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2011年11月12日  舞台劇『ブリッジ』

三叉路

今日は舞台劇「BRIDGE」の公演二日目だ。

朝、マネージャーのマイクから電話があった。

 「・・・なあユウキ、BRIDGEから降りよう。

  水曜日に俺が観た『例のキャラクター』を
  これから6週間もの間、演じてたら、
  ユウキが批判されて、経歴に傷が付く。

  君のマネージャーとして、それだけは絶対に許せない。

  月曜日に俺から監督のケリーに電話するよ。
  だから・・・、役から降りよう!」


すっかり頭に血がのぼったマイクをなだめ、
俺は重い足を引きずりながら、本番前のリハーサルへと向かった。


・・・このリハーサルで全てが決まる。

ここで監督のケリーを「演技」で説得できなければ、俺は終わりだ。


・・・大丈夫。勝算はある。

「自分のキャラクター」に、「ケリーのキャラクター」を、
上手い具合に、少し混ぜ込めばいいんだ。

さあ、覚悟を決めて、舞台に上ろう。


~~リハーサル中~~


今日のリハーサルは、


 これまでで、 最 高 の出来だった。


演技中、相手役のスタンとの間に、
昨日の本番では生まれなかった「絆」が生まれ、
全てがビシッと決まった。

監督のケリーも、相手役のスタンも、
もちろん俺も、みーーんな目を丸くした。

まさかたった一晩で、ここまで良い方向に変わるとは、
誰一人として予想してなかったんだ。


ケリーは、シーン自体のクオリティが格段に上がったので、
キャラクターの事なんかもうスッカリ忘れて、大喜びしている。

なんとまあ、ゲンキンな方・・・。


舞台裏に引っ込むと、スタンが話し掛けてきた。

 「・・・昨日はすまなかった。
  俺は・・・緊張してたんだ。

  映画の追加撮影から戻ってみたら、
  照明とかが全部決められてて、
  立ち位置も色々と変わってただろ。
  その事や、セリフの事で、頭が一杯だった。

  それに加えて、昨日はケリーが
   『今日はLA Weeklyの批評家が来るわよ!』
  ってアナウンスしただろ?
  あれで、焦りに拍車が掛かったんだ。
  LA Weeklyは辛口で有名だから・・・。

  ・・・すまなかった。今日は良い舞台にしよう。」


そして、公演二日目の幕が開いた。


今日の公演は・・・、


 これまでで 最 高 の出来だった。


監督のケリーも、相手役のスタンも、
そして、もっちろん俺も、大喜び。


ケリー「ね!?言ったでしょ!?
     私の言う通りにすれば、良くなるって!!!」

ユウキ「え"・・・? ええ、まあ、あの、そうですね・・・。」


おっかしいな・・・。いつの間にそんな事になってたんだろう。


まあ・・・、いいか!!


公演終了後、70歳ぐらいのおばあちゃんが俺に歩み寄って来た。

 「前回の公演も観たけど、
  今日の公演も・・・、本当に素晴らしかったわ!

  私、すっかりあなたのファンになっちゃった。
  サイン頂けるかしら・・・?」


うおおおおおおおおおおおおお、嬉しい!!!!
嬉しいぃいいいいいいいいいいいいい!!!!!

・・・そうだよ!!!!これだよ!!!

俺が求めていたのは、これだ!!!

「前回の方が良かった」じゃないんだよ!!!

よっしゃあああああああああ!!!!!


よーし、公演二日目にして、光が見えた。
さあ、明日も頑張ろう!!!!

うおおおおおおおおおお!!!


■今日の募金額:$5.00
■募金総額:$55.51

投稿者 ユウキ : 23:35 | コメント (2)

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