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[初舞台に立つ]
3月21日03:45pm
時は3月16日、俺は宝石箱劇場という小劇場へやってきた。
理由は言わずもがな、俺が初めて出演する事になった舞台劇「デッドライン」の「読み合わせ」があるからだ。
午後1時15分頃が集合時間で、俺が着いたのが1時ごろだった。
宝石箱劇場は小さな小劇場が3つ連なっている小劇場群で、
俺はそのうちのどの劇場へ行ったらいいのか聞かされてない。
中を覗いてみて、判断してみようと思う。
・・・まず、1つ目の劇場。
何やら、立て看板が立っていて、そこにオーディション情報が書いてある。
どうやら、別の舞台劇のオーディションを行っているようだ。・・・ここじゃなさそう。
・・・2つ目の劇場。
カギが開いてない。確かめようが無いなぁ。
ノックしてみても無反応だ。ここじゃないっぽい。
・・・3つ目の劇場。
丁度 人が出てきたので、聞いてみた。
俺 「すみません、ここって、デッドラインの読み合わせがある劇場ですか?」
人 「え? 少なくとも第3劇場じゃないと思うよ」
アレ?一体どこなんだ? 俺が何か間違ってるんだろか?
ちょっと不安になりつつ、劇場の裏に回ってみる事にした。
ぐるっと外周を回り込んで劇場裏へ行ってみると・・・・いた! 監督のクリスだ!!!
他の俳優陣もいる。どうやらここが集合場所だったようだ。
何でも、場所は「小劇場1」で合ってたらしいんだけど、
1時半までは別のオーディションで使ってるんだってさ。 通りで見つからないハズだ。
やがて1時半になって、俺達が小劇場1の中へと入った。
小劇場の中には、何だか変な匂いが立ちこめていた。
他の俳優のみんなも「窓を開けよう」って言ってたけど、窓が存在しない。
ドアを開け放して、空気の入れ替えをする事になった。
さて、全員揃って、落ちついてきたところで、クリスから説明がある。
クリス「今日は、皆さんこの『読み合わせのリハーサル』に来ていただき、
本当に感謝しています。読み合わせの本番は3月21日、
場所はここ、宝石箱劇場の第2小劇場です。
時間は7時半からなので、俳優の方達には少なくとも7時には舞台入りして頂きたい。
そこには、一般の方達はもちろん、この舞台のプロデューサーも来る事になっています。
そこで注意していて欲しいのは、『まだ配役は決定していない』という事です。
もしもプロデューサーが『私はあの役にもっと適している人を知っている』と言えば
配役を変更する事になるし、私の意思でも変更されるかもしれない。
とにかく、まだ配役が決定したワケではないという事を、今一度頭に入れておいて下さい。
今日のリハーサルは一度通して読むだけですので、最長でも3時半には終わる予定です。
では、まず皆さんで自己紹介をする事にしましょう。」
・・・・あれ、何だか俺の想像していた事と大きく違う事を今、言いませんでした?
・・・なんだか、俺はとてつもなく大きな勘違いをしているような・・・・
・・・まさか、 まさか! 「読み合わせ」って、俺の想像していた「リハーサル」ではなくて、
本物の観客の前で台本を読み、その台本の出来映えを実際に判断してもらう「リーディング」の事か!?
・・・まさかそうなのか!? マジっすか? 洒落になってないですよ。
多分、俺の予想が当たっているとするならば、本番の3月21日には一般人がこの「リーディング」
へとやって来るでしょう。リハーサルでも何でもなく、言うなれば大きなオーディションも兼ねた・・・「本番」だ!!
・・・しまった。油断していた。
+++++
俺の頭の中が大混乱に陥っている間、順番に自己紹介が進んできて、俺の番が回ってきた。
俺 「どうもこんにちは、ロン大佐の役をやらせて頂くユウキです。」
それが終わると、早速台本読みに入る事となった。
もうこうなったら仕方が無い。俺のあるだけの力でぶつかってみるしかないだろう。
俺は覚悟を決めて、台本へと読み入った。
自分のセリフには目を通してあるし、イメージトレーニングもした。声に出して練習もした。
80%は失敗しないハズだ。あとはそれをここで実行に移す度胸があるかどうか!
・・・それぐらいの事、何でもない事だ。タイムズスクエアに比べれば屁でも無い。
いよいよ台本の読み合わせが始まった。
92ページある台本で、俺が初登場するのは41ページ目だ。
しかし・・・みんな恐ろしく読むのが早い!
1ページのセリフを30秒で読んでしまう
現在読まれている部分を目で追うのがやっとだ。
こんな事で大丈夫なんだろうか・・・・
幸いな事に、初登場のシーンでは俺は一言しかセリフが無い
「全くもって、その通りです」
この一言のみ。
もうすぐそのシーンがやって来る・・・。
ヘンショー大佐が俺に呼び掛けた
ヘンショー大佐「そうでしょう、ロン大佐?」
ロン大佐(俺) 「全くもって、その通りです」
なんとか第一関門は通過したようだ。
次に俺が登場するシーンは、71ページだ。
ここは、ハッキリ言って、俺のメインシーンだ。
もうすぐそのシーンがやって来る。心臓がドキドキしている。なかなか心地良い緊張だ。
===========================
(ロン大佐、入る)
ロン(俺)「こんばんは。スローンさん、あなたは昨晩、オアシス(バーの名前)へと行かれました?」
デューク(スローン)「いいえ、行ってませんけど」
ロン「では、ここに一晩中居た・・・と。」
デューク「で、それだと何か?」
ロン「あの小僧はどこに?」(サムに対して)
サム「厨房に居ますけど」
ロン「あの小僧は昨晩、ここに居ましたか?」(デュークに対して)
デューク「そうじゃないの? 知らんけど。」
シーン「お前さ、何しに来たんだよ。座らないならさっさとどっかへ行ってくれねーか?」
デューク「落ち付けシーン。」
ロン「小僧にここに来るように言いなさい」(サムへ)
シーン「だからさ・・・」
ロン「私は小僧を呼びに行けと言っている。」
(サム、タムを呼びに行く。タムが入る)
ロン「ここへ来なさい。」
ロン「君は何やら売りに出すライターを持っているらしいね。ちょっと見せてもらえるかな。」
ロン「・・・これをどこで手に入れた?」
タム「拾った」
ロン「拾いました。」
タム「拾いました。」
ロン「どこで?」
タム「拾いました。」
ロン「拾ったのは分かった。どこで?」
タム「・・・かなり前に拾いました。」
ロン「どこでかと聞いている。」
(タムは恐怖のあまり口が開かず、引きつった笑顔で何とか笑おうと努めている。)
(ロンはにっこり笑い返すと、いきなり手の甲でタムの顔を思いきり殴った。)
(タムは膝まで崩れ落ちた)
シーン「この糞野郎・・・!!!」
デューク「シーン!!」
(トムがシーンの腕を掴んで制した。)
ロン「もう一度聞く。 どこで見つけた?」
タム「・・・拾ったんです。本当です」
ロン「このライターを知っていますか?」(デュークへ)
デューク「俺が国中のライターを全部知ってたすげーよ」
(ロン、ライターを読みながら)
ロン「ジョン・N・サンド。U.S.M.C.68個隊所属・・・このライターを知っていますか?」
デューク「それは、昨晩、オアシスの前で殺された海兵隊の物だな。そいつはそのちょっと前までここに居た。」
シーン「だからそれがどうしたってんだよ!どうせ落としたに決まってんだろ!
多分、ここだ。ここかどっかで落としたンだよ」
(ロン、タムを髪の毛で吊り上げる)
ロン「もう一度聞く。・・・どこで手に入れた?」
タム「拾ったんです。本当です。拾ったんです。」
(ロン、タムにビンタをしながら)
ロン「そうか拾ったんだな。「かなり前に」な。どこで手に入れた!」
タム「拾ったんです。本当です。」
ロン「どこでだ!答えろ!」(ビンタしながら)
マーティー「・・・誰か、止められないのかよ」
トラビス「なんてこった・・・」
ロン「こいつは、隠れベトコンの疑いがある!誰も下手なマネしなさんな!
おい、どこで手に入れたんだっ!」
タム「違います!ベトコンじゃありません!拾ったんです!ベトコンじゃないです!」
ロン「どこで手に入れたか答えろって言ってんだろうが!!!」(吼える)
(ロンは、タムを思いきり殴り飛ばした。タムは後ろに吹っ飛んだ。)
(ロンはゆっくりとピストルを取り出した。)
トラビス「・・・ビル、何とかしてくれ・・・」
シーン「おい、テメエ、いい加減にしろ!!」(ロンにピストルを向けている)
ロン「このベトコンは被疑者だ。私はこいつを尋問へと連れていく。
もしも貴方がこいつを庇おうというのなら、私は自己防衛を行う!」
シーン「お前!そこに座れ!!」
デューク「シーン、君は銃を向けてるんだよ・・・」
(ロンは、タムを髪の毛で持ち上げ、タムで自分を庇いながらそろそろと後ろ歩きで外へと出ていく。)
(シーンは、それを銃口で追いながら、2人が出ていったあとでゆっくり銃を降ろした。)
======================
ふぅ、終わった!
読み合わせが終わったあと、監督が俺に言った
監督「最高だった。完璧だった。本番でもその調子で頑張って!」
おっしゃー勇気付けられたぞ。本番も頑張ります!
その本番とは・・・・今日だ! ひえぇぇ
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[読み合わせ]
3月16日(土)09:24am
おはようございます! いやぁ、清清しい朝だ。
現在、朝の9時半。
今日はお昼の1時半から、舞台「デッドライン」の読み合わせが「宝石箱劇場」にてあるんだ。
クリス(監督)に頼まれた「レザージャケット」と「ブーツ」のうち、
「レザージャケット」は友人から借りて間に合わせた。
ブーツは流石に俺のサイズ(32cm)のを持ってる人がいなかったので、保留。
++++
さて、この1週間で「大きな出来事」が一つあった。
俺がいままでずぅぅぅっと心待ちにしていた「ある物」が届いたんだ。
その「ある物」とは・・・
俺が出演したCMのビデオコピー(複製)!!
うぉぉぉぉっ!ホントに送ってきやがったよ!
ビデオコピーをくれるって言ってながら全然くれない人が多い中、
あのCM監督のポールはかなり誠実な人だなぁ、と感じた。
厳重に包まれたその封筒を開けると、中からビデオテープが出てきた。(当たりまえだけど)
ドキドキしつつ、ビデオデッキに入れる・・・・
しばらくの黒い画面の後・・・・・・「O Beautiful for patriot dream〜♪」
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!
凄い!始まった!!!
・・・・終わった。
30秒のCMで(正確には29秒)、俺の出演している秒数は約5秒だった。
確かこのCMには3つのバージョンがあって、
送られて来たのは俺が出演しているバージョンだけのようだ。
何にしても、初めて「映像として」俺の手元に送ってきた「出演記録」だ。
これは大切に保管せねば!
日本の実家にも送ろう。
CMを何度か見て、ちょっと俺の癖が気になった。
5秒間の歌うパートのうち、俺は5回も「まばたき」してるんだ。
他の出演者と比べても、明らかに多い。
これはあまり良い事じゃ無さそうだ。もしも次にチャンスがあった時は、そこんとこを気をつけて行こうと思う。
++++
今からもう一度台本読み直して、お昼からの読み合わせの備えます。 頑張りまっせー
[打ち合わせ]
3月8日(金)11:45pm
さて、今日は舞台『デッドライン』の監督「クリス」に台本を返しに行かないといけない。
俺はバスに乗って、グレンデルモールというモール(お店の集合体みたいなもの)へと向かった。
待ち合わせ場所はそのグレンデルモールの近くの本屋さんだ。
バスを降りて時計を見た。・・・4時だ。
待ち合わせは5時なので、今のうちに台本のコピーを取っておく事にしようと思う。
幸い、近くにキンコスという印刷屋さんがあったので、そこへと向かった。
店員さんに値段を聞くと、1枚8セント。 台本はだいたい90枚なので・・・7$20¢+TAXってなとこだ。
よし。それ程悪い値段じゃないな。
コピー機に台本を上向きに設定し・・・・スタート。
あとは、コピー機が勝手にやってくれるんだ。
なんと、3分もしないうちに台本のコピーができあがってしまった。
会計へいって、お金を支払った。
・・・今、何時かな? ・・・4時半。
頃合かと思って、俺は監督との待ち合わせのある本屋さんへと向かった。
本屋に着くと、なんともう監督はいて、コーヒーを飲んでくつろいでた!
なぬぅ、30分前に既に来ているなんて、(カリフォルニア人に似合わず)なんと律儀な人なのだ・・・。
挨拶を交わして、席に着く。
俺はまず、クリス(監督)に借りていた台本を返した。
監督「おお、ありがとう。すまないね。
さて、本題に入ろうか。台本を読んでみて、実際どうだった?
どんな些細な事でもいいので、言ってくれないかな。」
俺 「そうですね。ストーリー的には問題なく、いい出来だと思いました。
ですが、とある点において、ちょっと気になる点はありました。」
監督「というと?」
俺 「まず、ベトナム人としての登場人物が、誰かを呼ぶ時に、
人名の後に『さん』という敬称をつけてますよね?
あれは、日本人だけの特有のものだと思うのです。」
監督「ええ!?そうなのかい!・・・実はね。20年前にこの劇の初講演をした時、
私の友人が・・・彼はベトナムに居たんだけど、その彼が教えてくれたんだよ。
うーむ。」
俺 「もしかしたら、ベトナムではベトナムのやり方で敬称のつけ方があるかもしれませんが、
少なくとも『さん』では無いと思います。」
監督「良く教えてくれたね。早速台本を変更しなきゃな。とんでもない恥さらしをするところだった。
まだあるかい?」
俺 「これは質問も兼ねるのですが、一番最初のシーンで、パリスが階段から降りてくるシーンがありますよね?」
監督「うん。あるね。」
俺 「そこで、どうして彼は「キモノ」を着ているんでしょう?「キモノ」は日本の伝統的衣装だと思うのですが・・・」
監督「いやぁね、彼は実は世界中を旅する特派員で、日本にもかなり長い事いて・・・
という事を表現する手段の一つとして取り入れたんだけど、
どうやら裏目に出てしまったようだね。このシーンでキモノを着る事自体はそんなに重要じゃないから、
これは多分変わってくると思うけどね。 何にしても教えてくれてありがとう。
他に、君の役柄に関係する事で何かあるかい?」
俺 「はい。ロン大佐(俺の役)が最後に登場するシーンなのですが、彼はタム(ベトナム人青年)
を殺人とべトコンの疑いがあると言って、しょっ引いて行くじゃないですか、
タムが殺された米軍兵士のライターを持っていて、ロン大佐に『どこで手に入れた』と問い詰められ、
その問いに嘘をついたので・・・」
監督「そうだね。」
俺 「あの時、タムはあのライターを『拾った』と言い張りましたが、実際はどこで手に入れたんでしょう?」
監督「登場人物にリリーという身売りをして生活をしている女性がいるよね。
実は彼女がその米軍兵士と寝た時に手に入れたものなんだ。
彼女はそれをタムに売るように頼んで、その現場をロン大佐に押さえられてしまったというワケだ。」
俺 「なるほど。それなら合点(がてん)がいきます。」
監督「3月16日に、初めての読み合わせがある事はもう伝えたよね?」
俺 「はい。」
監督「その、読み合わせの時に着るものの事で相談があるんだが、いいかな。」
俺 「ええ。」
監督「髪の毛はまだ軍髪調に切り揃える必要も無いし、まだ軍服を着る必要もないんだけど、
ロン大佐の雰囲気を醸すようなものを来てきて欲しいんだ。」
俺 「といいますと例えばなんでしょう。」
監督「そうだな。・・・・黒のTシャツ、レザージャケット、黒っぽいジーンズ、ブーツで来れるかな」
俺 「・・・やってみます。」
監督「そうかい?良かった。頼むよ。」
それから、1時間程度キャラクター設定や、時代背景について意見交換した。
そして、16日の読み合わせでの再開を約束し、今日はここまでとする事にした。
クリス(監督)は
「質問があればいつでも、どんな些細な事でも気兼ねせずに電話してくれ!」
と俺に念を押した。俺は
「わかりました」
と応えた。
あと、1週間で俺がしなければならない事は・・・
1、セリフを完全に自分の言葉にしておく事
2、レザージャケットを手に入れる
3、ブーツを手に入れる。
1は頑張ればどうにかなるだろうけど、2と3はどうしようかなぁ・・・誰かから借りるかな?
しかし、俺のサイズがあるかどうか・・・
<XLのレザージャケット>と<32cmのブーツ>。
手に入るかなぁ・・・。レザージャケットは買ったらかなり高そうだし。。
しかし、これからも必要になって来るかもしれないから、古着でも自分のを手に入れた方がいいのかなぁ、
衣装は多いに越した事は無いからなぁ・・・
ううむ。1週間内に対策を見つける事にしよう。
[日本か?]
3月6日(水)11:12pm
俺が出演する事が決まった舞台劇「デッド・ライン」の台本を読破した。
率直な感想を言うと、「ストーリーとしては完成されているのでは?」というものだった。
だけど、はっきり言って著者はベトナム文化を理解しているのやら・・・と感じた。
というのも、「明らかな文化の間違いを犯している部分が目に付いたからだ。
まず、舞台は1968年・サイゴンにあるコンチネンタルホテルという事になっている。
ここのホテルの1階は「バー」になっていて、アメリカやら海外からの特派員やらがいつもたむろしているんだ。
このバーのオーナーは「サム」。ベトナム人だ。
「タム」というベトナム人青年もそこで働いている。
・・・だが!!、この「サム」と「タム」、な・・・なんと、お客さんを全てを「さん」付けで呼ぶのだっ!!
「分かりましたスコット『さん』。スコッチですね?」
「デューク『さん』、朝御飯にしますか?」
これは・・・明らかに日本人だろ?
それとも俺が知らないだけでベトナムでも名前の後に「さん」付けるのかな?
それだけじゃない。シーン1の始めに登場するパリスは、なんと「キモノ」を着ている!!
なぜ、イギリス人特派員の彼が着物を着ているのかとても謎である。
そして彼の一番最初のセリフ ↓
「いやぁ、昨日は遊んだなぁ・・・」
・・・うーむ。謎は深まるばかりだ。
+++++
明日は午後5時に、この舞台の監督に会わなきゃいけない。
そして何をするのかというと、「台本」を返さなきゃいけないんだ(笑)
俺の出番は少しなので、台本はくれないようだ・・・。
だから、明日、その場所に行く前に印刷屋さんに寄ってコピーして来ます。
コピー代がかさまなければいいんだけどなぁ・・・
ついでに、明日は台本についての意見交換もあるので、
「さん」についての事と「着物」については教えてあげようと思います。
でないと、この監督さんが後で叩かれてしまうからね。
監督さんはどんな反応をするだろうか・・・不快に思うだろうか?それとも教えてくれて感謝するだろうか?
後者である事を願う。
[近況報告]
3月2日(土)05:00pm
バングラディッシュであまりにショッキングな体験をし、
それを一つ一つ文字に表す事がとてつもなく苦痛になって「本来の日記」が止まってしまった。
それは本末転倒なので、日記を「今」に戻そうと思う。
バングラディッシュの日記は、少しづつ、気が向いた時に書いて行く事にしよう。
+++++++
さて、アメリカに帰って来た俺は、またもや先の見えない生存競争に参加する事となった。
そして最近、一つの仕事を手に入れたんだ。
その新しい仕事とは・・・・「舞台」!
そう。映画じゃなくて、ハリウッドでの初舞台に挑戦する事になったのだ
その仕事を手に入れたきっかけは、友達からの推薦だった。
ベトナム人の若い男をする俳優を探しているという話を俺のL.A.での友達が聞き付け、教えてくれたんだ。
俺は薦められるまま監督に電話をして、舞台の概要について1時間ほど意見交換をした。
そして、とりあえず台本を読んでみる事になったんだ。
台本が直接渡されたのは、・・・日曜日だった。5日前かな?
「直接会う」事によって、一種の面接も兼ねていたんだね。
舞台でやる演目は「デッド・ライン」。
ベトナム戦争を題材にした舞台らしい。
ストーリーはまだ完全に把握できたワケじゃなくて説明できないけど
一番の問題は、この台本をあと2−3日以内に読んで、マスターしてしまわなきゃいけない事なのだ!
+++
現在は、映画に関してスランプに陥ってて、ちょっとヤバイ状況なので、
ここらで舞台を一つやって心気一転しようという魂胆もあるのです。
映画に関してスランプに陥った原因は、1ヶ月日本に帰った時から始まった。
俺がアメリカに戻ってから留守電を聞くと、そこにはなんと・・・次のよう留守電が入ってたんだ。
「もしもし、こちらはオースティンパワーズ3のキャスティング部門ですが、
ユウキ・マツザキさんに出演をお願いしたい為、こちらまでお電話を下さい・・・」
→→→12ガツ17ニチ ゴゴ5ジ41プン 7ケンデス ピーーー
ということは・・・・うわぁぁぁぁぁぁ 俺は、オースティンパワーズ3の出演を逃したのかっ!?
12月17日といえば、俺がバングラディッシュに発った時だ。
俺はバングラディッシュに行く事と引き換えに、とてつもなくデカイ仕事を逃してしまったようだ・・・・
「念願の大きな仕事をやっと手に入れたかもしれないという時に、俺は現場(アメリカ)に居なかった」
この事実は相当痛かった。
それから、やる気が40%ぐらい落ち込んでいるような気がする。
この状況は破滅を招いてしまう。自分でもそれが分かる。
だから、俺は乗り越えなくてはならないんだ。 ただ、契機が欲しい・・・!
だから、今は舞台の台本を読み、一生懸命になってみようと思う。
そうすれば、失われた感覚も戻ってくるだろう!
よーーーーーし、 気合入れて台本読むぞ! あと・・・・93ページ
1-2月のダイアリーへ
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