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2012年01月31日 オーディション★2
開くの十時か
明日、とある「新作テレビドラマ」のオーディションに参加する予定だ。
俺が最後にオーディションに呼ばれたのは、
・・・なんと、2011年7月14日。
約半年振りのオーディション、
さぞ心が躍っているに違いない、・・・と思うでしょう?
でも実際は、その真逆だ。
俺はこれまでで一番、気持ちが沈んでいる。
なぜか。
それは、明日演じる役が、モロに「原発事故」絡みだからだ。
・・・やはり来たか。
これまでに俺自身が何度も経験したように、
ハリウッドにおける「日本のイメージ」は、
月日と共に、何度も変わってきた。
テレビドラマ「HEROES」が放映されて、
日本人のイメージが明るくなったのも、その一つだ。
・・・そして3/11の震災以後、
日本に「新たなイメージ」が加わった。
「日本、大震災、原発事故」
うんがー!!
日本人としては、「大震災」は仕方が無いとしても、
「日本=原発事故」というイメージは、どうしても持って欲しくない!
・・・だってそのイメージは、日本にとってマイナスじゃないか!
「日本=原発事故=放射能汚染=危険」
俺は、日本がこんな風に思われるのは嫌だ!!
・・・でも、現実問題として、原発事故は実際に起きてしまい、
「日本の重大な歴史」の一部になっているのも、事実なのだ。
数ヶ月前の話だけど、俺は友人のプロデューサーから、
日本が舞台の「とあるテレビドラマの台本」を読んで、
正直な感想をくれないか、と頼まれた。
・・・そこにはなんと、こんなセリフが並んでいた。
「日本に行くですって!?危ないじゃない!
お願いだから東京には行かないで!」
「大丈夫、大阪だから。
原発から離れているから大丈夫。」
これを読んでアッタマに来た俺は、そのプロデューサーに、
1、東京には現在も、1300万人が住んでいる事。
2、東京と福島第一原発は離れている事。
を説明し、日本人には到底受け入れられない内容だと訴えた。
すると、そのプロデューサーより、このような反論があった。
「・・・そうかもしれない。
でも、一般人が思っている事をセリフにしただけなので、
事実と多少違っていても問題ない。」
うおおおおおおお!!勘弁してくれ!!
俺は、日本がそんな風に思われるのは嫌だ!!
・・・はぁ。
・・・・非常に残念な事に、この原発事故と日本を絡める
「最悪な流れ」は、しばらく続くと予想される。
そこで、俺たち日本人俳優は、どうすべきか。
「日本=原発事故」というイメージに加担しないよう、
原発に関わる、全ての役を断るべきか・・・?
・・・いや、それはマズイ。
俺達がそんな事をしたら、「エセ日本語」を話す
「エセ日本人」がテレビに登場して、
日本と日本人のイメージが、更に捻じ曲がってしまう。
・・・俺達は、たとえ「原発関連」であったとしても、
全力で役を取りにいき、その日本人役のイメージが
実際の日本人に近づくよう、死ぬ気で頑張るべきなんだ。
日本人が観ても許容できる内容になるよう、
自分にできる範囲で、現場で最大限努力すべきなんだ。
・・・逃げてはダメだ。
俺は・・・、全力で役を取りに行き、報酬を全て、福島に送ろう。
・・・よし。頑張ろう。