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2012年02月03日  オーディション★2

ゴムパッチン

先日オーディションに参加した「とあるテレビドラマ」より、
俺をキャストしたいとの連絡があった。


・・・よしっ。取った!!!

さあ、台本をもう一度読んで、
内容的に修正して貰わないといけない部分を
リストアップして、提出しなきゃ。


 ・・・ん?


またマネージャーの「マイク」から電話だ。
一体なんだろう・・・?


マイク「・・・ユウキ!信じられない話だけど、
    月曜日にもう一度、プロデューサーの前で、
    オーディション用の台本を読んで欲しいそうだ。」

ユウキ「・・・ええっ!?
    俺、もうキャストされたんじゃなかったの?」

マイク「そうなんだよ!キャスティングも、さっきまでは、

    『月曜日に報酬の交渉をしましょう』

    って言ってたんだけど、急に

    『追加の台本を送りますので、
     月曜日にまた来て下さい』

    になってしまったんだ!」


・・・こ、こんな事もあるのか。

おそらく、俺が役的に若すぎる事が、
原因ではないかと思う。


・・・まあいい。俺はまた、ベストを尽くすだけの話だ!

さあ、頑張ろう!!

投稿者 ユウキ : 23:57 | コメント (1)

2012年02月06日  オーディション★2

トロイの木馬

「とある新作テレビドラマ」の二次選考は、
ハリウッドに位置する、テレビスタジオで行われた。

つま先から頭のてっぺんまで、衣装は完璧だ。

・・・あとは演技か。


オーディション室内には、キャスティングディレクターと、
「統率者」の方と、「指揮者」の方の、3名が座っていた。


俺が室内に入って挨拶をすると、
「統率者」の方が、手をこちらに差し出しながら言った。


  「あ、どうも宜しくお願いします。(日本語)」


・・・うおおっ!!びっくりしたっ!!


なんと「統率者」の方が、まっっったく訛りの無い
完璧な日本語で挨拶してきたのだ!!

・・・な、なるほど。オーディションの備考欄に、

 「日本語を完璧に喋れる関係者がいるので、
  喋れるとウソついてもバレます。」

と書かれてあったのは、この事だったんだ!


 肝心のオーディションの結果は・・・、 75点


これまで受けた、全てのオーディションの中で、
最高の出来だった。


・・・うん。やるだけやった。悔いは無い。

よーし落ちた!次に行こう!!

投稿者 ユウキ : 23:08 | コメント (1)

2012年02月07日  オーディション★2

13階段を上れ

例の「新作テレビドラマ」キャスティングより、
今度こそ、正式な出演オファーが来た。


とうとう来たか。

・・・ここからが本当の勝負だ。


理由は前に書いたけど、
この役は批判を受ける事を、絶対に避けられない役なのだ。


・・・そりゃあ俺だって、できれは逃げたい。批判されたくない。

でも、日本人俳優の誰かが、責任を持ってこの役を演じなければ、
もっと大変な事になってしまう。この役は、それほど重大な役なんだ。


・・・今の俺にできる事は、この役に全力で臨み、
ハリウッドにおける「日本人のイメージ」を保てるよう、
可能な限り努力し、そしてこの役を演じた贖罪として、
その報酬を全て福島に送る、それだけだ。


・・・さっそく明日は撮影だ。準備に取り掛かろう。

投稿者 ユウキ : 23:41 | コメント (3)

2012年02月08日  テレビ

てんぷら粉

「とあるテレビドラマ」の撮影は、
ハリウッドの中心地に位置する、とあるテレビスタジオで行われた。


スタジオ入りして、「衣装合わせ」を済ませると、
すぐに日本人のコーディネーターの方と、
日本語のセリフの打ち合わせに入った。

二人でタッグを組み、日本語のセリフを可能な限り調整し、
日本人が見ても納得できるよう、修正に修正を加えていく。


・・・もちろん、できる事に限りはある。


例えば、今回の俺の役は「一連の事故の対応」を
一つにまとめたような役柄なので、
時系列的に、事実と違う部分があったりする。

日本人としては、この題材は全て、
事実に乗っ取ってやって欲しいけど、
この部分を変えてしまうと、ストーリー自体が変わってしまう。

・・・後のシーンはもう既に撮影済みなので、
残念ながら、こういった部分はもう修正できない。


仕方が無い。でも大丈夫!まだできる事は山ほどある!


幸い、今回はすこぶる条件がいい。

なんてったって、「統率者」の方がこちらの味方なんだ。

彼が日本語のセリフの調整を全力でサポートしてくれるし、
日本人のコーディネーターの方もいるので、非常に心強い。


・・・よし。今日の撮影では、できる事は全てやった。
残りの撮影も、全身全霊を込めて取り組もう。

投稿者 ユウキ : 23:56 | コメント (5)

2012年02月14日  テレビ

しつじかい

今日は朝から、子供向けコメディドラマの
オーディションがあった。

昨日の夕方に貰った台本を分析し、
セリフを覚え、衣装を着て参加した。


結果は・・・45点。


キャスティングディレクターの指示に従っての
「キャラクターの調整」は上手くできたんだけど、
その過程で肝心のコメディ要素が少なくなってしまった。

・・・うーむ、コメディは難しいなあ。


その後、今度は「とあるテレビスタジオ」へと移動し、
1時間ほど、明日撮影のシーンの自主リハーサルを行った。

かなり混沌としたシーンだったんだけど、
セリフを通した事で、シーンの流れがハッキリ見えるようになった。


・・・よし。いよいよ明日だ。

投稿者 ユウキ : 23:37

2012年02月15日  テレビ

焼けた炭の上

「とある新作テレビドラマ」の集合時間が午前6時と早いので、
俺は午前3時に起きて、撮影の準備を始めた。

・・・睡眠時間は約2時間半。

短いように思うかもしれないけど、
今回俺が演じる役としては、最適な長さだ。


スタジオ入りしたのは、集合時間の15分前。

スタッフに導かれるまま、メイク&ヘアメイクを済ませ、
脚本家の方の前で、一度シーンを通し、
セリフの最終チェックを行った。


・・・よし、いよいよだ。

控え室を出て、セットに向かって歩き出すと、
身体の底から震えが湧き上がって来るのを感じた。

寒さのせいだろうか、それとも・・・?


今回のシーンの撮影は、スタジオ内に作られた2つのセットを
モニターで繋いで「インタビュー形式」で撮影する、という、
これまでに経験した事の無い方式がとられた。

俺自身は、伏し目がちで、手元の紙を見ながらインタビューに答える、
かなりドライなシーンを想像していたんだけど、
カメラ目線で、という指示があったので、それに従った。


 そして・・・、とうとう撮影が始まった。


もう前に何度も書いたように、今回俺が演じる役は、
どのように演じても批判を受ける役だ。

こればかりは、役の設定上、どう頑張っても避ける事ができない。

・・・でも、俺がもしこの役を「感情を持った一人の人間」に
する事ができれば、番組の視聴者に「日本人=この役」ではなく、
「日本人=感情を持った人間」と思わせる事ができる。

そうすれば・・・、これから先に生まれて来る
「日本人役」のイメージが、より「人間」に近づく。

そのためにこそ、俺はこの役を演じるんだ。


 全力で日本人役を取りに行き、現場に入り込み、
 日本人のイメージを改善するため、可能な限りの事する。


これが、俺達日本人俳優の使命だ。


今回は、「統率者」の方と、「日本人コーディネーター」の方の
協力があったので、環境としては、今までで一番恵まれていたと思う。

これで「題材」が違っていれば、最高だったんだけど・・・。


・・・とにかく俺は、自分にできる限りの事をした。

あとは、叩かれるのを耐えよう。

投稿者 ユウキ : 23:03 | コメント (5)

2012年02月23日  映画一般

ふるさと

とある無報酬の短編映画に出演する事になった。

これまでの流れから行くと、こういった無報酬の
短編映画への出演は、マネージャーの「マイク」が
大反対しそうなもんだけど・・・、今回は違った。

それどころか、何を隠そう、
今回の話を持って来たのがマイク本人なんだ。


・・・なぜか。


それは、とあるキャスティングディレクターが、
俺をこの役に推薦したからだ。

その方は「とある大作映画」で俺を主役級にキャストした方なので、
彼女の顔を立てる意味合いもあったようだ。


撮影は4月。

今のうちから、少しずつ準備をしていこう。

投稿者 ユウキ : 23:24

2012年02月27日  オーディション★2

今日の運勢

とあるテレビシリーズのオーディションに参加した。

いつものように台本を覚え、衣装を揃え、
準備万端で会場入りした。


今回の役は日本人の設定だけど、セリフが全て英語なので、
呼ばれていた20人ほどのアジア人俳優のうち、日本人は半数以下。

・・・うーむ、やっぱ厳しいなぁ。


名前を呼ばれてオーディション室内に入ると、
今回のエピソードの監督が、椅子に腰を下ろしていた。


 ・・・アレ?

 この監督・・・、どこかで見覚えが・・・。


・・・向こうも、俺の事に気がついたようだ。


監督「・・・あれ?
   たしか、君とは一度、一緒に働いた事があるよね?
   あれは確か・・・。」


・・・あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ぁっ!

お・・・、思い出したっ!!


この人と会ったのは、2年前の12月。
「とあるテレビシリーズ」の撮影現場だ。

・・・あの時、俺は「歌手」の役を演じていて、
この人から「お手本の歌に、口パクしろ」と言われたけど、
その「お手本」があまりに酷い「ニセ日本訛り」だったので、
それを拒み、30分ほど白熱した議論をしたんだった。


・・・うわぁあああ!!

よりにもよって、彼が今回の監督なのか!!!


こ、これは・・・、マズイぞ。

俺が彼の立場だったら、
俺みたいな面倒な俳優は、絶対にキャストしない!


監督「ああ、君の事は、よーく覚えてるよ。
   何でも『思い切り』やる人だった。」


うぅ、嫌味にしか聞こえない。

・・・仕方が無い。とにかく、やるだけやろう。


 結果は・・・、55点。


・・・はあ、まさかこんな事になろうとは。

ダメだこりゃ!確実に落ちた!次行ってみよう!!

投稿者 ユウキ : 23:37 | コメント (3)

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