事をした、と、自分の良心を満足させる。

 「困っている人の偽物」は、騙す事により、
 その人の良心を満足させ、その代償として金を受け取る。
 騙す事で金が稼げると分かれば、それを繰り返す。

 「困っている人の偽物に騙された人」は、騙された事により、
 困っている人を疑い、信用しなくなる。

 「本当に困っている人」は、大多数の偽者により、
 自分も偽物の一人だと思われ、誰の助けも得られない。


こんなの間違ってる。

だが、どこで「本物」と「偽物」を見分ければいいのか。

自分がもしも「困っている人」になった場合、
どうやって自分が「本物」だと証明する?

・・・くそ。思い付かない。

99%が偽物だったとして、1%の本物を助けるにはどうしたらいいんだ。

偽物を含めた全ての人を助ける?
それでは偽物の増加を助けるだけで、問題は解決するどころか悪化する。


決定的な方法が見つからないので、これからも俺は騙されるのだろう。

疑って、疑って、疑って、疑って・・・、
「本当に困っている人」をも疑って、疑って・・・

自分で納得するまで全ての人を疑って、その上で本物だと思ったら助ける。

・・・ちっ、何とも嫌な社会だ。

前の日記 次の日記


一言

車のオイルを交換した。
見違えるようにスムーズに走る車。
少しは燃費が良くなってくれれば良いのだが。

黒澤明「隠し砦の三悪人」を観了
三船さん、かっこいいなぁ。
研究、研究。


[食と身体の闘い]
8月28日(木)28:45


朝がやって来た。


さあ、今日も楽しい「一食」のお時間だよ!

お腹へったなー。さて、今日のごはんは何だろう?

   今日の一食は・・・



   「じゃがいも2個」



・・・足りるか?
いや、どう考えても足りないだろう。

本当は米の飯が食べたいが、食い尽くしてしまった。

幸いジャガイモはたくさんあるので、これを使ってしまわなきゃ。

昨日、一昨日はポテトサラダだった。
その前はジャガバターだった。
更にその前はマッシュポテト・・・

という具合に、実はここ一週間ほど米を食べていない。
それとの関係は不明だが、俺も ここ一週間ほど調子が良くない。

どうも元気が出ないし、疲れも取れないし、良く眠れない。

これは「お米パワーが」足りないからだろうか。



今日も午後7時から舞台劇「デッドライン」のリハーサルだったが、
リハが始まる前、俺は全く元気が無かった。

口からは力なく溜息が漏れ、背筋がシャンと伸びない。
身体の中が空っぽのような、そんな感覚だ。

この感覚が「空腹感」である事は、重々承知している。
元々、「じゃがいも2個」で足りるハズは無かったのだ。


このままリハーサルに入っても、俺は自分の演技ができないと感じた。

危険だ。どうにかせねば。


近くの雑貨屋に入ると、
「安くて、甘くて、栄養価の高そうな物」を探す。


・・・あった。これだ

見つけたのは、チョコレートでコーティングされたミニドーナツ。
何と5個でたったの75セント!


久しぶりに食べるチョコレートの味は、・・・死ぬ程美味かった。

どうせ、これは本物のチョコレートじゃないだろう。
それでも、何十日も本物を食べてないんだ。十分過ぎるほど美味い。

指に付いた分まですっかり舐めてしまった。


よーし。食ったら俄然元気が出てきた。これならまだ闘えるぞ!

元気を補充した所で、リハーサルへ。


今日のリハは、実際に本番で使われる「B劇場」で行われた。

衣装、大道具、小道具が徐々に揃いつつあるので、
まさに「リハーサル」という感じがして、
俳優達も緊張感を持って取り組む事ができる。

(練習風景)
 (クリックで拡大)

これで衣装が完全に揃えば、もっとサマになって来るのではないか。


今日のリハーサルは、台本を一度通しただけだったが、
そこにある「緊張感」は本物だった。

俺も、「チョコレートパワー」でしっかりと演ずる事ができた。



リハーサルが終わって帰宅すると、その「チョコレートパワー」が尽きた。

自分の中の何かが決壊し、
空腹感が津波のように押し寄せて来た。

一体どうしてしまったんだ。いつもは空腹感をコントロールできるのに。

腹が減って、腹が減って、もうどうにもならない。
しかし、今の時間に食べれば、恐るべき「リバウンド」が・・・


何か、「安価で、腹に溜まって、栄養価の低い物」は無いだろうか。


冷蔵庫を覗いてみると、そこにあったのは「だし入り味噌」

・・・これだ。


お湯を沸かすと、味噌を溶いて、ねぎを切って入れた。

「味噌汁」というよりも、「汁味噌」に近い。

だが、鍋一杯飲むと、流石に腹が膨れた。


もう限界だ。米の飯を食べなければ。

幸い、明日は何も予定が入っていない。
久しぶりに米の飯を食べて、しっかり寝て、
疲労を完全に回復したいものだ。

腹の虫よ、もう少しの辛抱だ。明日まで待っててくれ。

前の日記 次の日記


一言

眠い。眠い。眠い。
眠い時は頭が働かないので、
話が全然まとまらない。
長い文章も書けない。


[心配事の果てに]
8月27日(水)28:11


舞台劇「デッドライン」のリハーサルは、またも緊張感の無い代物になってしまった。

クリス(監督)を含む主要キャストは、
ダンスシーンの振り付けを練習している。

残った俺達は、と言うと、
別室にて椅子を丸く並べてセリフの読み通しだ。


・・・ダンスシーンを完成させれば、劇もほぼ「完成」する。
だからこそ練習しているわけだが、もう少し早くできなかったものか。

本番まであと5回しか練習が無いのだから、
既に完成した上で「通し稽古」をしていないとマズイのではないか。

セリフの読み通しは動きも無いし、ただセリフを言うだけなので退屈で眠くなる

最初から最後まで二度セリフを通すと、・・・もう10時。
結局、読み通しだけで終わってしまった。


クリス(監督)の予定では、土曜日に衣装を含め全てを「完成」させ、
本番までの三日間に、毎日「完成」した劇を通すらしい。

それが良い方法なのか、素人の俺には分からない。

・・・どうせ分からないんだから、今はこのクリスのやり方を信じ、
「自分の仕事をキッチリこなす事」に専念すべきなのかもしれない。

よし、決めた。もう心配するのはよそう。クリスを信じて、任せよう。
土曜日には俺の不安を吹き飛ばしてくれるような、そんな劇が「完成」するハズだ・・・

 だが、もしも完成しなかったら・・・?


ああ、駄目だ。眠い時に考え事をするべきじゃなかった。
堂々めぐりで、答えが出ないし、論理的な考えもできない。
自分で何を書いているかも、良く分かってない。

でも、こんな状態でも、ただ一つだけ、確かな事がある。

それは俺は眠いって事だ。
おやすみなさい!

前の日記 次の日記


[どこへ行こうというのか]
8月26日(火)26:21


友人の車が故障したので、サンタモニカまで送ってくれ と頼まれた。

サンタモニカ・・・
車を手に入れる前なら、行くのに「3時間」掛かっていた所だ。

だが今なら、なんとたったの「30分」!

ああ、車よ。
お前が居てくれて、本当に良かった。

昼飯をおごって貰い、友人をサンタモニカで降ろした。


  そこからが悪夢の始まりだった。


行ったら、帰らなきゃならない。
一人で大丈夫だろうか?

心配はいらない。
ちゃんと、友人に帰り道を聞いておいた。

友人「405号線のフリーウェイ(高速道路)を北へ行って、
    134号線のフリーウェイを東へ行って、
    5号線のフリーウェイを南に下ればOK!」


405を北、134を東、5を南・・・と。


多分、こんな感じだろう。




なーんだ楽勝じゃないか。迷う事など何も無い。

意気揚々と車に乗り込んだ。


まずは405号線を北へ。

このまま進めば、134号線にぶつかるはずだ。



・・・30分が過ぎた。


おかしいな。何かがおかしい。
もうそろそろ134号線に行き当たっても良さそうだが。

大体、行く時よりも時間が掛かるってどういう事だ?
・・・いや、行く時は結構すいてたからな。

もう少し様子を見よう・・・



・・・更に10分が過ぎた。


これはおかしい。絶対におかしい。
見た事も無い地名だらけになってしまった。

流石に不安になり、一度フリーウェイを降りると、路肩に止めて地図を確認する。






そんな馬鹿なーーー!

405号線と134号線が繋がって無い!
そりゃ、見つからないハズだ。

前もって地図を確認しておくべきだった。

踵(きびす)を返すと、405を南へ、101を東へ、
134に「乗り換えて」、5を南へ・・・

何とか家に帰り着いた。


数時間に渡る無駄なドライブのせいで、
10$以上のガソリンが湯水のように消えていった。

「ガソリン」と「時間」の代わりに手に入れたのは「反省」と「疲労」。

くっ・・・無念。

前の日記 次の日記


[不測の事態を予測せよ]
8月25日(月)26:53


刷り上った舞台劇「デッドライン」のフライヤー(広告)は、中々の出来映えだった。

 (クリックで拡大)


リハーサルでは、クリス(監督)がまるで自分の事のようにフライヤーを見せびらかして自慢していた。

キャスト達も
「いい出来だね」「よくやったね」
と言ってくれた。

これで俺もフライヤー作りから解放される。
はぁ、疲れた。でも気に入って貰えて本当に良かった。



本番まであと1週間に控えたこの日、キャストの一人が劇に出られなくなった。

彼の名はエド。

エドは三人の海兵隊のうちの一人を演じていた。

身体はゴツいけど、頼りないという、
何とも面白いキャラを演じていたので、とても残念だ。

クビなったわけではない。

ニュージャージー州に住むエドの母親が心臓発作を起こし、入院。
エドは急遽 帰郷する事になった というワケだ。

誰にも予測できない事態だ。仕方が無いだろう。

クリス(監督)もそれが分かっているので冷静だ。
彼の代役は、マネージャー補佐の「ジェロード」が演じる事になった。

このジェロード、
実は、誰かが出られなくなった時の「代役」としてクリスが確保しておいた人材なんだ。

舞台は一人欠けたら成立しなくなってしまう。
クリスは、それを誰よりも分かっていたようだ。


ところで肝心のリハーサルの方だが、
本番まで、あとたったの「6回」しか練習が無いのに、

 セリフはまだ完璧では無いし、
 ダンスシーンの振り付けを今頃してるし、
 緊張感は感じられないし、

本当に大丈夫なんだろうか。少し不安になって来た。

前の日記 次の日記


[やっぱり、しっかり、はったり]
8月24日(日)27:52


寝る間を惜しんで徹底的に修正したフライヤー(広告)を、
舞台劇「デッドライン」のクリス(監督)とダーン(プロデューサー)に見せる時がやってきた・・・!

そのフライヤーがこれだ。

 (クリックで拡大)



クリス「・・・・・・おお。
    これは凄い。凄いぞ!
    素晴らしい出来だ。
    まったくたまげた。驚きだ。」

ダーン「うーん。これはいいね。
    素晴らしく良い出来だ。
    不満だった部分がことごとく修正されてるし。
    これなら外に出しても恥ずかしくない出来だ。
    俺は好きだな。これ。」


なんと賞賛の嵐!
これは嬉しい。半日掛けて作った甲斐があったってもんだ。


実際に印刷する前に、少し修正を加える。
昨日は完璧だと思ったけど、
1日経ったら不満な点がいくつか出て来たからだ。

今度こそ完成だ!

 (クリックで拡大)

・・・とか言って、明日になれば、また不満な点が出て来るだろう。
キリが無い。もう止めだ。

ダーンは、このフライヤーを300枚注文した。
とうとう劇の宣伝作業が始まるんだ。



「宣伝」は基本的に自分達で行わなきゃいけない。
もちろん俺だってそうだ。

俺は日本人のコミュニティ向けに宣伝活動を行おうと考えている。

具体的にどういう宣伝活動かと言うと・・・


・・・へへ。目を大きく見開いて見てくんな。




・・・・・・これだ!



 (クリックで拡大)


・・・・。



> ―――――9月公演のお知らせ―――――

・・・ん? 毎月恒例の演劇のお知らせなのかな?
やはりハリウッドは違うよなー。


> あの有名監督 Chris Dickersonが手掛ける舞台劇『DEADLINE』に、

何!?有名監督が手掛けているのか!それは見に行かなきゃ!


> 現在ハリウッドで活躍中の
> 日本人アクター 松崎悠希 と 岡本尚子 の出演が決定!

な・・・、なんだってーーーーーーー!
そんな有名人が出るなら、これは見に行かなきゃ!


> 期日:9月4日〜9月25日
>    木曜日 限定 公演

何と!木曜日「限定」公演か!
やっぱ有名人は忙しいだろうからな。これは見に行かなきゃ!


> ご予約はお早めに

やっぱ人気があるから、早く予約しなきゃチケットが無くなってしまうのかも。
これは今すぐ電話しよう!


> 発行:ハリウッド通信

多分、どこかの有名な団体だろう。
この劇、かなり凄そうだなー。これは絶対に見に行かなきゃ・・・!



日本人のみなさん、いらっしゃーい!

前の日記 次の日記


[それぞれが捧げる物]
8月23日(土)28:43


今日は土曜日なので、朝から舞台劇「デッドライン」のリハーサルだ。

シアター劇場のB劇場には、
別の団体が演じていた、前夜の劇のセットがそのままになっていた。

なんかベッドまであるし。

 (クリックで拡大)

片付けるレブリー(マネージャー)とナオコ(日本人女優)。

写真撮ってるだけじゃなくて、俺も もちろん手伝いましたよ。ええ。

いきなし「日本人女優」が登場して驚いたかもしれないけど、
写真では何回か日記に出ている。

彼女の名前はナオコ。
米国で旦那さんと暮らす日本人女性で、俺の良き友人だ。
今回の劇では売春婦のリリーを演じている。


色々なキャストが遅刻し、
やっとリハーサルが始まったのは1時間後の午前11時だった。

時間に遅れるのは悪い事だけど、遅刻してくれた人のおかげで、
キャストから昨日作ったフライヤー(広告)の感想を聞く事ができた。

そのフライヤーはこちら。

 (クリックで拡大)


みんな、口では「良い」と言うけど、心から言っては無さそうだ。
大体、俺自身も「良い」って自信を持って言えないし・・・

ところが、意外な事に、プロデューサーのダーンは気に入ったようだ。

ダーン「お、中々いいね。
     しっかりとしたコンセプトが感じられるよ。
     だから、昨日も言ったように、
     俺は「ただの集合写真」が嫌いなんだ。
     こうやってメッセージが込められていると、良くなるよね。
     ・・・まぁ、俺の写真写りはちょっと悪いけどさ。」


ダーンの名誉の為に言っておくが、ダーンは悪い人ではない。、

日記を読んだ限りでは、
とてもワガママな人に聞こえるかもしれない。

だが、彼にはその権利が十分過ぎる程あるんだ。

彼は今回の「デッドライン」を成功させる為に、莫大なお金を使っている。
4回の公演が全て満席になっても、到底元が取れないお金を使っている。

そして、そのお金はどこから来るかと言うと、
なんと、ダーン自身が毎日土方をして稼いでいる身銭なんだ。

自分で必死に稼いだお金を使って、決して儲からない劇をやる。
彼がどうしてこだわるのか・・・理解できるはずだ。


昼飯時になって、15分間の休憩が取られた。

 (クリックで拡大)

このピザはダーンのおごりだ。
久しぶりに一日二食目を食べた。

うんめーな、おい!

久しぶりに食うチーズの味は格別だった。

今日のリハーサルは午前10時〜午後4時までの6時間だったけど、
このピザのおかげで乗り切る事ができた。

ダーンも、「6時間」というリハーサルの長さを考慮して、
ピザをキャストに振舞ったんだろう。 ね、いい人で$7$g!)

いや、食べ物に釣られてるんじゃないってば。



話は戻るが、俺にとって このフライヤーは未完成だった。

 (クリックで拡大)

クリスの肌は脂ぎってテカっているし、
なんか俺にはツノが生えてるし、
タイプライターはガラクタにしか見えないし、
前に立ってる人達はゴチャゴチャしてるし、
真中の目隠しされたウィーは目立たないし・・・


そこで、だ。

この際、全ての不満な部分を修正する事にした。
クリスの許可は、既に取ってある。

よーし。どこをどうしてやろうか・・・


クリスの肌は修正する。
俺の角は取り外す。
タイプライターは前に持って来て、目立つようにする。
前に立っている人達は並び替える。
目隠しされたウィーは目立つようにする。


・・・「6時間」という膨大な時間を掛けて、
俺は自分で納得が行くまで、徹底的に修正した。

ついでに、ダーンの写真も撮り直してあげた。


これなら、どうだ!

 (クリックで拡大)

明日、クリス(監督)に見せる事になっている。
どんな感想が聞けるだろうか・・・

どうして俺はこんなにフライヤー作りに熱中してるんだろう? でも、楽しいなぁ(笑)

前の日記 次の日記


一言

ショー・コスギ主演の映画「兜」を観た。
映画の内容は置いといて、
海外における日本人俳優の有り方を考える上で
色々と参考になる。


[戦場のボランティア]
8月22日(金)24:17


昨日作成した2つの試作品フライヤーを、
完成品として印刷する時がやって来た。

2つの試作品には、舞台劇「デッドライン」のキャストから、
様々な意見が寄せられた。

中でも、プロデューサーの「ダーン」の意見は辛辣だ。


試作品 その1

 (クリックで拡大)

ダーン「最悪だな。
     退屈で個性の無い、ただの集合写真。
     役者が「自分も写真に出させて」って
     言って撮った写真みたいに見える。
     何のメッセージも伝わって来ない。
     俺はこんなの大嫌いだ。」


試作品 その2

 (クリックで拡大)

ダーン「最悪だな。
     さっきのよりかは、
     少しはメッセージ性があるからマシだ。
     大体、俺の写真写りも最低だ。
     俺はこんなの大嫌いだ。
     今週の土曜にプロのカメラマンが
     写真を撮りに来るから、もう作らなくていいよ。」

ダーンは、プロデューサーとして出資しているので、
自分の満足行く物を作りたいんだろう。

でも、こんなダーンに対して 心中穏やかで無いのは監督のクリスだ。

クリスは、ダーンの見ていない所で俺に愚痴る。

クリス「何がプロのカメラマンだ。
    そいつを もう3週間も待ってるのに
    一度だって現れやしない。
    もう公演まで1週間しか無いのに、
    そんな悠長に待っていられるかよ!
    もうダーンの言う事は聞くな。
    俺は作るぞ。」

ダーンのアイディアは、
 「試作品2」の構図で、クリスとダーンが向き合っている
という物だった。

だけど、そのアイディアに対し、クリスは言う。


試作品 その3 (ダーンのアイディア)

 (クリックで拡大)

クリス「なんだこれは!
    デッドラインはホモ映画かよ。
    2人のお姫様が向き合ったような、
    こんな気持ち悪いフライヤーで人が集まるわけがない。
    最低 最悪だ。」


二人とも、全く違う意見を持っていて、
歩み寄る気配を見せない。

二人がアップになるって事は、共通のようだけど・・・


とうとう痺れを切らしたクリスは、
ダーンから出資を受けずにフライヤーを作成する事を決意し、
こういう案を示して来た。

クリス「もう待ってられん。ユウキ、完成品を作るぞ。
    「試作品2」に「試作品1」を足した構図で作りたい。
    載せるべき情報はこれだ。」

 (クリックで拡大)


クリスのアイディアを書き記した「見本」に添って作ってみたが、
ゴチャゴチャしていて、イマイチのような気がする。


試作品 その4 (クリスのアイディア)

 (クリックで拡大)

クリス「素晴らしい!素晴らしい!
    ユウキ、君は天才だ!」
    さあ、文字を入れよう。

・・・クリスは お喜びのようだ。
まぁ、自分の美的感覚がアテにならないのは自覚してるけど。


「試作品4」に文字を入れて、それを印刷する。

クリス「よし。出来た。
    白黒版のフライヤー、完成だ!」

クリスはこれを「完成品」としたいようだが、またダーンが何と言うか・・・。
一騒動ありそうな予感がする。



 どうして、クリスとダーンの顔がアップなのか。
 土曜にプロのカメラマンが来たら、どうするのか。

疑問は色々ある。しかし、一番大きな疑問は
 どうして、俺がフライヤーを作っているのか。
という事か。

最近はタダ働きばかりだけど、いつの日か報われる事を信じたい。

(白黒版フライヤー 完成品)
 (クリックで拡大)

前の日記 次の日記


[嵐は木曜日にやって来た]
8月21日(木)27:37


お昼を過ぎた頃、俺は「キンコス」という印刷屋の店内にいた。

それと言うのも、舞台劇「デッドライン」のクリス(監督)と、
午後1時に待ち合わせをしているからなんだ。


クリス「よお、ユウキ!少し遅れてすまんな」

ユウキ「よお、クリス!心配しなくてOK。
     どうせ、まだパソコンの席が空いてないし・・・」

キンコスの中にはパソコンがあって、
お金さえ払えば 誰でも使う事ができる。

俺達はそのパソコンを使って、この前撮った写真を編集し、
「フライヤー(広告)」の試作品を作成しようと計画していたんだ。


パソコンが開くまでの間、今日の予定について話し合う。

ユウキ「それで、今から具体的に何をするの?」

クリス「そうだな。まず、この前撮った写真を見て、
    必要な写真と、不必要な写真を選り分ける。」

ユウキ「ちょっと待って。書いておくよ。
     ・・・まずは・・・・写真の選別・・・・・と。」

クリス「それから、その写真を使ってフライヤーを作るんだ。」

ユウキ「・・・そしてフライヤーを作る・・・・・と。
     今日作るのは試作品だよね。」

クリス「そう。まず試作品を作って、
    プロデューサーの「ダーン」に見せて話し合った後、
    本番のを作ろうと思うんだ。」

ユウキ「・・・なるほどね。
    それで、クリスの考えてるフライヤーのデザインは?」

クリス「まだ不確かなんだ。「ダーン」と意見が衝突しててね。
    彼は、「俺達2人が向き合ってる構図」がいいって言うんだけど、
    俺はそう思わない。・・・ま、実際に写真を見て考えるよ。」

ユウキ「それだけの時間があればいいけど。今日の予算はいくら?」

クリス「とりあえず、20$かな。」

ユウキ「20$か・・・。
     20$なら、・・・8枚の印刷と40分の作業か可能かな。」

クリス「十分だろう。」


その時、パソコンの席がやっと空いた。
二人は画面を覗き込み、作業を始めた。

まずは9枚の写真、全てに目を通す。

クリスはその中から三枚の写真を選んだ。

 クリス(監督)と、ダーン(プロデューサー)のアップの写真。
 ウィー(初演技)演ずる「タム少年」が目隠しされた写真。
 9人の集合写真。

の三枚だ。


クリス「そこを・・・もっとこっちに。
    ・・・これを、もっと大きくできる? ・・・そうだ。そう。
    この影を消せないかな。 そうか。良かった。

    えーと、そうだな・・・
    じゃぁ、これをここに持って来て。
    ここをもう少し暗く。そう。

    ・・・うん。いいぞ。印刷してくれ。
    ご苦労さん、今日はこんな所だ。」


「40分」という短い時間を駆使し、
2つの試作品を完成させた。


 (クリックで拡大)


試作品なので出来は荒いけど、
クリスがイメージしている物は掴めて来たようだ。



キンコス(印刷屋)を出て、家に帰って来た。

時計は「午後4時半」を指している。

今日の舞台劇「デッドライン」のリハーサルは午後7時からなので、
まだ3時間ばかしある。

何をしよっかな。 お、留守電が入ってる。


留守電「・・・どうも、こんにちわ。
     タミー山田と申します。
     リトルリーグのビデオの吹き替えの件でお電話させて頂きました。
     至急お電話を頂けたら、と思います。」


これは、ま・・・まさか・・・!
急いでその番号に連絡する。

ユウキ「もしもし、タミーさんをお願いします。」

タミー「はい、私です。」


胸 躍らせて、説明を聞く。

タミーさんによると、
リトルリーグ(子供野球)のルール解説ビデオの日本語吹き替え版を作るらしく、
その「声優」を募集しているらしいのだ。

・・・「声優」か。「俳優」では無いが、似たようなもんだ。


ユウキ「是非とも、やりたいですね。」

タミー「そうですか。では、松崎さん。
    こちらの住所のオフィスへ大至急向かって頂けないでしょうか。」

ユウキ「今ですか?」

タミー「ええ。実は、今回はとても急いでいるんです。
    依頼人の方が、明日までに声優を決めたいらしいので、
    こちらのオフィスで、あなたの声を録音して欲しいんです。」

ユウキ「分かりました。」

タミー「オフィスには、レイニーという女性がいるはずです。
    彼女は6時までいるそうなので、
    6時までには向かうようにして下さい。」

ユウキ「分かりました。」

タミー「よろしくお願いします。
    では、頑張って下さいね。」


・・・そう。 この録音は・・・要するに・・・


     オーディションだ!


最後にオーディションを受けてから、どれくらい経っただろう。
やっと、やっと一つのチャンスが巡って来たのだ。

時計は5時を指している。
「6時までにオフィスに行け」って言ってたから・・・あと1時間しか無いじゃないか

またも車に飛び乗ると、「安全運転」でそのオフィスへと向かう。
頼む。間に合ってくれ・・・


オフィスに着いたのは、5時32分だった。
・・・良かった。何とか間に合った。

310号室のドアをノックすると、中から女性が出てきた。彼女が「レイニー」だ。

レイニーに案内されてオフィス内の一室へと通される。

テーブルの上には日本語の台本、
その向こうにはマイクの付いた「録音機」が見える。

レイニー「それでは、台本に目を通して、
      準備が出来たら、台本の好きなパートを自分で録音してね。」

・・・どうやら、セルフサービスらしい。
言われた通り、台本に目を通す。

台本は何枚もあるけど、全部読むわけにはいかない。
長くて1分くらい。

彼等は色々な声色を探しているらしいので、
俺はその「1分」の中で、3つの違う声色を吹き込む事にした。

1つ目は、

 日本で夜中に放映される、「吹き替え通販」に出て来るような、
 タフで、頼り甲斐のありそうな声。

2つ目は、

 NHKの子供番組に出ている、「お兄さん」のような、
 優しくて、落ちついた声。

3つ目は、

 お昼のニュースに=P$F$$$k!"??LLL\$J%"%J%&%s%5!<$N$h$&$J!"
 業務的で、明朗な声。


録音が済むと、レイニーにその事を伝え、
オフィスを後にした。

・・・オーディションの余韻に浸っている暇は無い。
今から、舞台劇「デッドライン」のリハーサルだ。



シアター劇場に着いた。

7時を少し過ぎてしまったので、リハーサルは既に始まっていたけど、
クリス(監督)に前もって「15分ほど遅れる」と連絡しておいたので、
怒られる事は無かった。

今日は、最初から最後までの「通し」をやっているらしい。


早速 兵装に着替えると、いつものように、準備に取り掛かった。

リハーサル室の外では、出番の無い役者達が 思い思いの事をしている。
本や新聞を読んだり、夕飯を食べたり、電話したり、セリフ覚えたり。

どっこい、俺は時間を有効に使う。

筋トレしたり、

 (クリックで拡大)

ひょっとこ踊り を踊ったり。

 (クリックで拡大)

限りある時間を大切に使った。


今日のリハーサルは、適度の緊張感を保っていた。
本番までこの調子で行けたら、きっと良い物ができるだろう。



・・・それにしても疲れた。
身体の中の燃料を、全て使い果たした気分だ。

でも、こんな忙しさなら大歓迎だ。
自分の好きな仕事だから、忙しくても苦では無い。

シャワー浴びて、良く寝て、明日も頑張ろう!

前の日記 次の日記


[熱で溶けゆく残り時間に]
8月20日(水)25:35


舞台劇「デッドライン」のリハーサルは、午後7からだった。

今日のリハーサル室は・・・  うわ、出た。
窓の無い、灼熱地獄の「第3リハ室」。

10人を超すキャスト達が入ると、部屋の温度は一気に上昇した。

他のリハ室では、他の団体がオーディションをしているので、
前回のようにドアを開け放す事もできない。


・・・これは地獄だ。酸素は足りてるんだろうか。

 (クリックで拡大)


監督のクリスが話し始めた。

クリス「みんな聞いてくれ。
    今日は 見て分かる通り、サム役のカーリーが居ない。
    ・・・そこで、だ。
    今日は 立ち回らないで、セリフの読み合わせをしたいと思う。」

 ええ?

 なんでまた、「セリフの読み合わせ」なんかするんだろう・・・。
 1〜2人がリハに来れないなんて、別に珍しい事じゃないのに。
 
 「セリフの読み合わせ」は、みんなが集まってる時じゃなくて、
 それぞれ、時間がある時にすればいいじゃないか。

・・・クリスの考えは読めない。
もしかしたら、深い考えがあっての事かもしれない。


サウナのような暑さの中、椅子に座ったままのリハーサルが始まった。

「読み合わせ」は、妙なハイテンションの中で、和気あいあいと進行した。
少しセリフを変えて笑わせてみたり、ふざけてみたり。


通し終わると、クリス(監督)が言った。

クリス「みんな。
    今日、こんなクソ暑い中でリハーサルをしたのは、ちゃんと意味があった。
    そう、この暑さこそが、俺達が演ずるベトナムの暑さなんだ。
    だから、この感覚を忘れないでくれ。そして、自分の演技に取り込んでくれ。」

・・・確かにこの「暑さ」は、実際に感じないと分からないかもしれない。


クリス「さて、セリフを まだしっかりと覚えてない人がいるが、
    ちゃんと覚えてくれよ。
    枕元に台本を置いて寝る、ぐらいの気合でな。
    もう本番まで時間が無いんだ。」

一番セリフを覚えて無いのは、クリス本人だ。
そして二番目はプロデューサーの「ダーン」。

・・・まぁ、二人共 色々と忙しいのかもしれない。
でも、覚えてない当人がいくら「セリフを覚えろ」と言っても、説得力が無い。
まずは自分が覚えなきゃ。


今日のリハーサルは、時間を無駄にした感が否めない。
全体的にダラダラとしていて、緊張感も全く感じられなかった。

本番まで もう数えるくらいしかリハーサルが残されていない この時期に、
わざわざ二時間も掛けて「セリフ通し」をする必要が、本当にあったのだろうか。

「暑さを実際に感じる」だけなら、むしろ動いた方が良かったハズだ。

・・・悶々とした気持ちを抱えてシアター劇場を出ると、
火照った身体に 夜風が心地良く吹き抜けていった。

前の日記 次の日記


[ハイテクで、しかもエコロジー]
8月19日(火)26:40


数々の最新テクノロジーを導入したハイテク車を買ってから、1ヶ月が経過した

運転にもだいぶ慣れ、
まるで新たな世界が開けたかのように、行動範囲が広まった。

車があると、本当に色々と助かる。
重い物も運べるし・・・


近くのスーパーで「水」を3ガロン程購入し、
車に乗って帰って来ると、大家さんのジャッキーが言った。

ジャッキー「・・・そういえば、ユウキ。
       ユウキの車、バックライトのカバーが外れてるよ。
       見つかると、それだけで違反切符を切られてしまうから、
       直した方がいいよ。」

・・・バックライト?
良く意味が分からなかったので、自分で確認する事にした。

「バックライト」というぐらいだから、後部だろう・・・




あ、本当だ。
右側の白いライトのカバーが無くなって、電球が剥き出しになっている。





確かに無い。

・・・しかし、いつの間に無くなったんだろう。
車の あまりの速さに、どこかに飛んで行ってしまったのだろうか。


ユウキ「今 見てきたけど、確かに無いね。
     アレって、付け変えると いくらぐらい掛かるの?」

ジャッキー「うーん、40$ぐらいかな」



      40$ 



  そんな馬鹿なっ・・・!

40$もあれば・・・ 1ヶ月は食っていける・・・・・・
                              ・・・じゃなくて、
恐れ多くも「21世紀カー」に、
40$そこらの易い部品を付けるわけには いかない。

  そんな安物を使うくらいなら、現代の最高技術を駆使し、
  俺がこの手で作ってやろうではないか!


思いついたら、即実行に移さねばならない。
俺は早速作業に取り掛かり、
                ・・・そして、なんと完成した!


本来は、作成方法は最高機密であり、非公開が原則だ。

   しかし、今回は特別に その全工程をご覧に入れよう!



 <必要な材料>


 「牛乳の空容器」



 <作成方法>


 工具を適切に使用し、適切な形状に加工する。



接合材を適切に使用し、適切な部位に装着する。



 (完成図)



いかがだろうか。

数々の最新テクノロジーを搭載しているだけでなく、
リサイクル部品を使用する事により、
地球環境を考慮した「省資源」をここに実現しているのである!

「21世紀カー」の時代を先取りした先進的な発想には ・・・ただ驚かされるばかりだ。

前の日記 次の日記


[撮影会は、突然に]
8月18日(月)26:59


うだるような暑さの中、懸命に寝ていると、電話が鳴った。

ユウキ「・・・はい」

クリス「おはようユウキ。クリス(監督)だ。」

ユウキ「・・・おはよう ・・・どうしたの?」

クリス「今日、またリハーサルで写真の撮影をしようと思うから、
    デジカメを持って来てくれないか。」

ユウキ「・・・OK。分かった。」

クリス「頼んだよ。  あ、そうそう。」

ユウキ「・・・ん」

クリス「今日のリハには衣装を着て来るように。
    ・・・って、ユウキはいつも衣装を着てるから、問題無いか。」

ユウキ「・・・ははは。 ・・・そうだね。」

クリス「それじゃリハで会おう。」


舞台劇「デッドライン」のリハーサルは、午後7時からだった。
バッグの中にはクリス(監督)から頼まれたデジカメが、ちゃんと入っている。

キャストが大方揃うと、クリスが話し始めた。

クリス「今日は、言っておいた通り、
    写真撮影から始めたいと思う。
    そろそろ広報活動をスタートさせたいからね。
    ユウキ、カメラマン頼んだよ。」

へーい。任せて下さいな。


前回撮った写真はプレスリリース用だったけど、
今回のはフライヤー(広告)や、パンフレット用だ。

写真も より動的に、迫力ある物となった。

 (クリックで拡大)

左から、ダーン(プロデューサー)、カーリー(熟年俳優)、クリス(監督)の3人。

前回、俺は撮る側で、写真には写らなかったんだけど、
クリスは、俺の写真も撮っておきたいらしい。

マネージャーのレブリーにカメラを任せて、俺も写る事に。

 (クリックで拡大)

左から、ショーン(クリスの息子)、ウィー(初演技)、ユウキ(生き残り)の3人。

劇中のシーンを再現しようと思い、
写真を撮る瞬間にセリフを言ってみたら、アヒルみたいな口になった。

あとは、メインの集合写真だ。
15人のキャストのうち、9人が写る事になった。

 (クリックで拡大)

俺は「ぽっかり開いた空間の穴埋め」として入ったので、少し位置がおかしい。
・・・一応「中心」だけどさ。奥に引っ込んでるし。


撮影は思ったより時間が掛かり、8時半になってしまった。

台本を最後まで通す時間は無いので、第1幕だけを通す。

第1幕の俺のセリフは相変わらず一言だけど、
腐れる事なく、しっかりとこなした。


気付けば、もう本番まで2週間しか無い。
時間が経つのは想像より、ずっと早いようだ。

2週間で、どこまで完成度を高める事ができるか、・・・ここが勝負の見せ所だ。

(練習風景)
 (クリックで拡大)

前の日記 次の日記


[標準は流れの中に]
8月17日(日)25:00


「役者用の履歴書の書き方」については前に書いたけど、

その「見本」に添って書かれた自分の履歴書は
平凡で、退屈で、無個性で、多いに不満だった。

(写真を読込中かも)


そこで、プロの役者の履歴書を何十枚も見て、
気に入った構図の履歴書を探す事にしたんだ。


一枚づつ、じっくり見ていくと、とある履歴書が強く印象に残った。

 これだ・・・!

この履歴書は、「文字の大きさ」、「構図」、「書き方」、
何から何まで 洗練されているように見える。

気に入った。これで行こう。




・・・よし、出来た。

素晴らしい出来映えだ。
前の履歴書とは、まさに雲泥の差。
右上の小さな写??$,8z$$$F$$$k!#


・・・ところで、「見本」に添った履歴書にしなくて大丈夫なのだろうか。


大丈夫。それは問題無い。

「見本」とは「現在 標準とされている履歴書の一例」の事であって、
「履歴書のあるべき姿」では無いんだ。

元々、「履歴書のあるべき姿」は存在しない。

役者達は、より良い履歴書の構図を発見すると、
それを模倣し、自分の物にする。

模倣を繰り返す事によって、
その構図を使った履歴書は増え、大きな「流れ」が生まれる。

この「流れ」の正体こそが、「標準」なんだ。

だから、5年前の「標準」と、今の「標準」は違う。

もしかしたら5年後は、
俺の新しい履歴書の構図が「標準」になっている・・・かもしれない。

前の日記 次の日記


[格下はついでに舞え]
8月16日(土)26:39


起きたのは、午前9時だった。
舞台劇「デッドライン」のリハーサルは10時からなので・・・ヤバイ、遅刻する

ゆっくり飯を食べてる暇も無い。
「たまご御飯」を掻き込むと、急いでシアター劇場に向かった。


着いたのは10時3分前、・・・何とか間に合ったようだ。
キャストが揃ったのを確認して、クリス(監督)が話し始めた。

クリス「みんな、おはよう。
    今日、やっと全てのキャストが揃ったね!」

あたりを見回すキャスト達。
確かに 15人のキャスト、全てがここに集っている。

クリス「さて、前もって知らせていた通り、
    今日からは台本無しで通す事になる。
    頑張って欲しい。
    ・・・しかし、ある役を演じている奴は、
    セリフを覚えきっていない!
    全くけしからん奴だ。
    そいつの役柄は・・・・デューク!」


・・・笑うキャスト達
それもそのハズ、「デューク」はクリス本人が演ずる役だからね。

クリス「今日は、最初から最後まで通すよ。
    では、みんな頑張って行こう!」


台本無しの、初リハーサルが始まった。

あちこちでセリフを詰まらせながら、シーンは進んで行く。

でも、不思議と 皆の演技には生気が溢れている。
役者達は目で会話し、お互いの行動に反応しながら演じている。

お昼休憩を15分挟み、最後まで通し終わった。

クリス「・・・素晴らしい!素晴らしい。
    俺が今まで見てきた「台本無しの初リハ」の中で、
    一番 素晴らしい内容だった。
    これからは、細かい所を仕上げて行く作業になる。
    気を抜かないで頑張ろう。」


このクリスの発言を聞いて、ハッと「ある事」に気付いた。

 ・・・いつの間にか、去年の劇を追い越している。

まだ漠然としか分からないけど、
「何か」が決定的に去年と違い、そして優れている。

何が違って、何が優れているんだろう。

それは「台本の構成が違う」というような事ではなくて、
もっと内面的な事・・・
演技一つ一つの「質」に関係しているような気がする。



今日のリハを見て、殆どの心配事は吹き飛んでしまった。
これならやれる。良い劇が出来あがる。

少し心配なのは、クリス(監督)の演技か。

クリスの演ずるキャラにはキスシーンがあるんだけど、
そのシーンは「三年以上連れ添った恋人同士のキスシーン」なので、
「恥じらい」は殆ど無いハズだ。

でも、そのシーンで、、
クリスの顔は真っ赤になってしまうんだ。

あまりに赤いので、少し心配になる。

 (クリックで拡大)



もう一つ心配なのは、舞台のセットだ。

俺達は9月の「木曜日」に公演するワケだけど、
独自のセットが貰えないんだ。

「金曜日」、「土曜日」に公演する人達のセットを、
そのまま流用しなくちゃいけない。


彼等のセットは真中で二分割されていて、
右側と左側に分かれている。

左側のセットは・・・良い。
「バー」としても使えるだろうし、
左側にドアを作ってくれたおかげで、入退場が格段に楽になった。


問題は右側のセットだ。なんじゃこれは。

白い壁に、白い床。
おまけに、壁には赤いハートが描かれた絵が飾ってある・・・。

明かに合って無い。

ハートの絵は外せるから良いとしても、
白い壁と床はどうにかならんのか。


そりゃ、俺達は「おまけ」として劇場を使わせて貰うのかもしれない。
金曜日、土曜日に公演する人達とはレベルが違うのかもしれない。

でも、お客から金を取って演ずる以上、
「ついでなので」とか、「仕方が無いので」とかいう言い訳は通用しないんだ。

・・・幸い、まだ公演までは時間がある。

クリス(監督)やダーン(プロデューサー)が劇場に掛け合って、
何とかしてくれる事を期待しよう。

(練習風景)
 (クリックで拡大)

前の日記 次の日記


一言

シアトルマリナーズのイチロー選手が
満塁ホームランを打った時、
俺はテレビの前で筋トレしていた。
彼が満塁ホームランを打った瞬間、
ベランダに出て
「すげええええええええ!!」
と思いきり吼えた。
・・・ご近所の方々は、
さぞ驚かれた事でしょう。


[電話よ鳴ってくれ]
8月15日(金)24:56


今週号のバックステージ(俳優新聞)の、
有用なオーディション情報の数は・・・

 9個

だった。

中々悪くない数だ。
この調子で続いてくれると嬉しいな。


これらの「有用な情報」は切り抜かれ、
こうやってテレビの横に貼られる。



そして、時間がある時に応募する。


応募が済んだ「有用な情報」は、
今度は電話の近くに貼り直される。



こうしておけば、オーディションに呼ばれた時に
どの映画のオーディションか、すぐに分かる。

かなりアナログな方法だけど、単純で分かり易い。
あとは、電話が鳴るのを待つだけだ。



・・・そう、電話が鳴るのを待つ。

 ここが最大の難関だ。

いざオーディションに呼ばれた場合、俺はかなり強い。
もっと参加すれば、チャンスも広がるだろう。

だが、 参加するには「呼ばれる事」が不可欠なんだ。

今の俺のヘッドショット(写真)には色々な問題があるらしく、
殆どオーディションに呼ばれない。

どんなに頑張って「ヘッドショット」を送っても、
その「ヘッドショット」自体に問題があって
オーディションに呼ばれないのなら、労力と切手代の無駄だ。

早く、一刻も早く、新しいヘッドショットを手に入れなければ。

当然の如く、新しいヘッドショットの作成と印刷には 金が掛かる。
はぁ、先行投資型ってのは辛いなぁ・・・

前の日記 次の日記


一言

ニューヨークは大停電で大変なようだ
カリフォルニアでも起こりかねない
非常用に色々な物を揃えておこう


[ジャガイモからの贈り物]
8月14日(木)27:14


近くのスーパーで、ジャガイモの安売りをしていた。
1袋で、何と たったの1$だったんだ。

食費を切り詰めて生活している俺にとって、
これほど嬉しい事は無い。

せっかくのチャンスを逃すまいと、気合を入れて3袋買って来た。





3袋で30ポンド(13.5kg)。

・・・少し買い過ぎたような気も、しないでもない。
痛んでしまう前に食べ切るだろうか?


 ジャガイモをメインで使った料理ねぇ・・・
 肉じゃが、粉吹きいも、マッシュポテト、ポテトサラダ・・・

そんなに思い付かない。
とりあえず、今日の所はカレーにしようっと。

前にカレーを食べてから、一月以上経っている。
久しぶりのカレーは、やはり嬉しいもんだ。

さっそく材料を揃えようと、冷蔵庫の扉を開ける。


ジャガイモは・・・・・・ある。


タマネギは・・・・・・ある。


ニンジンは・・・・・・ねえな。 まぁいいや。


肉は・・・・・あれ、肉もねえや。仕方無い。これで代用しよう。


そう言って俺が取り出したのは、「椎茸」だ。

今までも、何度か「椎茸カレー」は作っている。
「肉」は高価な食材なので、いつもは食べれないのだ。

おっと、「椎茸」を馬鹿にしちゃいけない。

椎茸は独特の匂いを消すと、食感は肉のようになるんだ。


   ほら、出来た。



    美味そうだ。


見た目だけじゃなく、味も勿論・・・美味かった。

カレーを腹一杯に食うと、何とも幸せな気分になった。
少し食べ過ぎたかな? ・・・今日はいいさ。



ジャガイモ3袋で13.5kg。持つとズッシリと重たい。

去年、ラストサムライを撮影していた頃、
俺の体重は95kg近くあった。

・・・いや、もっとあったかもしれない。

今の体重は80kgだ。

このジャガイモ3袋以上の物が俺の体内にあって、
それが4ヶ月そこらで消えたとは・・・何とも信じ難い。


「変化」は緩やかに起こり、自分ではあまり分からない。

しかし、「ジャガイモの安売り」という、一見 何でも無い出来事により、
「継続する事」の威力と感触を、その手で感じさせられたのだった。

前の日記 次の日記


[気張って気張って空振り]
8月13日(水)25:17


前回の舞台劇「デッドライン」のリハーサルでは、
たったの一言しか舞台上で喋れず、物足りなさを感じていた。

だけど、心配はいらない。
今日のリハは、「第2幕」を通す事になっているんだ。

俺のシーンの90%は第2幕にあって、
しかも舞台上で大暴れするシーンがあるので、欲求不満の解消には最適だ。

もちろん、安全には最大の注意を払わないと いけないんだけどね。


・・・もうすぐ6時になる。
リハは7時からなので、そろそろ準備をしなきゃいけない。

バッグに必要な物を入れて、野戦服に着替えて・・・準備完了だ

よーし、今日は頑張るぞ!



そんな時、電話が鳴った。

ユウキ「はい」

レブリー「ハーイ、ユウキ。デッドラインのレブリーよ。」


レブリーは、舞台劇「デッドライン」のマネージャーだ。


ユウキ「やぁレブリー、どうしたの?」

レブリー「今日のリハーサルが、中止になった事を伝えようと思って」

ユウキ「え?中止になったの?」

レブリー「リハーサル室が確保できなかったの。
      ユウキの出る次のリハーサルは土曜日ね。」

ユウキ「そっか。ありがとう。」



うわー せっかくやる気出してたのに、中止になった!
しかも準備完了してたのに・・・

せっかく出した この「やる気」を・・・どこにぶつけようか


仕方が無いので、筋トレする事にした。


2時間ほど筋トレして、まだ時間が余っていたので、
「バックステージ(俳優新聞)」を買って来た。
明日、詳しく見るとしよう。

しかし、中止なら もう少し早く教えて欲しかったなぁ。
予め知ってたら、もっと別の事ができたんだけど。

土曜日まで、あと2日ある。
この2日間を無駄にすまいぞ!

前の日記 次の日記


[無駄に凝るもんだから]
8月12日(火)26:57


舞台劇「デッドライン」の監督のクリスから、
プレスリリース用の写真の印刷を頼まれている。

「プレスリリース」とは新聞や雑誌を発行する会社などのプレス用に
 「○○で、○○という劇を、○○が演じますよ〜
  この劇は○○というような内容ですよ〜」
というような事をまとめた物だ。


写真を撮影したのは先週の土曜日だったか、
俺がデジタルカメラを持っているので、撮ってあげたんだ。

撮るのは楽だった。でも、ここからが大変だった。


撮った写真を




白黒にして




修正する。




こんな作業を十数枚に施し、印刷屋へ持って行って印刷したんだ。

あー、疲れた・・・ もう歳かな。

確かに「修正」のテクニックは磨けたかもしれないけど、
全部終わるまで、6時間も掛かってしまった。

・・・もう夜中の3時だ。
画面の小さいノートパソコンで作業をしたせいか、目も疲れた。

明日からまた忙しくなる。
いつもは水シャワーなんだけど、今日は熱いシャワーを浴びて 寝るとしよう。


最近は、毎日「何か」をしているような気がする。
例えそれが小さな事であっても、夢とはあまり関係無い事であっても、
少しづつ進んでいるような気がする。
寝転んで無駄に日々を過ごさないというのは、中々心地よいもんだ。

(プレスリリース用の写真)
 (クリックで拡大)

前の日記 次の日記


[声の大きさと自然な演技]
8月11日(月)25:40


舞台劇「デッドライン」のリハーサルは午後7時から。

シアター劇場に着いたのは6時45分。
すっかり「15分前行動」が身に付いてしまった。


予定表によれば、今日通すシーンは「未定」になってる。
どのシーンをやるんだろうか?

そんな俺の考えを見透かしたかのように、クリス(監督)が話し始めた。

クリス「今日は、特定のシーンを集中して練習したいと思う。
    まずは、第1幕の1部、32ページの始めから行こう。」

さぁ、リハの始まりだ!


と思ったら、言い忘れてたかのようにクリスが言った。

クリス「・・・あ、そうだ。
    みんな、そろそろ声を出して行こう。
    しっかりと。大きな声で。
    ボソボソ言ってたんじゃ、聞こえないからね。
    一番後ろの席まで声を飛ばすんだ。」


クリスは今まで、どうして「声を大きく出せ」とはあまり言わなかったんだろう。
小さい声で演技してても、あまり注意して来なかった。

確かに、最初から声を大きく出す事を意識し過ぎると、
不自然な演技になってしまうかもしれない。
言葉の持つ「強さ」が伝わり難くなってしまうかもしれない。

だからクリスは、先に演技の方を優先して「自然さ」を追求し、
それが完成して来たので「声量を上げる」事を言い始めたのだろうか。


クリスの本心は分からないけど、彼の注意は効果てきめんで、
今日はみんな声をしっかりと飛ばしていた。

負けじと俺も、自分のセリフをしっかりと遠くまで飛ばす。

ニューヨークの路上で鍛えた俺の声が どれ程デカいか、
その耳で、しかと聞くがいい!!


 ロン大佐「全くもって、その通りですな。」


・・・あら、またこれだけ?

3時間のリハで、舞台上で喋ったのは この一言のみ。
少し物足りないけど、リハの進行上 仕方が無い。

次回のリハは第2幕を通すので、たくさん出番がある。
この「物足りなさ」は、次まで胸にしまっておこうと思う。

前の日記 次の日記


一言

一番好きな映画。
それは「バック・トゥー・ザ・フューチャー」だ。
いつもワクワクしながら観ていた。
今でもそれは変わらない。
夢のある映画が好きだなー


[舌の根も乾かぬうちに]
8月10日(日)11:16pm


オーディション情報をせっかく集めても、
応募しなければ全く意味が無い。

無駄にはしたくないので、
手にある情報、全てに応募する事にした。

その数18通。

このペースで毎週応募して行こう。
そうすれば、いつか道が開けるような気がする。



この前 デジタルカメラで撮ったヘッドショット(写真)を
印刷に出す準備ができた。

心配な事は、いくつかある。

 「解像度」が足りていないかもしれない。
 「背景」が淡白でつまらない。
 「構図」がつまらない。
 「目」が言葉を語っていない。

このまま印刷して、自分で満足行く物ができるだろうか・・・
もしも失敗すれば、300枚の無駄な写真ができてしまう。

 どうする、印刷するか?

思いあぐねていると、
「ヘッドショットのデジタル修正」を生業としている友人から電話が掛かって来た。

友人に事情を説明すると、
何と「無料で」俺のヘッドショットを修正してくれると言うのだ!

 ン〜〜 どうしよっかなぁぁ・・・

彼はプロだ。
写真集などの修正も手掛けている。
そのプロが「無料で」俺の写真を修正してくれると言っているんだ。

・・・せっかく言ってくれてるんだ。ここは好意に甘えるとしよう。

どこまで俺の顔が「改造」されるのか分からない。
でも、心配よりもプロの腕を見る期待感の方が強かったりする。

どのような「作品」が出来るのか、楽しみに待っていようと思う。

前の日記 次の日記


[突然開いた大穴]
8月9日(土)28:25


舞台劇「デッドライン」のリハーサルは、午前10時からだ。

・・・朝早く起きるのは、ホントに辛い。
でも、今日の俺は、朝から気合が入っていた。


 それは何故か。


それは・・・ 「チキン南蛮」を作る為だ!

「チキン南蛮」は故郷「宮崎」の郷土料理で、俺の大好物。
それを久しぶりに食べれるんだ。気合が入らないワケがない!


やはり大好物を作るのだから、ゆっくり、じっくり、作りたい。
全精力を注ぎ込んで、力の限り、作りたい。

だけど、残念ながら 今は時間が足りない。
数十分後には、リハに出発しなきゃいけないんだ。

困った。これは困った。
今は諦めるしか無いのか・・・?


・・・いや、諦めない。

こうなったら、チキン南蛮への「愛情」を燃料とし、
高速モードで作ってやろうじゃないか!

高速モードは あまりに早いので、
もしかしたら目に見えないかもしれない
どうか瞬きせずに、ご覧頂きたい



  「チキン南蛮の作り方(高速モード)」


<材料>

鶏肉     適量  ピクルス  適量
小麦粉   適量  パセリ    適量
卵      適量  油      適量
ケチャップ 適量  しょうゆ   適量
レモン汁  適量  酢      適量
たまねぎ  適量  みりん    適量
砂糖     適量  味の素   適量
マヨネーズ 適量




<作り方>

1、タルタルソースを作る

  チキン南蛮にタルタルソースは欠かせません。
  まず、ボウルに
  「マヨネーズ、砂糖、ケチャップ、レモン汁、たまねぎ、ピクルス、パセリ、ゆで卵」
  を入れて下さい



 はい、入りましたね。

 ヤーーーーッ



 これでタルタルソースは完成です。


2、盛り付ける

  振り返ると、チキンの用意ができているので、
  タルタルソースを盛り付けて下さい。



  〜〜完成〜〜


ちょっとタルタルソースを掛け過ぎた。
でも、美味しければいいのだ!

 お味の方は・・・



 ・・・うめぇぇぇぇぇぇええええええ!!


あまりの美味さに、椅子から転げ落ちるかと思った。
これで、しばらくは頑張れそうだ。

さて、リハーサルへと向かおう!



チキン南蛮の詰まった太鼓腹を抱えて、いざリハーサルへ。
シアター劇場に着いたのは、9時50分だった。

C劇場に入ると、
マネージャーの「レブリー」が大きなケーキを抱えている。

ユウキ「今日って誰かの誕生日だったっけ?」

レブリー「ううん。サンゴの最終日だから、プレゼントとして買って来たの。」

ああ、そうだった。

クリス(監督)を手伝っていた「サンゴ」が、
月曜日にロンドンに帰ってしまうんだ。

そこにサンゴ本人が登場

サンゴ「うわー!すげー!」

レブリー「あなたの為に買って来たのよ」

サンゴ「本当に!?・・・ありがとうレブリー」


レブリーと一緒に写真に収まるサンゴ。
 (クリックで拡大)

せっかくなので、ケーキをみんなで分けて食べる事になった。


 ・・・うーん、これを食べるのか

俺は甘い物は好きだ。でも、この甘さはレベルが違う!

ケーキの表面を覆う白いクリーム。これが曲者だ。
 「分量を間違えたんじゃないか?」
と疑いたくなる程、砂糖でジャリジャリなんだ。

一切れ食べればもう十分。甘すぎて気持ちが悪い。

よく、これを何切れも食べれるよ。
「甘さ」の感じ方が違うんだろうなぁ。


ところで、クリス(監督)は、どうしたんだろう。
ドタバタしてるし、明かに元気が無い。

クリス「みんな、聞いてくれ。」

クリスの話に耳を傾けるキャスト達。

クリス「昨日、トム役を演じる予定になっていた
    ドーニーを使わない事を決定した。」

・・・そんなまさか。

場の空気が一瞬にして変わった。
クリスは話を続ける。

クリス「非常に残念な結果になってしまった。
    でも、これは避けられなかった。
    これから新しいトム役を探そうと思う。」

・・・信じられない。とても信じられない。

今、クリスが言った「ドーニー」というのは、
去年の公演の生き残りだ。

彼の演技は自然で、他の誰よりも上手かった。
同時に、ドーンはクリス(監督)の良き友人であり、
その彼をクリス自身がクビにするなんて、考えられないんだ。


・・・思い当たるフシもある。

ドーニーは、今年はまだ一度もリハーサルに参加していない。
彼は今、映画の撮影に参加していると聞いていた。


でも、クリスは

 「ドーニーは撮影が終わり次第こっちに合流する」

と常々言っていたし、

 「ドーニーは、去年も公演したので大丈夫だ。心配しなくて良い」

とも言っていた。


一体、彼等に何が起こったんだろうか。
リハーサルが始まっても、その事が気になっていた。



2時になった。今日のリハーサルはここまでだ。
俺はクリス(監督)に歩み寄り、聞いた。

ユウキ「クリス。ドーニーに何があったの?」

クリスはそれを聞くと、大きな溜め息を吐いて、言った。

クリス「・・・ああ。ユウキ、全てを話すよ。
    でもその前に一服させてくれ。
    タバコが無いと、とても話す気にならない。」

1階まで降りてビルの外に出ると、
クリスはタバコに火をつけ、そして話し始めた。

クリス「・・・ドーニーには、失望したよ。」

ユウキ「どうしたの」

クリス「・・・ドーニーが他の映画の撮影に参加していたのは知ってるだろ。」

ユウキ「ああ。」

クリス「ドーニーは、俺と約束してたんだ。
    月曜日までに、こっちに合流するって。
    ・・・でも、ドーニーは現れなかった。」
    まぁ、映画の撮影が延びた事は理解してる。
    それで、俺は聞いた。
    「いつ、こっちに来れる」って。」

ユウキ「それで?」

クリス「ドーニーは、
     「木曜日には絶対にそっちに行く」
    と言った。
     「絶対に行くから、俺の役を変えないでくれ」
    とも言った。
    だから俺は信じたさ。
    ・・・でも、ドーニーは現れなかった。」

ユウキ「・・・・・・。」

クリス「俺が留守電にメッセージを残しても、
    ドーニーは掛け直して来ない。
    遂に、ダーン(プロデューサー)の、堪忍袋の尾が切れた。
    ダーンは言った。
     「いい加減にしないか。
      いつも主役のトムが居ないとは、どういう了見だ。
      しかも殆ど連絡不能と来てる。
      俺とそいつを、直接話させてくれ。」
    そして、午後6時を指定し、
    ドーニーに電話を掛けるように言ったんだ。」

ユウキ「そして、直接話したの?」

クリス「いや、・・・ドーニーは電話しなかったんだ。
    ダーンは烈火のごとく怒り、ドーニーをクビにした。
    流石に もう庇えないよ。
    プロデューサーの言う事は絶対だからね。
    それにしても、ドーニーにはがっかりした。
    どうして電話一つができないんだ・・・。」

・・・なるほど、そういう理由があったのか。

クリス「・・・これで、最初から残っているのは、ユウキだけになったな。
    よろしく頼むぜ、相棒!」

言われてみれば、去年のリーディングから参加し、今もいるのは俺一人だけ。


色々な理由で、俳優はクビになる。
演技力、監督の好み、経済力、信頼度、人間関係の軋轢(あつれき)、諸事情・・・

俺の首の皮は、どれぐらい分厚いだろうか。

前の日記 次の日記


[愛情という名のソース]
8月8日(金)28:35


俺がこの世で一番好きな食べ物。それは「チキン南蛮」である。

もう長い事 食べていない。
ああ、あの味が懐かしい・・・


そんな俺を気遣って、
宮崎の実家に帰省している姉から、
「愛情たっぷり」のメールが届いていた。

 >ぷれぜんと〜〜〜〜♪
 >これを見て頑張ってね〜


 



 うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ

何て物を見せるんだ!


毎日ゲロのような飯を食べて口に糊している俺にとって、これは拷問だ。

写真を見るだけで口の中は涎で一杯になり、
腹の虫が大騒ぎを始める。

だけど、食えないのだ。我慢するしか無いのだ!
我慢。我慢。我慢・・・・


本気で食べたい物を我慢する。
これは精神的に非常に良くない。

我慢すればストレスが溜まるし、
何を食べても美味しく感じない。

なにか、良い方法は無いだろうか。
禁断症状を緩和し、事態を打開する良い方法・・・

・・・そうだ。あるじゃないか。一番簡単な方法が。


自分で作ればいいんだ。


よーし。そうとなれば、早速材料を揃えよう!
今日はもう食べたので、作るのは明日だ。

やっほー! 明日は久しぶりにチキン南蛮を食うぞ!

前の日記 次の日記


[一言の重み]
8月7日(木)25:43


シアター劇場にて舞台劇「デッドライン」のリハーサルだ。

C劇場の中にはリハーサル室が、いくつかあるんだけど、
今日使われるのは、通称「オーブン」と呼ばれる一室。

この部屋には、エアコンも無ければ窓も無い。

10人以上のキャストが、こんな空間に閉じ込められたら、
酸欠になるか、蒸し上がってしまいそうだ。

クリス(監督)も、それは十分承知している。
でも、他のリハーサル室が開いてないので仕方が無いのだ。

少しでも温度を下げる為、ドアを開け放してリハーサルが始まった。


今日は第1幕を通す予定になっている。
でも、第1幕での俺のセリフは一言しかない。


ロン大佐「全くもって、その通りですな。」


この一言をどう言うか。どう存在感を出すか。

たった一言だけど、
言い方を少し変えるだけで「ロン」のイメージはガラッと変わってしまう。
コメディー調になったり、誠実に聞こえたり。

確かに、このシーンで俺は端役だ。

でも、観客が俺の声を初めて聞くシーンでもあるし、
俺のキャラは第2幕への重要な伏線となっているので、
たとえ一言であっても疎かにするべきではない。

ねぇ、大佐。あなたもそう思いますよね。


ロン大佐「全くもって、その通りですな。」


第1幕を通し終えたのは、9時半だった。

クリス「今日は、少し早いけど ここで終わろうと思う。
    家に帰って、台本をしっかり見直して来てくれ。
    ・・・次のリハーサルは土曜日。
    そろそろプレスリリースを作成しようと思っているので、
    土曜日のリハは、できるだけ、
    持っている衣装を着て来るようにしてくれ。
    いくつか写真を撮りたいからね。」


衣装ならお任せ下さい。俺は常にフル装備だ。

リハーサルには毎回「戦闘服」を着て来てるし、
バッグの中には「モデルガン」だって入っている。

他にも、メモ帳や、目薬や、歯ブラシや、タオルや、水筒も。
・・・鉄アレイ(5kg)だって入っている。

「戦闘服」を着て、バッグの中には「モデルガン」と「鉄アレイ」・・・
警察に職務質問されたら、凄くヤバイような気がします。

ねぇ、大佐。あなたもそう思いますよね。


ロン大佐「全くもって、その通りですな。」


本番まで、既に1ヶ月を切っている。
気を抜かないで、頑張ろうと思う。

(練習風景)
 (クリックで拡大)

前の日記 次の日記


[自身を管理せよ]
8月6日(水)24:35


舞台劇「デッドライン」のリハーサルは午後7時半からだ。

今日はダンスシーンの練習が主で、
それに関係の無い俺は、集合時間が30分遅く設定されているんだ。

余った時間で、今週号のバックステージ(俳優新聞)に目を通す。
そう。懲りずにまた買っているのです。

さて、今週号にはどんな情報があるかな。

今週号の有用なオーディション情報の数は・・・!


        10個


キャーッ 
バックステージ最高。もう好き好き。

いやぁ、僕は信じてたよ。君はいつかはやる奴だって。



さて、8時になったけど、ダンス練習はまだ終わらない。

集まったキャスト達は その余った時間を有効に使う為、
セリフを確認したり、覚えたりしている。


やっとダンス練習が終わった時、時計は既に8時半を回っていた。

今日は第2幕を通す事になっている。
でも、あと1時間半しかないので、一度しか通せないだろう。


キャストがリハーサル室に入ると、
クリス(監督)が「第2幕を通す前の注意点」を
一人づつ、個別に言っていく。

クリス「ショーン、このシーンはこういう風にしてくれ。
    ダーン、このシーンはこういう感じだ。
    カーリー、このシーンはこういう気持ちが必要だ。
    もっと、こういう感情を込めてやってくれ」

・・・!!!

クリスが熟年俳優カーリーに注文を付けている!
この前は何があっても一言も言わなかったのに・・・!

監督としての仕事をする段階に入ったのだろうか。
クリスへの信頼度が上がったのは言うまでも無い。


クリス「ユウキ、君は素晴らしい。
    このままの調子で頑張ってくれ。
    ・・・そうだ、
    殴る時、顔にギリギリの所まで手を持って行くように。
    今のでは、殴ってないのがバレてしまう。
    大丈夫。「ウィー」としっかりアイコンタクトを行えば、
    ウィーはちゃんと避けてくれるはずだ。
    ・・・ウィー、君はちゃんとユウキの目を見るんだぞ。」

「もっと拳を顔に近づけろ」と仰いますか。
危険なのに・・・

俺はあの悪夢を再現させたく無い。
「劇の出来」より、「俳優の安全」の方が大事だ。

でも、クリスは「もっと近づけろ」と言い続けている。
・・・困った。何か良い方法を考えなければ。



注意点の確認が終わると、第2幕を始めから通す。


・・・あれ?


始まってすぐ、俺は自分の中の何かがおかしい事に気が付いた。

言葉では言い表せない「何か」。
テンションは極限まで下がり、まぶたが重い。

この感じは・・・何だろう?


この状態では、良いを演技をする事はできない。


俺は危機感を感じて、
テンションを上げる為に筋トレを始めた。

幸い、自分の出番までは まだ少し時間がある。

背中に汗が滲むぐらい動くと、
いつも程では無いにしろ、元気が出てきた。

これならば、何とかなるハズだ!

・・・でも、所詮は空元気だった。
声はデカイけど、感情移入も中途ハンパ。

自分では満足できない演技になってしまった。



この不調の原因は何だろう?
朝はしっかり食べたし・・・・昨日の夜はちゃんと・・・・

 ・・・ああ、そうだ

俺が寝たのは朝の7時。
起きたのは朝の10時半。

3時間半しか寝てない。
これが不調の原因か・・・

そりゃ、テンションも下がるハズだ。だって「眠い」んだから。
そりゃ、まぶたも重くなるハズだ。だって「眠い」んだから。

昨日は寄稿文に気合を入れ過ぎた。
今日はゆっくり寝ようと思う。

前の日記 次の日記


[夢は叶うって事って事]
8月5日(火)27:05


この前言っていた寄稿文を、集中して一気に書き上げた。

「自由に書いていい」と言われていたので、
思いきり自分流の文章で書いてしまった。

まだ推敲してないし、夜中に書いた文章なので とても危険だ!
実際に送るのは明日にしよう。

それでは一足先にお読み頂こう!


夢は叶うって事


「世界的な映画俳優になりたい。」
その夢を追う為にアメリカ行きの飛行機に乗った時、俺は18歳だった。

甚平に草履という、日本でも滅多に見掛けない格好だ。
着替えも甚平三着しかない。

だけど、何も怖くなかった。
「どうにかなるさ」と思っていた。

向かった先はバージニア州バージニアビーチ。
そう、宮崎の姉妹都市だ。

姉妹都市という関係を上手く利用し、
演技学校に入れて貰おうと企んでいたんだ。

市庁舎へ直接向かい、
市長と直接話して演技学校に是非入学させて欲しいと頼む。

でも、駄目だった。

市長さんにはその権限が無かったし、
その演技学校は高校だったので、
既に高校を卒業していた俺は入学する事ができなかったんだ。


失意のうちに、ニューヨーク行きのバスへと乗った。
ここに留まる理由は無くなってしまったからね。
でも、ニューヨークへ行けば、何かが変わると思った。・・・そして変わった!

何が変わったか、それは財布の中身だ。
ユースホステルに泊まっていた時、全財産を盗まれてしまったんだ。

帰りの飛行機のチケットも盗られた。
遠く離れた異国で、全ての物を失ってしまった。

だが、まだ諦めなかった。

ホームレスの施設に入り、生活を賭けて始めたのはストリートパフォーマンスだ。
ニューヨークの中心、「タイムズスクエア」の一角で、
日本の童謡を歌ってお金を稼ぐ生活が始まった。

一番最初は3時間歌って、4$しか稼げなかった。
・・・とほほ。俺って向いてないのかな。

でも、何度もタイムズスクエアへ通い続け、色々な事を学び、
どんどん自分のショーを改良した。

60曲以上の童謡を暗譜し、衣装や小物も増やし、声色も変えた。
その甲斐あってか、ニューヨークを去る頃には30$近く稼げるようになっていた。


「世界的な映画俳優になりたい。」
その夢を忘れたわけではない。
俺はとある映画の撮影に参加する為、ペンシルバニア州へと向かった。

その映画の題名は「ブラックニンジャ」。
600人が参加したオーディションで、
何と俺は「ハギワラ」という準主役の大役を手に入れたんだ!

そ$N1G2h$O3($KIA$$$?$h$&$J!V4V0c$C$?G& 俺の役柄もアメリカ人の視点で描かれた「ニンジャ」だった。

でも、俺は撮影自体を楽しんで、その役を演じる事ができた。
人生初の映画出演であった。


映画俳優になるには、ハリウッドへ行かなければならない。
それは分かっていた。では、いつ行くか?・・・それは今だ!

8ヶ月間のニューヨーク生活に別れを告げ、
俺はとうとう映画の都ハリウッドへやって来た。

右も左も分からない。
どうすれば映画に出れるかなんて、こっちが聞きたい。
当に手探り状態の出発だった。

「オーディションに行って演技し、そして役を手に入れる。」
そのシンプルな行動を繰り返し、俺は「俳優」として少しづつ歩き出した。


ある時、とある映画のオーディションに呼ばれた。
その映画こそが「ラストサムライ」だった。

ハリウッドに住む日本人俳優達が集まるオーディション会場で、
俺は思いきり動き、そして演じた。

数日後に電話が掛かってきて、
脇役ではあるけどセリフのある役を手に入れた事を聞かされた時、
どんなに嬉しかった事か!


そして・・・俺は「ラストサムライ」の撮影現場にいた。
日本を離れて2年半。21歳になっていた。

目の前には、映画の中でしか見た事が無い人が立っている。
とてもじゃないが、信じられない光景だ。

だが、俺は確かにここにいる。
夢にまで見たハリウッド映画の撮影に「俳優」として参加しているのだ!


このお話は、ここで終わりでは無い。
今も続いているし、俺が夢を諦めない限りこれからも続いて行くだろう。

今は9月に公演する舞台のリハーサルに忙しい毎日を送っている。

俺はまだ未熟だし、若造だけど言える事が一つある。
「夢は諦めなければ必ず叶う。」
みんなも頑張れ!俺も頑張るから!

前の日記 次の日記


[ど忘れ感情移入]
8月4日(月)24:08


金は無いけど、ホットケーキが食べたい!
作るの面倒だけど、ホットケーキが食べたい!
作ってくれる人いないけど、ホットケーキが食べたい!

そんなあなたに、今日お届けするメニューはこちら

 「貧乏ホットケーキ」

<材料>

 食パン    (一番安い奴)
 シロップ   (一番安い奴」
 マーガリン  (一番安い奴)




<作り方>

食パンをトースターで焼き、
マーガリンを乗せてシロップを掛ける。



    〜〜完成〜〜

材料費は20¢以下。貧乏の勝利だ!



今日は7時から舞台劇「デッドライン」のリハーサルだ。

C劇場に入って、発声練習をしていると、
クリス(監督)が腕に本を抱えている。
何でも、図書館でベトナム戦争の写真集を借りてきたらしい。

自分のシーンが来るまでの間、
クリスが持ってきた写真集を見て、感情移入する。

 自分はこの写真の空間で生まれ育ったんだ。
 この写真の光景は、別に珍しい光景ではないんだ・・・

その気持ちを保ったまま、自分のシーンに突入だ!


自分のシーンに入ってすぐ、俺はこういうセリフを言わなきゃいけない。

ロン「ミスター スローン。昨夜はオアシスへ行かれましたか?」


「オアシス」とは、バーの名前だ。

そして、今日。
俺はいつものようにシーンに入って、自分のセリフを言おうとした。


ロン「ミスター ・・・・・・・・・・??」


 ・・・・アレ?? 
   ・・・こいつの名前なんだっけ?

      トラヴィス?いや違うな。デュークでも無いし・・・・


頭の中が真っ白に! とっさに聞いた。


ロン「あなたの名前は何でしたっけ」

???「スローンだが。」


・・・よし。まだシーンに復帰できる!


ロン「そう。ミスター スローン。昨夜はオエシスへ行かれましたか?」

スローン「オエシス?」

ロン「・・・アレ?オエシスじゃなかったっけ。・・・俺、間違えた?」

スローン「 オ 『ア』 シスね。」


笑うキャスト一同。

しまったしまった。
写真に感情移入し過ぎたかな。
まさかセリフが「飛ぶ」とは思わなかった。

んで、もう一度俺の登場シーンから。

 ブフッ

登場と同時に、思わず吹き出してしまった。
何故か分からないけど、笑いがどうにも押さえられない。


どうやら「ツボ」にハマってしまったらしい。

深呼吸。深呼吸・・・

気持ちを落ち付けて、もう一度登場から。


ロン「ミスター スローン。昨夜はオアシスへ行かれましたか?」

スローン「いや、行ってないが。」


よーし。今度は上手くいった。

今はリハだけど、これが本番で起こったら大変だ。
「感情移入」もいいけど「セリフのおさらい」もするべきだ、と学んだのだった。

前の日記 次の日記


[デジタルの進撃]
8月3日(日)27:55


家の配電方式を探る為、家中のコンセントの位置を確認していると、
カンナさんから電話が掛かってきた。

カンナさんは、在米歴十年を越す日本人女性で、
俺がNYからハリウッドに移動して以来の友人だ。

何でも、俺が困窮している事を知り、
ヘッドショット(顔写真)を撮影する費用を浮かす方法を考えたそうなのだ。

・・・その方法とは!

カンナ「私が撮ってあげようか」


何と、カンナさんの持つデジタルカメラでヘッドショットを撮影してくれると言うのだ!

だが、デジタルで撮影するのはかなり難しい。

第一に問題なのは「解像度」だ。
撮った画像の「きめ細かさ」は、いざ印刷した時にモロに紙面に現れる。

プロカメラマン仕様のデジタルカメラでは無いので、
その「解像度」が十分ある写真が撮れるかは分からない。

「ヘッドショットのデジタル修正」を生業にしている友人に電話をして、
 どの程度の「解像度」が最低限必要なのか、
を尋ねようと思ったんだけど、連絡が付かない。

・・・チャンスは今しかない。とりあえず撮ろう!


撮影場所は、俺の家だ。


カンナさんが訪れる前に、1時間掛けて照明を自分でセットアップする。

どのような方向から光を当てて、どうやって影を消すか。
家中のライトを引っ張ってきて、思考錯誤しながら組み上げた。


それが済むと、今日撮る予定のヘッドショットの「おさらい」をする。


撮ろうと思っているのは四種類のヘッドショットだ。

1、カジュアルな衣装のヘッドショット
  トレーナーを着て、笑顔で写る。
  主にCMや、エキストラの仕事に使えるようにする。

2、スーツ姿のヘッドショット
  黒のスーツを着て、タフな印象で写る。
  主にボディーガードや、ヤクザ系などの役に使えるようにする。

3、着物姿のヘッドショット
  着物を着て、木刀を持って写る。
  自分の個性を前面に出し、様々な用途に使えるようにする。

4、戦闘服姿のヘッドショット
  戦闘服を着て、凛々しい顔で写る。
  主に戦争系や、殺し屋系などの役に使えるようにする。


この4種類のヘッドショットが手に入れば、もう怖い物無しだ。



そうしているうちにカンナさんが来て、撮影が始まった。

カメラに付いているフラッシュを使うと、
必要以上に光ってしまうので、少し薄暗い中で撮影した。

7時から撮影を始め、終わったのは何と10時。
3時間で・・・170枚近く撮っただろうか?

そうして撮れた写真は暗いけど、「デジタルなので」あまり心配はいらないのだ。

  それはどういう事か。

デジタルで撮影すると、色々な修正が効く。
それは背景を変えたり、明るさを変えたり、色々だ。


俺がここで撮った写真が、どのようにヘッドショットになるのか。

その工程を公開しよう。



まずは、これが元々の画像。デジタルのカラー写真だ。

 (クリックで拡大)


ヘッドショットは白黒なのに、これはカラーだし、
フラッシュのせいで、頭の後ろに影は出来ているし、
背景のシーツは見苦しい。


 だけど、・・・問題ない。



<その1、白黒への変換>


ヘッドショットは白黒なので、この写真も白黒にする必要がある。


 (クリックで拡大)


白黒に変換すると、少し暗くなった印象を受ける。



<その2、目に星を入れる>


目に注目して欲しい。





右目には「星」が入っているが、左目には入っていない。
どちらの方の目に「生気」を感じるかと言えば、当然右目だろう。

左目にも「星」を入れる必要がある。





これで左目がどこを向いているのか分かるようになった。
全体像で確認して欲しい。


 (クリックで拡大)



<その3、背景と明るさの修正>


「背景のシーツ」と頭の後ろにある「影」を修正する必要がある。
全体の明るさも暗いので、明るくしなければならない。


 (クリックで拡大)


これで見苦しさは無くなったハズだ。



<その4、ヘッドショットのサイズに合わせる>


ヘッドショットは「8インチ×10インチ」のサイズなので、
そのサイズに合わせる必要がある。


  (クリックで拡大)


これで完成だ。

たった今、修正を加えた箇所は、
「背景」「フラッシュの影」「目の星」「明るさ」「写真の配置」
という技術的な面の修正だ。

プロのカメラマンに頼めば、
予めこれらの事を計算した上で撮影するので、
心配する必要は無くなる。そりゃ金は掛かるけど。


デジタルを使った技術的な修正は、
撮影費用を安くする上で欠かせないだろう。

でも、中にはデジタル化を良い事に
無茶苦茶な修正を施す人もいるらしい。

鼻を高くする人、
輪郭を細くする人、
まつげを増やす人、
一重を二重に変える人、
体系や髪型を変える人・・・

そこまで修正したら、そこに写ってる人は一体誰なんだろう・・・


デジタル修正は、それで仕事が成り立つほど人気があるらしい。

そのうちに、本人の写真を撮らなくても
ヘッドショットが作れるようになるんじゃ無いだろうか。

前の日記 次の日記


一言

現像に出していた写真ができた。
中々良い出来だ。
いよいよ応募攻勢の始まりだ。


[プロとは。キャリアとは。]
8月2日(土)25:15


土曜の朝早くから、舞台劇「デッドライン」のリハーサルだ。

シアター劇場に着いたのは、9時45分。
おかしな事に、ビルの入口のカギが閉まっていた。

先週の土曜は9時半の時点で開いてたんだけどなぁ・・・
中に入れないので、入口付近に屯(たむろ)するキャスト達。

どうやら、警備員が朝食を買いに出ていたらしく、
中に入れたのは10時を少し過ぎた頃だった。


予定表によると・・・今日は、「第1幕」を通す事になっている。

クリス(監督)から簡単に今日のリハの説明と、
演技の注文があったあと、リハが始まった。


「第1幕」は「3部構成」になっている。
俺が登場するのは「2部」なので、「1部」を通している間はヒマだ。

いつもは影で筋トレしているのだけど、朝から身体を動かすのは辛い。

客席に座って皆の演技を眺めていると、
どうも横にいるクリス(監督)の表情が思わしくない。

深くため息を吐き、表情も硬い。

 (クリックで拡大)

クリスの悩みの種は、熟年俳優「カーリー」だ。

カーリーが勝手にセリフを変えたり、
アドリブを混ぜたりするので劇のテンポが狂ってしまっているんだ。

まだ、大半の人は台本を読みながら演技している段階だ。
ここでアドリブをやられると、
どのシーンを演じているのか分からなくなるので、テンポが狂うのも当然だろう。

だが、クリス(監督)はカーリーに強く言う事ができない。

それは年齢的にカーリーが上だから、というワケでもない。

実は、去年の公演でも、クリスはカーリーに「サム」の役を演じて欲しがっていた。
だけど、カーリーの予定が合わず、断念。 仕方なく他の俳優をキャストした。
そして、今年。念願叶ってカーリーを使う事ができたってワケだ。

それだけではない。

カーリーは、70年代の有名なドラマ「M*A*S*H」に出演していた俳優だ。
その彼が無償で劇に出てくれているのだから、クリスが強く出れないのも当然なのだ。


第1幕を一度通した後、クリスは「みんな」に向かって言った。

クリス「うーむ。今のはあまり良くなかった。
    まぁ、土曜の朝だから、調子が出ないのもしょうがないよな。
    でも、元気を出して行こう。
    第1幕で大事なのは『テンポ』を大事にする事。
    特に最初の20分間のテンポが一番重要だ。
    観客は、最初の20分間でこの劇を判断する。
    そこで引き込まれれば、最後まで興味を持ってみてくれるし、
    興ざめしてしまえば、後は苦痛に感じるだけだ。
    だから、次は台本通りにテンポを大事にして通そう。
    声も少し小さいので、もっと大きく出そう。」

このメッセージは、「カーリー」に向けられているんじゃないかな。
でも、本人には直接言えないので、対象を「みんな」に向けて、
カーリーにもそれを守って貰おうとしてるんだと思う。

二回目の「通し」は、一回目に比べて格段に良くなった。
カーリーもアドリブ無しでセリフを喋っている。

クリス「うん。今のは素晴らしいかった。この調子で頑張ろう。」


二回目の「通し」が終わると、二人の俳優がオーディションに来ていた。
海兵隊を演ずる予定だった「ジェームス」という人の代わりを募集しているらしいのだ。


・・・・・・・ジェームス?


そう。前にミーティングでオーディションをした、あの「ジェームス」だった。

話によると、彼は「タム役」こそ逃したものの、
「海兵隊」としてキャストされていたらしい。
だけど、何かと理由を付けてリハに出ない為、クビにされたそうなのだ。

その「理由」というのが
「今日はとても疲れたから」
とか、何ともふざけた理由だったのも原因の一つらしい。

まさかジェームスが、プロとして疑われるような行動を取る奴だとは思わなかった。
出たくないなら、「出たくない」って言えばいいのに。



今日から、台本を見ないでセリフを言う人が増えた。
どうしてもセリフが思い出せない時は、
 「セリフ」
と言えば、マネージャーの「レブリー」が次のセリフの出だしを教えてくれる。

台本を読んでいると、目を使ったコミニケーションが上手くいなかい。
目は常にセリフを追っているので、
他の役者が何をしているのかが分からないんだ。

本番まであと1ヶ月ちょい。
台本無しで何回通す事ができるか が、本番の出来に直結して来るように思える。

(練習風景)
 (クリックで拡大)

前の日記 次の日記


[早く宿題しなさい]
8月1日(金)9:31pm


ああ、忘れてた!
宮崎県の国際交流協会が発行している、
「サウスウインド」という機関紙への寄稿を頼まれているんだった。


 1 内 容  宮崎WORLDWIDE  
  (世界を視野に入れて活躍する宮崎県出身の方を紹介)
  アメリカで俳優を目指すきっかけ、映画『ラスト・サムライ』の
  撮影、現在の活動、将来の夢などについて自由にお書き願います。
  それ以外は特に制限はございません。
 2 字 数  1700字程度
 3 締 切  平成15年8月15日(金)
 4 写 真  内容にあったもの 2〜3枚
 5 参 考
  (1) 配布先
   県庁内各課・出先機関、県内市町村・大学・高校・中学校・小学校、
   国際交流団体、協会賛助会員、
   各都道府県国際交流主管課・国際交流協会等
  (2) 発行部数 
   2,700部(年4回発行)


依頼を受けたのは6月2日なので、2ヶ月間放置していた事になる。

うーむ・・・どうしたもんか。何を書こう。
文字数制限があるから、書きたいように書くわけにもいかない。

でも、せっかく「自由に書いていいよ」と言われてるんだから、
何か面白い事を書きたい。

文体は簡単にして、小中学生でも読めるようにしたい。

俺にできるだろうか?

三年も日記書いてるんだから、
少しぐらい文章が上手くなってても良さそうだけど・・・

締切まで、あと12日。
明後日までに、気合を入れて一気に書き上げよう。

皆さんは、「夏休みの宿題」は計画的に行うようにしましょうね。
一度も提出した事のない奴が言っても説得力0ですか。そうですか。

前の日記 次の日記



これより前を読む 一番上へ戻る トップページへ戻る