2012年03月14日 演劇・ミュージカル
すたんだーど
プロ俳優集団「アクターズ・スタジオ」の勉強会は、
この前参加した「台本読み」と、ほぼ同じ方式で行われた。
まず、小劇場を埋め尽くした会員の前でシーンを発表し、
その後、他のメンバーからの批評を聞く、という方式だ。
最初のシーンの発表が終わり、
今日の司会を務める方が前に進み出た。
・・・俺は、その方の「最初の一言」に、びっくり仰天した。
「俳優にはそれぞれ違った演技法があるから、
演技の方法論についてはとやかく言いたくは無いんだけど、
自分の役の『目的』は、ハッキリとさせた方がいいよ。」
・・・な、なんですとーーーーっ!!
この人、いきなり、
「俳優にはそれぞれ違った演技法がある」
と、演技法の多様性を認めてしまったぞ!!
俺がアクターズ・スタジオに対して警戒感を持っていたのは、
これまで関わった正会員が・・・、
・・・そう、あのー・・・、
「ユニーク」な方々だったから、という、それだけではないのだ。
・・・俺は、アクターズ・スタジオが教えている、
「メソッド法」という演技法に、
どうしても同意できない部分があったからなのだ。
でもこの人の話を聞く限り、正会員は別にガチガチの
「メソッド法」で演技しなくても、大丈夫みたいじゃないか!
・・・こりゃあ驚いた!おでれーた!
「ユウキ、この後に『発音』のクラスがあるんだが、
それもついでに見学しておいで。」
ぜひぜひぜひぜひ!!!
発音のクラスでは、シェイクスピアを使って、
17世紀の「古典アメリカ発音」を勉強していた。
特に今日は、「ア」の音について、詳しく学ぶ事ができた。
・・・あまり興味が無い話かもしれないけど、
具体的には、こんな感じの事だ。
「 cat 」という単語の「 ア 」の音と、
「 can 」という単語 の「 ア 」の音は、
アメリカ英語の辞書を見ると、両方とも、
「a」と「e」がくっついたような発音記号で書かれている。
発音も、「ア」と「エ」をくっつけたような、少し潰れた音だ。
ところが、「現代アメリカ発音」では、
この二つの音は、実は微妙に違っているんだ!
「 cat 」の「ア」の音は口を比較的縦に開くのに対し、「 can 」の「ア」の音は口を横向きに引くため、更に潰れた音になる。これに対し「古典アメリカ発音」ではこの二つの単語は両方とも「 cat 」のアの音で・・・
・・・やぁーーーーーめたっ!!
とにかくッ、俺の大好きな題材だったのだッ!!
発音の先生であるジョンは、俺があまりに熱心に
話を聞いてるもんだから、嬉しくなったようで、
特別に、俺に発音のクラスを毎週見学する許可をくれた。
うぉおおおお!!嬉しい!!!
このクラス!おもしれーぞ!!
本来は、正会員でなければ絶対に受けられないクラスなので、
他の会員の邪魔をしないよう気をつけながら見学させて貰おう。
・・・ああ、楽しかった。
くそぉ、アクターズ・スタジオ、想像以上だった・・・。
2012年03月12日 演劇・ミュージカル
ゆーりんもく
アクターズ・スタジオ主催の「台本読み」は、
ハリウッド中心部に位置する、とある小劇場で行われた。
「これから、アクターズ・スタジオ、
監督・脚本家部門の勉強会を始めます。」
リハーサル通り、キャストはそれぞれの位置につくと、
台本を手に持ちながら、演技を始めた。
特に何の問題も起こらず、最後まで無事に読み終えると、
今日の勉強会の司会を務めるお二方が、舞台に上がった。
・・・二人とも、アカデミー賞受賞者だ。
「では皆さん、今日の脚本について、
コメントをお願いします。」
・・・すると、観客席に座っていた他の監督&脚本家の
メンバーが、言いたい放題に論評を始めたではないか。
「最初のシーンはいらないと思う。」
「題材があちこちに飛びすぎてる」
「コメディを書こうとして失敗してる。」
「セリフで説明し過ぎている。」
ひゃー、辛口!
・・・しかし、ははあ、なるほど。
こういう風に、お互いがお互いを批評をしあって、
全体のクオリティを底上げするのか。
誰か一人の「先生」が指導するワケではないんだ。
・・・全てが終わると、100作品以上に出演している
「とある超ベテラン俳優」が、俺の元に歩み寄って来た。
「君はこの前、ブリッジって舞台に出てたよね。」
「ええ、出てました。」
「やはりそうか。君の演技は『ブリッジ』の時と、
今日と、2回見せて貰ったよ。
君は・・・、ものすごくいい俳優だ。
でも、時々どもって、セリフが聞き取れないから、
発音を磨きなさい。もったいないよ。」
「ありがとうございます。
ブリッジの時も、『時々セリフが聞き取れない』
と言われていました。頑張りたいと思います。」
「うん、それと水曜日に、アクターズ・スタジオの
俳優部門の勉強会があるから、見学に来なさい。」
「え・・・?でも正会員でないと、入れないのでは?」
「本当はそうだけど、私のゲストだと言えば、入れるから。」
「ありがとうございます!」
・・・というワケで、特別に、
アクターズ・スタジオの勉強会を
見学させて貰える事になった。
何か、知らぬ間に、どんどんスタジオに
飲み込まれて行っている気が・・・
2012年03月09日 演劇・ミュージカル
犬の遊び場
アクターズ・スタジオ主催の「台本読み」の、
最後のリハーサルは、スタジオに隣接された小劇場で行われた。
昨日のリハーサルでは、テーブルの周りに腰を下ろして
ただ台本を読んだだけだったけど、
今日は台本を手に持って、動きをつけながらリハーサルした。
・・・ひぃー、セリフのペースが速い!
ついて行くだけで精一杯だ。
月曜日はもう本番だ。
・・・とにかく、やれるだけやろう。
投稿者 ユウキ : 23:12
2012年03月08日 演劇・ミュージカル
木のテーブル
「台本読み」の初リハーサルは、
アクターズ・スタジオ内の会議室で行われた。
「スタジオ」といっても、見た目は至って普通の一軒家だ。
会議室も、10人くらいしか入らない。
今回俺が演ずる役は、アメリカに亡命した
人権活動家でもある中国人作家。
この「台本読み」はあくまで、
スタジオ会員の前での「発表会」なので、
この役を日本人の俺が演じても問題ないけど、
これが実際の舞台だったら、大問題になってしまいそうだ。
他のキャストとの挨拶を済ませると、
それぞれ着席し、台本を最初から最後まで通して読んだ。
「はい。今日のリハーサルはこれで終わりです。」
早っ!! え?・・・もう終わり!?
「明日のリハは、午後6時からです。
場所は、隣に建ってるスタジオの劇場です。
遅れないようにね。」
・・・明日が本番前、最後のリハーサルだ。
みんなに置いて行かれないよう、頑張ろう。
投稿者 ユウキ : 23:47
小さな家
かの有名な「アクターズ・スタジオ」の
監督・脚本家部門が主催する「台本読み」に、
俳優の一人として参加する事になった。
・・・ええ、なんで!?どうして??
と、思いますよね。ええ、俺もそう思います。
・・・なんでも、俳優&監督である、
「トミー」直々の推薦らしいのだ。
彼はアクターズ・スタジオ「正会員」の俳優で、
アクターズ・スタジオ「出身」の俳優ではない。
何が違うのかって?
・・・実は「アクターズ・スタジオ」には2種類あるんだ。
一つは「俳優養成所」としての「アクターズ・スタジオ」で、
もう一つは「プロ集団」としての「アクターズ・スタジオ」だ。
「アクターズ・スタジオにいました。」
"I was in Actors Studio."
「アクターズ・スタジオで演技を勉強しました。」
"I studied acting at Actors Studio."
という感じで、「過去形」を使ってアクターズ・スタジオ「出身」を
名乗っているのは、こちらの養成所の方で演技を勉強した俳優だ。
例のテレビ番組、「アクターズ・スタジオ・インタビュー」の
収録が行われているのも、こちらの養成所の方だ。
・・・一方「プロ集団」としての「アクターズ・スタジオ」は、
一度加入すると一生涯会員なので、こちらの所属俳優は、
「アクターズ・スタジオ生涯会員です。」
"I'm a lifetime member at Actors Studio."
という風に「現在形」を使い、会員であると言う。
一度「正会員」になれば、スタジオの全ての勉強会に
無料で参加できるようになるけど、加入するには、
厳正なるオーディションがある。
現在のオーディションの待ち時間は・・・、約半年だそうな。
・・・では、話を「台本読み」に戻そう。
確かに、ご存知の通り、
俺は「スタジオ」にあまり良い印象を持っていない。
・・・でも、実践経験豊富なスタジオ正会員と
舞台上で一緒に演技ができて、なおかつそれを、
一流の監督&脚本家に見てもらえるのは、
これは・・・、すんばらしい経験だ!!!
俺は未熟な俳優なので、このチャンスに、
しっかり勉強させて貰おうと思っている。
今日は初の読み合わせだ。
さあ、アクターズ・スタジオへと向かおう。
2011年04月06日 演劇・ミュージカル
心の海底ケーブル
アメリカや日本の赤十字社に募金したのはいいが、
いつになったら被災地に義援金が届くのかサッパリ分からない。
そこで、友人の呼びかけで、
福島県南相馬市に直接義援金を送るべく、
募金集めのため、6分間の寸劇を行う事になった。
・・・なぜ南相馬市かというと、
原発の「避難区域」のすぐ外側にあるせいで、
支援物資が滞っているからだ。
市に資金が少しでも多くあれば、
それだけ、何らかの対策が取れるはずだ。
賛同者が9人集まり、
即席の台本を二度だけリハーサルし、
いきなり本番を迎えた。
観客は100人くらいだったのだけど、
みんな日本のために心を砕いてくれて
なんと$689も集まった。
集まった募金は、明日、南相馬市に直接送金される。
カップラーメンでもオムツでも、何でもいい。
今の状況が少しでも改善されれれば、それでいい。
投稿者 ユウキ : 23:01
2009年03月21日 映画「ピンクパンサー2」
くるりくるり
さあ、今日も一日頑張ろう!
今日は、「土アップ」という朝のニュース番組に、
ゲストコメンテーターとして生出演すべく、テレビ局「MRT」へと向かった。
待合室で、アナウンサーの「関知子さん」と、ディレクターの方、
そしてレギュラーコメンテーターのお二方にご挨拶を済ませた。
・・・俺が30分番組に生出演か。しかも、「コメンテーター」か。
心配すぎる・・・。大丈夫なのだろうか。
収録スタジオ内には、「フロア・ディレクター」という係りの方がいて、
上の階の「ディレクター」の指示を受け、現場の指揮をとっていた。
フロア・ディレクターの男性は底抜けに明るくて、
現場は、ポジティブな活気に満ち溢れていた。
上の階では、今度は別のスタッフチームが
「ディレクター」の指示に従い、準備を進めていた。
壁一面に広がるテレビ画面は、
まるで、映画に登場するCIAのコントロールルームのようだ。
本番前に一度、「通しリハーサル」を行った。
そこで、大筋の流れをつかむ。
・・・番組は、毎秒、毎秒と進んで行く。
テレビは「時間」との戦いなんだ。
ひええ。恐ろしい。
不安がる俺に、「フロア・ディレクター」が胸を張って言った。
「大丈夫。オーバーしても、『関さん』が秒単位でコントロールしますから!」
・・・さすがだ。やはりプロは違う。
マイクを付け直し、カメラ位置を微調整して、いよいよ本番を迎えた。
■アメリカ発の世界同時不況について
俺 「不況の波は、映画界にも来ておりまして、
新作映画の資金集めが難しくなってきているんです。
それによって、俳優も役を取り辛くなる、といった影響が出ています。
■高速道路の通行料金が週末一律1000円になった事について
俺 「アメリカで高速道路といえば『フリーウェイ』ですが、
『フリーウェイ』は通行料金がタダの代わりに、路面がボコボコなんです。
日本がそうならないか、心配です。
■ピンクパンサー2について、
俺 「かくかく、かくかくかくかく、
しかじか、しかじかしかじか。」
・・・なんとか 30 ぷんかん がんばり ました
とにかく、司会者の「関さん」の絶妙な秒数調整に驚愕した30分間だった。
やっぱり、「本当のプロ」は凄いのだ・・・!
・・・ところで、話は少し時間をさかのぼる。
番組の収録前に、スタジオ内を見学させて頂いた時、
俺の目は、「とある撮影器具」に釘付けになった。
おおおおおおっ、本物の「スタジオカメラ」だ!!!
・・・さすがは正真正銘の「本物」。
なんというか・・・、とても「リアル」だ。
どう見ても「本物」にしか見えない!
覚えているだろうか。
俺は2年前、ミュージカルの舞台のために、
「70年代のNBCのスタジオカメラ」をダンボールで作ったんだ。
・・・くっ、ま、負けた。
でも、俺が作ったスタジオカメラだって、
「赤いランプ」まで付いていて、しかも、ちゃんと光るのだぞ!
・・・ダメだ。
どうあがいても、やはり「本物のスタジオカメラ」には勝てない。
だって奴ら、本当に撮影できやがる。卑怯だ。
ちっくしょおおおおお!悔しい!
でも、もうこれで「現代の日本のスタジオカメラ」の資料は揃った。
次回は、もっともっとリアルにダンボールで作ってやるからな。見てろよ!
2007年07月25日 演劇・ミュージカル
180+90
先週の日曜日、ミュージカルの舞台に異変が起きた。
あまりにショッキングで、キャストはみんな言葉を失ったほどだ。
一体何が起こったのか。
・・・なんと、日曜日の舞台では、
「問題」が殆ど発生しなかったんだ!!!!!!!!
・・・これまでの7回の公演は、その全てで
何らかの致命的な問題が発生していた。
だから、もうキャスト内では
「問題が発生する事」が当たり前になってしまっていたんだ。
・・・だが日曜日の公演では、発生しなかった!
これは驚くべき事だ!
全ての歯車がかみ合い、ミュージカルのクオリティは一気に上昇した。
もしもこれが公演初日だったなら・・・、
あそこまで酷い批評を貰う事も無かったかもしれない。
さあ、あと残りは9回だ。
この調子でガンガン行こう!
2007年07月14日 演劇・ミュージカル
要チューニング
まずは、金曜日の公演から。
・・・抜けたキャストの代役として入った「リチャード」は
恐ろしいほどの才能を持っていて、
セリフや動きを、たった1日で覚えてしまった。
これで上手く行くかな・・・と、思ったけど、
今度は別の問題で崩壊した。
メインピアニストで音楽監督の「リチャード」が、
別のショーとの日程の兼ね合いで
1日だけ抜ける事になり、
代わりに「第2ピアニスト」が伴奏を担当する事になったんだ。
・・・音楽監督の「リチャード」が計4回ショーを抜ける事は
初めから分かっていたんだけど、
まさかそれが今日だったとは・・・
そして残念な事に、キャストは「第2ピアニスト」の彼と
殆どリハーサルをしてない。
当然、テンポがバラバラになり、
タイミングが合わず、
歌という歌が浮いてしまった。
・・・もう、仕方が無い。どーしようも無い。
そして、土曜日。
・・・今日こそは、
音楽監督の「リチャード」も戻り、
代役の「リチャード」も動きに慣れ、
久しぶりにまともなショーが出来る・・・・・・ハズだった。
・・・そう、まあ当然のように、 またも問題が発生したのです。
もういい加減にウンザリですね。うん、そうですね。
えーと、次の問題は・・・、なんだっけ。
・・・そうだ、「色々な物が、あるべき所に無い」という問題だ。
俺の小道具のメガネまでどっかに消えてるし。
今回のプロダクションには、
「小道具のリスト」も無ければ、
それをチェックする「係り」も存在しないので、
役者自身でそれぞれでチェックするしか無いんだけど、
役者は開演までの短い時間に、
・「小道具のチェック」
・「衣装のチェック」
・「セリフの最終チェック」
・「メイク」
・「ヘアメイク」
とバタバタしてるので、どうしても不備が出る。
すると、本番中に控え室で、
「・・・あれ?アタシのアレがココに無い!
アレが無いッ!どっかに無い?・・・なんで無い!?」
とパニック状態になる。
・・・まあ、無いものは無いので、
たとえそれが見つからなくても舞台上に出なきゃいけないんだけど。
舞台裏での混乱を除けば、
今日の舞台は比較的マシな方だったと思う。
+++
このミュージカルの批評がいくつか出たんだけど、
その全てがかなり厳しいものだ。
ショボいセットに対する酷評が痛い。
・・・本当にそんなにショボいの?
どれぐらいショボいか・・・、
それは自分の目で見た方が早いかもしれない・・・、 →写真集へ
・・・さあ、明日の公演も頑張ろう。
2007年07月12日 演劇・ミュージカル
きりもみ
日曜日の公演も滞りなく済み、
このまま安定飛行で、
無事に6週間の日程を終えれると思ってた。
でも・・・、
このプロダクションの糞っぷりを
俺は少し甘く見すぎていた。
・・・なんと、昨日になって、
キャストが一人辞めてしまったんだ。
しかも、個人的な理由で。
・・・はぁ、なんなんだ、もう。
明日の公演、どうしろってんだ?
この人は、プロダクションの関係者だったんだけど、
メインキャストの一人と前々から仲が悪くて、
今週になって、それがとうとう爆発し、
「もう俺は出ない!!」
となったらしい。
メインキャストを困らせる為にそうしたのかもしれないが、
他の17人の事も少しは考えてくれ。
俺はもう、このプロダクションのあまりのアマチュアさに、呆れるしかない。
・・・たとえ一人欠けても、明日の公演日はやって来る。
幸か不幸か、代役の「リチャード」が急遽入り、
みんなで夜中までリハーサルを行った。
でも、1ヶ月以上掛けて覚えた動きを1日で覚えれるはずが無い。
セリフの間もボロボロになるだろう。
明日の金曜日の公演は・・・地獄が待っている。
思いきり恥をかいて来るか・・・。 はぁ・・・
2007年07月07日 演劇・ミュージカル
深呼吸
公演初日の準備をしていると、
オフィスの方から情報が入った。
「今日のチケット、ほぼ完売だって。」
・・・うげ。
本来なら喜ぶところだけど、
今回に限ってはプレッシャーにしかならない。
・・・残された時間はわずか。
早足で小道具や場面転換の最終チェックをする事にした。
今回の為に製作した、
「スタジオカメラ」もその中の一つだ。
TK-45というカメラをモデルに
ダンボールと紙で作ったんだけど、
限られた時間の中で作ったにしては、中々上手く出来たと思う。
最終チェックを済ませて
衣装に着替え始めると、
客席の方が騒がしくなって来た。
そっと幕の隙間から覗いてみると・・・、おお、いるいる。
ほとんどは中年のアメリカ人。
今まで見た事の無い客層だ。
・・・もう逃げられない。
自分達に与えられた役割の中で
ベストを尽くすしか無い。
キャスト一同で輪になって気合を入れ、
それぞれの配置に着いた。
・・・よし、やるか!
~~~
最後の歌を歌い終わった後、
俺は自分の目を疑った。
・・・スタンディング・オベーションじゃないか!
予想に反し、公演初日は大好評のまま幕を閉じた。
そしてその殆どは、キャストの頑張りによるものだ。
・・・手を抜いたプロダクションが調子に乗らないか心配だ。
公演はまだ始まったばかり。
明日は昼間の公演だ。頑張ろう!
ガレージセール
今日、いよいよミュージカルが一般公開日を迎える。
観に来るのは、$25の入場料を払った一般客だ。
失敗は許されない。
ミュージカルの出来はというと・・・あいかわらずだ。
なんとか形にはなったが、どう考えても$25の価値があるとは思えない。
ストーリーが難しいし、長いし・・・、
劇場内が暑いし・・・、
場面転換はゴチャゴチャだし・・・、
セットや演出がショボいし・・・、
客に土下座して謝りたい気分だ。
もうどうする事も出来ないので、
自分に出来るベストを尽くして来ようと思う。・・・はあ、気分が重い。
2007年07月03日 演劇・ミュージカル
うずしお
昨日は13時間連続リハーサル、
今日は平日なので、夜7時から夜中の1時までの6時間リハだった。
キャストも監督もボロボロだ。
監督のゲーリーは、本当に倒れそうになるほど努力している。
でも、肝心のプロダクションのスタッフがまともに動かない。
・・・招待制の試公演まであと2日なのに、
・小道具が半分以上無い
・セットが完成してない & まともに動かない & ショボい
どーしよーも無い。
キャストからは、もうグチとため息しか出ない。
「こんなの、人を呼べないよ。」
「これで金を取るの?本気で?」
「・・・やってらんない。」
「ここまで酷いプロダクションは、初めて見たわ。」
「もう、何やってんだか・・・」
中でもステージマネージャーが特に無能で、
本当に全く働かない。
「セットを、だれが、いつ、どこに動かすのか」
それを把握するのは彼の仕事なわけだが、
全くメモって無かったので、
キャストと監督は、大混乱に陥って12時間くらい無駄にした。
・・・12時間もあれば、何度 台本を通す事が出来ただろう。
もう、これ以上無駄に出来ないので、
自分でこういうリストを作った。
これをキャスト全員に配ったので、もう迷わずにすむ。
監督のゲーリー、頑張って!
雇われ監督のゲーリーは、本当に死ぬ気で頑張ってる。
・・・ただ、プロダクションのスタッフが働かないだけだ!
ふんがー
「だれが、どこで、どの小道具を使うか」
プロダクションはそれを事前に把握し、揃える必要がある。
・・・でも、彼らはキャストに
「大丈夫。心配いらない。きっと手配するから。」
と言い続け、3日前まで全く揃えようとしなかった!
それどころか、
リハーサル中にも関わらず、
ネットオークションで売り出した
野球選手の「サイン入り写真」を梱包してやがる。
ふ ざ け る な
・・・当然、こんな無能なスタッフが、
100個以上ある小道具を数日で揃えれるはずが無い。
おかげで、2日前にも関わらず、小道具は半分も揃って無い。
今になって、プロダクションに
計画性が全く無い事が判明したので、
キャストはみんな大わらわだ。
60~70年代のストーリーなので、
小道具を自分達で探そうにも、中々難しい。
俺も死ぬ気で頑張ってる。・・・というか、作っている。
「1973年の放送局NBCの取材用マイク」
<材料>
・流し台のアミ $1
・散水器 $1
・テレビのコード $1
・紙
<作り方>
1、あれこれして、くっつける
「1973年の放送局NBCの社員証」
<材料>
・紙
・クリップ
・時間
<作り方>
1、頑張る
・・・あと2日、自分で出来る事を精一杯頑張ろう。
他のキャストと監督のゲーリーの為に、そして自分の為に。
2007年06月30日 演劇・ミュージカル
システム障害
今日は朝10時から夜7時まで、
9時間連続でミュージカルのリハーサルだった。
・・・今の状況を一言で言うと、 ヤバい。
招待制の試公演まであと5日、
リハーサルは今日を含めてあと「4回」しか無い。
しかし、俺達は台本の最初から最後まで、
今までになんと 2回 しか通した事が無いんだ。
・・・しかも、「舞台装置」、「背景」、「小道具」、「大道具」、「衣装」の全てが未完成と来ている。
「舞台装置」は高さの違う3つの台をゴロゴロ動かすだけだし、
「背景」なんて一切変わらない。
「小道具」は20%しか揃ってないし、
「大道具」は無いに等しい。
「衣装」は80%揃っているけど、
それらを着て演技した事は一度も無い。
・・・絶望的だ。
$25も支払って、こんな未完成のミュージカルを見せられる客が可哀想だ。
今日のリハーサルでは、
最初の6時間で 「初めて」 舞台装置を動かす練習をした。
演技シーンを飛ばして、
歌いながら装置を動かす事だけに集中したのに・・・、最後まで終わらなかった。
ラストの3時間で 「初めて」 バンド演奏と歌を合わせた。
バンドの音量がデカくて、役者の歌声が吹き飛んだ。
・・・残されたリハサールは、あと3回。
明日は12時間連続リハだ。・・・がんばろう。
2007年06月25日 演劇・ミュージカル
ムカデ
今日は、非常に長い一日だった。
まずは朝8時半から、
親友の映画監督の撮影を手伝った。
彼は撮影方法が非常にユニークで、スタッフが殆ど居ない。
今日の撮影も、役者が7人いるのに対し、
スタッフは俺と監督の2人のみだ。
そして、撮影が異常に早い。
彼は編集も自分でするので、
必要無いシーンは初めから撮らないんだ。
撮影が終わったのは夕方6時で、
この日に予定していた全てのシーンを、無事に撮り終わった。
そこから、今度はミュージカルのリハーサルへ直行。
今日は、最初の1時間で歌を練習し、
その後に、台本を最初から最後まで通した。
・・・ところで、主役級の一人に「レイチェル」という
ミュージカル女優が居るんだけど、
彼女は歌も演技も恐ろしいほど上手い。
歌唱力、集中力、爆発力・・・、明らかにスバ抜けている。
俺は・・・、まだまだだ。
英語になると、すぐ自信が無くなる。
・・・でも今日のリハーサルで、初めて「演技のピント」が合った。
<ピントがズレた状態>
ピントがズレるのは、大抵の場合、
・セリフに自信が無い
・英語に自信が無い
・演技に自信が無い
・自分の演ずるキャラクターに自身が無い
・恥ずかしい
など、自分のやる事に自信が無い時だ。
この状態だと、セリフは相手まで届かず、
自分の中で勝手に感情や抑揚を付けた、
いわゆる「一人演技」の状態になってしまう。
<ピントが合った状態>
これが、ピントが合った状態だ。
相手の目を見て、自信を持ってセリフが言えている。
俺はとにかく英語に自信が無いので、
ピントが中々合わない。
オートフォーカス機能が欲しいなぁ・・・
2007年06月24日 演劇・ミュージカル
半円
今日の6時間リハは
昨日とは打って変わって、かなり順調に進んだ。
テンポも良くなり、台本を1回と半分 通して演ずる事が出来た。
これなら・・・もしかしたら間に合うかもしれない!
希望が見えて来たぞ。
今週は毎日リハーサルだ。
本番まであと少し。頑張ろう。
投稿者 ユウキ : 23:57
2007年06月23日 演劇・ミュージカル
ブルースクリーン
今日は土曜日。
朝10時から午後4時までの「6時間リハ」だ。
・・・ミュージカルの「試公演(7月5日)」まで、もう2週間を切った。
でも今日のリハーサルで、
俺たちは6時間半もかけて、
最初から最後まで、たったの一度しか通せなかった。
流石にこれはマズイ。
今回はEQUITY(舞台の組合)の規定に沿った、
「プロ」のミュージカル・・・のハズだ。
・・・しかし、これが本当にその「プロ」の現場なんだろうか?
キャストは欠席が多くて揃わないし、
平気で20分とか遅刻するし。
これまで1ヶ月以上リハーサルをして来て、
全員が揃ったのは、ほんの1、2回だけだ。
しかも今頃になって「小道具の担当」が存在しない事が判明した。
これから自主的に持ち寄って揃えるんだそうな・・・
不安要素をあげればキリが無い。
・・・さあ、明日も6時間リハだ。気合を入れて乗り切ろう、
投稿者 ユウキ : 23:46
2007年06月21日 演劇・ミュージカル
イースターエッグ
今日のリハーサルでは、衣装合わせを行った。
今回はプロの舞台だけあって、なんと「衣装監督」がいる。
いや、逆に今までの舞台で居なかったのが変なのかも・・・
ちなみに俺が演じるのは、
「ルー・チャン」
「報道カメラマン」
「ダンサー」
「高貴な人」
「バーの客」
の5つ。
衣装は全て舞台専用で、
衣装替えが容易に出来るよう、
ボタン部分はマジックテープになっていた。
・・・キャスト同士の仲は、相変わらず微妙だ。
とあるキャストの一人が、
どーでも良い事を、さも大問題のように言うものだから、
他のみんながウンザリしている。
「ちょっと良いかしら。
ここのダンスの部分で、
手を出すタイミングは、ダ・ダンで良いの?
ダ、ダンじゃなくて、ダ・ダンよね?
重要な事なの。
ダ、ダンってやってる人がいるから、
気になるの。いいかしら?」
本番まであと2週間。
本当の意味でキャスト全員が結束する事は出来るのだろうか。
投稿者 ユウキ : 23:06
2007年06月18日 演劇・ミュージカル
並んだ陶器
今日のミュージカルのリハーサルは、
約1時間で終わったので、比較的楽だった。
・・・しかし、キャスト同士の仲が
目に見えて悪くなっているのはどうしたものか。
みんな焦って、カリカリし始めている。
今週から土日のリハーサルが
「朝10時から夕方4時」の、6時間に延長される。
ノドをぶっ壊さないように気をつけなければ。
2007年06月17日 演劇・ミュージカル
メトロノーム
今日のミュージカルのリハーサルは、
4時間のうち、3時間を無駄にするという
今までで一番荒れたものとなった。
リハーサルには、大きく分けて5種類ある。
・「全体リハ」
・「主役級のみ」
・「脇役のみ」
・「振り付け」
・「歌練習」
予定では今日は 「全体リハ」 だったんだけど、
急に、「主役級」と「監督」、それに「振り付け師」が抜けて、
別室でリハーサルを始めてしまった。
おかげで残された「脇役」の人たちは、
自主的に振り付けの練習をする事に。
・・・ところが、監督から選ばれた「リーダー」が
前回のリハに来て無かったので、
「振り付けを知らないのがリーダーだけ」 という、
非常に馬鹿げた状態になってしまった。
これは、完全にスケジュール調整の失敗だ。
主役級の人たちは専用のリハーサル日を設定しているんだから、
彼らの振り付けを今日する必要は無いはずなんだ。
本番まであと3週間を切った。
・・・間に合うのかなぁ、心配だ。
2007年06月14日 演劇・ミュージカル
うねり
今日のミュージカルのリハーサルは、
主にダンスとアクションシーンの振り付けだった。
3時間ずっと動きっぱなしだったので、かなり汗をかいた。
劇場は基本的に閉鎖された空間なので、熱がこもって蒸し暑い。
・・・8月の昼の公演はかなり暑くなるんじゃないだろうか。
ディディー(仮名)がクビになった件について監督から詳しい説明があったが、
意外なほどすんなりと他のキャストに受け入れられた。
・・・もしかしたら、舞台の世界では良くある話なのかもしれない。
俺の知ってる限りでは・・・、まだ2回しか無い。
公演まであと3週間。よし、頑張ろう。
投稿者 ユウキ : 23:14
2007年06月13日 演劇・ミュージカル
レッドカード
現在リハーサルをしているミュージカル「Merrily We Roll Along」で
一緒に脇役を演じていた「ディディー(仮名)」がクビになった。
ディディー「ユウキ、今日監督のゲーリーから電話があって、
俺はミュージカルをクビになったよ。
ゲーリーは俺に電話したとき、
なんかどっか頭がイカれてたに違いない!
だって、俺は毎回リハーサルに出ていたし、
今までショーをクビになった事は無いんだから!」
・・・彼には申し訳ないが、俺はどうして彼がクビになったのか、
その理由をハッキリと言う事ができる。
前回のリハーサル中、こんな一幕があった。
歌唱監督「ディディー、もう一度今のパートを歌って。」
ディディー「(歌う)」
歌唱監督「そこのテンポがちょっと間違ってるから、
直してくれるかな。じゃ、もう一度、」
ディディー「間違ってないよ!!」
歌唱監督「・・・いや、間違ってるから。
もう一度直して歌ってくれるかな。」
ディディー「いや、間違ってないって!
・・・別にいいじゃん。次行こうよ。即興でウマくやるからさ。」
・・・ほぼ、これが原因だろう。
あとは、台本を3度無くした事と、
リハーサルに何度も遅刻して来た事もあるかもしれない。
今回はEQUITY(エクイティー)という舞台の組合の規定に
乗っ取った公演なので、色々な面で厳しい。
・・・ディディーの件は他人事では無い。俺も気を引き締めよう。
2006年12月15日 演劇・ミュージカル
ららら~
独唱会で「デュエット曲」を歌った。
通常、「デュエット」は男女の2人で歌う。それが普通だ。
・・・でも、俺はどーしても一人で歌いたかった。
2人分のパートを1人で歌うには、どうしたらいいんだろう?
・・・簡単な事だ。
つまり・・・、それは・・・、
それは・・・、
一人で二役やればいいんだ!
男声パート
女声パート
ダンス中
一人でデュエット。俺の新たな武器だ!
2006年06月29日 演劇・ミュージカル
ラーメン屋の炒飯
ここ2年ばかし、ずっと歌のトレーニングを続けて来たわけだが、
最近になって、よーーやく声のコントロールが出来るようになってきた。
カナダ国歌
1分24秒 .wmvファイル 680kb
・・・高音で声が詰まってたり、揺れていたり、まだ不安定だ。
少し油断すると 「 ィ 」 の音がキツくなりすぎるのにも注意しなくては。
なぜカナダ国歌を歌っているかというと、
野球のスタジアムで「カナダ国歌」と「アメリカ国歌」を歌う
オーディションに応募する・・・・・・・つもりだったからだ。
俺は「アメリカ人の常識」を学ぶ一環として、
アメリカ人が常識的に知っている歌を徹底的にマスターすると決めていた。
「ポップソング」や「フォークソング(民謡)」、
「ナーサリーライム(童謡)」なんかも可能な限り覚えるつもりだ。
でも・・・、何よりも先に覚えるべきはやっぱり 「アメリカ国歌」 だろう。
アメリカ国歌
1分18秒 .wmvファイル 627kb
アカペラ(伴奏無し)をすると、ニューヨークの路上で歌っていたのを思い出す。
通りの反対側まで自分の声を響かせるのは、非常に気持ちの良いものだった。
英語の勉強が一段落したら、ミュージカルも本気で役を取りに行こう!
ここまで一緒にミュージカルを勉強してきた
友人の「ゆうこ」と俺にはそれが可能なはずだっ!
・・・カレーが食いたいっ!!
<音読し終えた本>
児童書
Sprout 90ページ
絵本
Riches in the Rain Forest 34ページ
■これまでの合計
冊数:25冊
頁数:2356ページ
2005年09月25日 演劇・ミュージカル
音楽男とネコ男
俺のミュージカルの先生であるロウリが
主役を演じるミュージカル「ミュージックマン」を観に行って来た。
場所はバーバンクにある、とある学校の講堂。
・・・いやぁ、流石は我が師!
堂々たる演技ぶりだ。
オペラで鍛えた彼女の声は限界点を楽に越え、
吹き抜ける風のようにどこまでも際限無く伸びて行く。
・・・俺も頑張って、いつの日か「一流」にならなければ。
彼女のミュージカルを観た後、
タイ料理のレストランへクラスメイト達と出掛け
そこで今期に俺達5人が演じるミュージカルの曲目や台本構成を話し合った。
・・・舞台は非常停止したエレベータの中。
俺の役柄は・・・「ネコ男」・・・になる予定だ。
よし。頑張ろう!
2005年07月27日 演技全般
3倍希釈
今日はミュージカルの授業の発表会だった。
俺は3曲歌ったんだけど、この2ヶ月の間に自分の歌唱法が上達したのが分かって嬉しかった。
その後、友人のラファエロの協力でデモテープに使う為の映像を撮影した。
22日に撮影した映像は逆効果なので使わない事にしたんだ。
ちょっとおかしく聞こえるかもしれないが、
「俳優のデモテープ」で演技力はあんまし関係が無い。
ここで重要なのは「いかにプロっぽく見えるか」。
キャスティングの人達はデモテープを見る時、
「この人に役を任せて大丈夫だろうか・・・」
と不安になりながら見てるわけだから、
「僕はプロですよ!ほら!」
と彼等を安心させてやらなければいけないんだ。
22日に撮影したカフェのシーンは明らかにアマチュアに見えてしまうので、もしも俺がこれを使ったら、彼等の反応は「なんだ。素人か」で終わってしまう。
それでは駄目だ。
プロっぽく見せなければ・・・!
という事で良いカメラを使ってモノローグ(一人芝居)を撮影した。
セットは照明1機だけ。他は何も無い。
照明1機を使って、新たな世界を作り出す。
撮影終了後、エージェントのマイクから留守電が入っていた。
マイク「ユウキ、このメッセージを聞いたら電話をして欲しい。
新しいヘッドショットの写真の撮影は、ちょっと待って欲しい」
・・・???
ユウキ「マイク、留守電聞いたけど、どういう事?」
マイク「ユウキ、君も知っての通り、僕はCM専門のエージェントなんだが、
君にインパクト・タレント・グループの映画専門エージェントの
面接を受けて欲しい。だから、ヘッドショットの撮影は少し待ってくれ。
詳しい事は明日教えるよ。」
へぇー、マイクはCM専門エージェントだったのか!
今まで知らなかった俺って・・・
家に帰ると、なんかご大層な封筒が届いていた。
差出人は「Screen Actors Guild」。
・・・え?SAG?
俳優組合が俺に何の用だ・・・?
封筒の中には両面印刷された一枚の文書が入っていた。
Dear Yuki:
Screen Actors Guildは、2005年7月15日に"Ask the Dust"で声優を担当されたあなたが、世界最高峰の本組合に入会する資格を有した事をここにお知らせします。
・・・なにぃいいいいいいいい!?
俺がSAGに入る資格を得ただと!?
本当か!?信じられない!
SAGはハリウッドで俳優を目指す人が常に夢見る組合だ。
ここに属さなければ成功する事は不可能なんだ。
誰でも入れるわけじゃない。
SAG映画に3本出演するか、大きな役を取らなきゃ駄目だと聞いてたのに・・・。
・・・待てよ?
ブラック・ニンジャ(SAG映画)
ラスト・サムライ(SAG映画)
Ask the Dust(SAG映画)
・・・ああ、なるほど・・・。
俺は気付かないうちに3本のSAG映画に出演してたのか。
今、どうやら俺は大きな流れの中にいる。
でも、流れに身を任せる事はしない。
流れに沿って全力で泳いで加速を付ける!
投稿者 ユウキ : 23:42 | コメント (2) | トラックバック
2005年07月25日 オーディション
プロローグ
今日は映画「アクター」のエキストラをやっていた。
別にお金が貰えるわけじゃないけど、特に忙しいわけでも無かったからだ。
朝の10時から中華街にあるサイゴンセンターで撮影は行われた。
眩しい太陽が照り付ける中、
商店街のアーケード通りを指示に従って行ったり来たり。
そんな時、俺のプリペイド携帯電話が鳴った。(振動した。)
マイク「やあユウキ、この前は面接に来てくれてありがとう。
エージェントのウィリアム・マイケルだけど。」
・・・!!
ユウキ「やぁマイク!どうしたの?」
マイク「ユウキ、君をクライアントとして迎えたいんだ。」
・・・?
・・・うおおおおおおおおおおおっっ
きたあああああああああぁあああ!!
ユウキ「そ、・・・それはグッドニュースだ!」
マイク「ユウキ今までにエージェントに属した事はあるかい?」
ユウキ「いや、無いよ。」
マイク「エージェントがどういう物か分かるかい?」
ユウキ「・・・思うに、エージェントと俳優はお互いを支え合うパートナーだと思う。」
マイク「うん。僕達はまず君を3ヶ月サポートして、
君がどれだけの能力を持っているか試したいんだけど、いいかい?」
ユウキ「望むところさ!」
マイク「オッケー。契約の詳しい内容について話そう。」
マイク「まずは映画だけど、組合に属している大型映画の場合、
僕達エージェンシーは君の取り分の10%を頂く。
独立映画などの場合は20%。いいかい?」
ユウキ「分かった。」
マイク「あとユウキ、君とはパートナーになるわけだから、正直に言おう。」
ユウキ「どうしたの?」
マイク「僕が考えるに、君はコマーシャル顔では無いと思う。」
ユウキ「そうかもね。」
マイク「あと、君のヘッドショット(顔写真)だが、何か足りないと思う。
撮り直す予定はあるかい?」
ユウキ「もしも必要なら、撮り直すよ。」
マイク「ユウキはインターネットのオーディションサービスを使ってるかい?」
ユウキ「一応Actors Accessに登録してるけど、まだ年会費を払ってないなあ。」
マイク「では、できるだけ早く登録して欲しい。
L.A. Casting や Breakdown Services なんかもだね。」
ユウキ「分かった。」
マイク「とりあえず、明日オフィスに来てエージェンシーのロゴを受け取って欲しい。
君は今からこれを自分の履歴書などで連絡先として使う事になるからね。」
ユウキ「そうだね。」
マイク「それじゃ、また明日!」
ユウキ「それじゃ!」
・・・エージェントが!
・・・とうとう俺にエージェントが!!
・・・渡米5年目にして、初めてのエージェントがっ!!
もうね、死ぬ気で頑張るよ。
これからの活躍に期待して欲しい!よっしゃ行くぞ!
投稿者 ユウキ : 22:22 | コメント (5) | トラックバック
2005年05月06日 演劇・ミュージカル
咲いた花
昨年の8月に公演したミュージカル「なでしこ」。
そのDVDが完成したという事で、その受け渡しも兼ねて
持ち寄りパーティーが久人さんの自宅であった。
改めてDVDを観て、自分の歌の下手さを再確認。
キャストの中で一番下手だ。
・・・確かに今回は歌よりもリアリティの方を優先させたけどさ。
・・・確かに俺以外は超ベテランの人達だったけどさ。
それでもやっぱ下手だ。
もう8ヶ月経った。あれから少しは上手くなっただろうか。
2005年05月05日 演劇・ミュージカル
イメルダ
East West Players(イースト・ウエスト・プレイヤーズ)というアジア人の演劇団体が新しいミュージカルを作り、その「ワールド・プレミア」がリトル東京であった
ミュージカルの題名は「イメルダ」。
元フィリピン大統領「フェルナンド・マルコス」の夫人「イメルダ・マルコス」がモデルだ。
友達がタダでチケットを手に入れて、俺を誘ってくれたので観て来たのだが・・・
いやー、面白かった!
ダンスに歌、どちらも素晴らしいじゃないか!
まだ本公演前という事でマイクの調節が上手く行って無かったようだが、
それを差し引いても余りあるほど良かった。
これは大成功して、是非ともブロードウェイへ行って頂きたい!
そうすればアジア人が出る事のできるミュージカルが
「王様と私」、「ミス・サイゴン」、そして「イメルダ」と3つに増えるのだ・・・。
ちなみに、このミュージカルに先日「アジアン・アクティング」という舞台で競演したマークが出演していた。マークおめでとう!
良質のミュージカルに触発され、俺も出たくなった。
どんどんオーディションに参加しよう。
2005年04月28日 演劇・ミュージカル
Lucky Stiff 公演最終日
ミュージカル「Lucky Stiff」の公演最終日。
今日の第1部、俺はボロボロだった。
セリフを言ってても、そこに気持ちが伴って無い。
身体は動く。
・・・でもそれはリハーサルでやった自分の動きを真似てるだけだ。
その瞬間の生の感情が無ければただの人形だ。
こりゃイカンと思って途中休憩の間に精神集中し、第2部は持ち直せた。
終了後、キャストの皆と打ち上げへ行った。
場所はウエストハリウッドにある「ジプシー・カフェ」というカフェ。
苦楽を共にして来た仲間と過ごす楽しい一時。
俺はこのミュージカルの為、色々な物を犠牲にした。
「大道具」担当だったので、アチコチのお店を回って様々な物を揃えた。 自費で!
費用を少しでも浮かす為に色々な物を自作した。
垂れ幕からパラシュートまで、可能な限り自分で作った。
チラシを印刷するのに$20寄付したし、全部で$100くらい使ってるんじゃなかろか・・・。
お金になる仕事を探さねば。
明日から学校は3週間の休みに入る。
現在労働許可が下りてる俺は、この3週間の間に次の事をしなければならない。
・エージェントを探す
・オーディションに応募する
・オープンマイクに可能な限り参加する
頑張ろう。俺の人生だ。
投稿者 ユウキ : 23:39 | コメント (2) | トラックバック
2005年04月27日 演劇・ミュージカル
Lucky Stiff 公演2日目
ミュージカル「Lucky Stiff」の2日目。
初日を終え1日空いたせいもあって、緊張の糸が途切れてしまったのだろうか。
今日は随分と粗いミュージカルになったようだ。
セリフを抜かしたり、歌うべき所で歌わなかったり・・・
俺は別に普通だったのだが、最後のシーンでセリフが少し「どもって」しまった。
明日の最終日はセリフをゆっくり喋るように心掛けよう。
2005年04月25日 演劇・ミュージカル
Lucky Stiff 公演初日
今日はミュージカルLucky Stiff(幸福な死体)の初演だった。
これは今取っているミュージカルの授業の、言ってみれば発表会なのだが、
ちゃんと権利も取得しているので本格的だ。
午後3時に集合し通しリハーサルをやった後、8時から本番。
俺の役名は「Vinnie」。
眼科医からメイドにまでなってしまう面白いキャラだ。
ソロで歌う曲は1曲しか無いけど、
今日の公演ではそれが上手く行ったので嬉しかった。
あと2回の公演もこの調子でこなして行こうと思う。