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2011年08月01日  舞台劇『ブリッジ』

牧師の泣き所

舞台劇「BRIDGE」公演5日目。

今日は月曜日だけど、舞台公演があった。

本日の主役は、「ヤク中女」と「女装男」の代役を務めている「ザマラ」だ。

・・・実は今日の公演は、
「ザマラ」のために用意された、特別公演だったんだ。

「ザマラ」は代役なので、キャストが何らかの理由で
出演できなくなった時に備え、
セリフも、キャラクターの動きも、全てしっかり覚えている。

でもそれは、逆に何も問題が起こらなければ、
全く出番が無いまま公演が終わってしまう、という事だ。

・・・せっかくセリフを全部覚えているのに、
一度も舞台に立てないのは可哀相なので、
そんなザマラにも出演の機会を与えるために、
今日の公演がセットアップされたというワケだ。


ザマラはセリフを3行すっ飛ばすも、見事に「ヤク中女」を演じ上げた!


++++


・・・公演が始まってもう三週目に入るけど、
今日から、第三幕の役設定が変更になった。

第三幕の登場キャラクターは、「女装男」と「サックス奏者」だった。

しかし、「女装男」を演じている「ツーラン」は女なので、
やっぱりちょっと、設定に無理があった。

どうやら監督の方にも、
 「残念ながら、どう見ても女装した男には見えない」
という反応が、いくつか来ていたらしい。

・・・そこで、完璧主義の監督ケリーは、
今日から、「女装男」の役設定を、
「女性ホルモン療法を受けている男」に、変更する事にした。

「心と身体の性の不一致」で女性ホルモン剤を服用しているので、
身体が女っぽく見えても問題無い!・・・というワケだ。

さて、この変更が吉と出るか。


++++


今日の観客数は、月曜公演の宣伝不足もあって、たったの7人。
しかも、そのうちの4人が劇場関係者だ。

必然的に募金額も・・・とても寂しい結果となった。


明日と明後日は通常公演なので、たくさんの来場が予想される。

さー、気合を入れて、公演と募金集めを頑張ろう!


<募金額>
■今日:$2
■合計:$473

投稿者 ユウキ : 23:31 | コメント (3)

2011年08月02日  舞台劇『ブリッジ』

天の竪琴

舞台劇「BRIDGE」の公演6日目。

いつものように控え室で開演の準備をしていたんだけど、
今日は監督ケリーの様子がどうもおかしい。

・・・なんか妙にソワソワしてる。

うーむ、誰か有名人でも招待しているんだろうか?

・・・まあ俺は、観客が誰であっても、
常に全力でやるだけなんだけどね。


そんなこんなで準備を続けていると、
ステージマネージャーのアレックスが、
ニコニコしながら控え室に入って来た。


 「ユウキ!今日は君の友達がたっくさん来てるぞ!!
  ちゃんと、みんなタダで入場させたから!」


ほっ。良かった。さすがはアレックス!


 ・・・そして、舞台の幕が開いた。


なんと今日は・・・、特に問題が起こらなかった!

どうやら3週目にして、公演が安定してきたようだ。


公演後に募金箱を持って入口に立っていると、
これまでに例を見ないほど多くの募金が集まり、
なんと、現時点での最高募金額を超えてしまった!!

合計金額も、$700を突破!


 みなさん、ありがとうございました!!!


・・・よし、明日も公演だ。全力で行こう。


 (オフィシャルフォトより)

<募金額>
■今日:$252
■合計:$725

投稿者 ユウキ : 23:43 | コメント (6)

2011年08月03日  舞台劇『ブリッジ』

橋でも空でも地底でも

舞台劇「BRIDGE」の公演7日目。

今日は開演前に、ちょっとしたゴタゴタがあった。

キャストと代役の「ザマラ」が揃ったところで、
監督のケリーが持ち出した。


「みんなも良く知ってる通り、
 代役のザマラは本当に一生懸命
 今回の舞台に尽くしてくれていると思うの。

 リハーサルにも一番最初から参加してるし、
 「女装男」のメイクも手伝っているわよね。

 ・・・そこで相談なんだけど、
 ザマラにあと2公演、
 舞台に立つチャンスをあげれないかしら。

 本当は、今週の月曜日と、
 来週の月曜日だけの予定だったけど、
 追加公演の16日(火)と17日(水)も、
 ザマラを出してあげたいの。

 その二日間のうち、どちらか一方で「ヤク中女」を演じて、
 もう片方で「女装男」を演じるってのはどうかしら。

 ツーラン、ジョジー、あなたたちはどう思う・・・?

 もちろん、「ヤク中女」と「女装男」は
 本来あなた達の役だから、
 あなた達の同意がなければやらないけど、
 私はどうしてもザマラの努力に報いてあげたいの。」

 どうかしら・・・?」


・・・・・・。


ツーランも、ジョジーも、
いきなりの事に、言葉を失っている。


・・・言葉を失って当然だ。
だって17日(水)は、公演最終日なのだ!

もしかしたら、自分の役を演ずるのは、
その日が最後になるかもしれない。

でも、その日に自分の役でザマラが出演するとなると、
本来のキャストである自分自身は、
公演最終日に舞台に立てない事になる。

俳優は自分の役に命をかけているので、
これだけは、どう考えても承諾できるワケが無いのだ。


・・・しかし、ここでこの提案をむげに断ると、
ザマラの事を思いやらない
冷たい人間のように聞こえてしまう。

ザマラがどれだけ頑張っているか、
俺達が一番良く知っているんだ。


・・・とにかく、どう考えても、
二人はこの質問に簡単に答えられるハズがない。


そこで、俺が助け舟を出す事にした。


「・・・ケリー、
 おそらくツーランもジョジーも、
 かなり答えにくい質問だと思うから、
 俺が代わりに答えるけど・・・、

 思うに、ツーランも、ジョジーも、
 17日の最終公演日だけは、
 絶対に出演したいと思うんだ。

 その日が、自分のキャラクターを演ずる
 最後のチャンスだから。

 ・・・そこでさ、15日の月曜日に、
 もう一日だけ公演を増やすってのはどうかな?

 もし15日もやるんだったら、
 15日(月)と、16日(火)をザマラにやらせて、
 17日(水)の最終公演日は、本キャストで終われる。

 どうかな?」


「・・・それがね、劇場に確認したんだけど、
 もう完全に先のスケジュールが埋まってたの。

 ・・・唯一可能性があるのは、7日(日)だけ。

 でも、確かにユウキの言ってる事は一理あるから、
 ちょっと7日を押さえられるか、
 劇場に確認してみるわ。

 そしたら、7日(日)と16日(火)にザマラを出して、
 17日(水)は本キャストで終われる。

 ジョジー、ツーラン、・・・どう思うかしら?」


「・・・私は、やっぱり、ユウキが言ったように、
 17日だけは、どうしても出演したいかな・・・。」


「私も、17日は・・・。」


「・・・じゃあ、そうしましょう。
 できるだけ7日(日)にできるよう、
 劇場にかけあってみるわ。」


・・・おそらくこれは、開演前にする話題じゃなかった。

このミーティングの後、キャストのみんなは、
意図的にこの話題を避けていたので、
控え室のムードがおかしな事になってしまった。


・・・これがどのように影響したかは知らないが、
俺の身にも、異変が起こった。


通常、舞台に上がる時、
ちゃんと役になりきっていれば、
目の前に、こういう風景が広がっている。



橋の上から、川や夜景、満月などが望める。


 ・・・しかし、今日は違った。


舞台に上がった瞬間に、俺が見た風景は・・・、



うぎゃあああああああ、客席が見える!!!
月があるべき場所に、照明がぶら下がってる!!!


一瞬取り乱したけど、もう自分は舞台上だ。
逃げる事は絶対に許されない。

俺はストーリーの流れに身を任せながら、
役に入って行く事にした。


中盤ぐらいに差し掛かったところで、
ふと客席の方に目をやると・・・


そこには・・・川が広がってた。


・・・ほっ。良かった。
どうやら「役者」から、「役」に戻れたようだ。


こうして・・・何とか今日も無事に公演を終える事ができた。


・・・ちっくしょおおおお!ミスった!!!
俺のミスで、舞台のクオリティを下げてしまった!!

そもそも、こんな事が起こったのは、
今日の準備が甘かったからだ!

俺が手を抜かないで、しっかりと開演前の役作りをやっていれば、
客席が見えるハズが無いのだ!


俺にとっては何回もある公演のうちの一回に過ぎないが、
観客にとってみれば、たった一度限りの観劇なんだ。

だから、一度だって、手を抜くことは、許されない!!!!


・・・この反省を深く胸に刻み、残りの公演を全力で走りぬこう。


 (オフィシャルフォトより)


<募金額>
■今日:$90.55
■合計:$815.55

投稿者 ユウキ : 23:50 | コメント (6)

2011年08月08日  舞台劇『ブリッジ』

アジフライ

舞台劇「BRIDGE」、公演8日目

・・・今日も、開演前に大きなゴタゴタがあった。

全ては、ステージマネージャーの
アレックスの電話から始まった。


「ユウキ・・・、もしかしたら、
 例の入場料を募金に回すのが
 できなくなるかもしれない。

 ・・・詳細は後で話すよ。」


一体何が起こったんだ・・・?

心配しながら劇場に着くと、
最悪の事態が俺を待っていた。


++++


今回の劇場は、震災募金集めに、
総力をあげて協力してくれていた。

雇われステージマネージャーの「アレックス」を陣頭に、
劇場スタッフの「ジョナサン」、そして演劇プロデューサーの
「アニー」の3人が協力体制を敷き、

 「ユウキを観に来た人は、全員タダで入場させ、
  その代わりに、いくらか募金して貰う。」

という方針を、これまでずっとサポートしてくれていたのだ。


でも一つだけ、心配事があった。


・・・劇場のオーナーの許可を取っていなかったんだ。


経営者のオーナーにそんな事聞いたって、
駄目って言う決まってる。

そこで、「アレックス」、「ジョナサン」、「アニー」の3人は、
日本の被災地に少しでも多くの募金を届けるため、
体を張って、秘密裏に今回の募金集めに協力してくれていたんだ。


 ・・・しかし、それゆえに事件は起こった。


今日は、月曜日という事で、先週と同じく、
代役の「ザマラ」が出演する事になっていた。

おそらく今日が、彼女にとっての出演最終日なので、
「ザマラ」は親戚12人を、今日の舞台に招待した。

親戚一同は車で5時間かけ、はるばるハリウッドまで
「ザマラ」の晴れ舞台を観にやって来たのだ。

・・・そしてザマラは、
そんな親戚一同が皆タダで入れるよう、劇場に電話をした。


ザ 「12人、お願いします。」

劇 「・・・え?どういう事?」

ザ 「ですから、タダ券を12人分お願いします。」

劇 「いや、タダ券は一人2枚のハズだけど。」

ザ 「でも私、これまでずっと毎日、
    代役として公演に来ていたけど、
    タダ券使ってないから・・・。」

劇 「タダ券は、一人につき一日2枚で、
    積み上がらないんだよ。」

ザ 「そんな・・・!!!
    車で5時間かけて来るのに!!!」

劇 「そうは言われても・・・。」

ザ 「じゃあ、ユウキはどうなの!?
    ユウキは何人でも招待できるじゃん!!」

劇 「それは、募金を効率的に集めるために、
    そういう約束をしたからだよ。
    タダで入場させれば、浮いたお金が募金に行くだろ?

    でもユウキとの約束は、今に始まったわけじゃなくて、
    一番最初から決めていた事だよ。

    そもそもユウキは、募金集めが条件で出演しているんだから。」


ザ 「もういいわ!他を当たってみる。」


自分の親戚のために必死になるあまり
頭に血が昇ったザマラは、
ここで、劇場のオーナーに電話をしてしまった・・・


ザ 「ユウキは、募金集めのために何人でも
    タダで入場させられるのに、
    私は親戚も入れられないのは、不公平だわ!
    タダ券を12枚、お願いします!!」


オ 「?????」


当然、劇場のオーナーはザマラが何を言っているのか
さっぱり分からない。

募金を促すためにタダで入場させるって話は、
オーナーは全く知らされていなかったのだから・・・。


オーナーは、演劇プロデューサーの「アニー」に電話をして
詳しい事情を聞いた。

・・・なるほどね。そんな事が起こっていたとは。


意外な事に、オーナーは募金には
一定の理解を示してくれたそうだ。

ただし、「12枚のタダ券」は絶対にダメだと念を押した。


・・・でもザマラは引かない。

$15のチケットが12枚で、$180だ。
そう簡単には引き下がれない。


ザ 「私は、これまでずーーーっと代役として毎日待機してきた。
    みんなのメイクも手伝って来た。
    だから、そんなに多くを求めてるとは思わない。、
    自分の最終公演に家族ぐらい入れてくれてもいいじゃない!
    私にも、少しぐらい融通きかせてくれてもいいじゃない!!」


もし俺達がオーナーだったら、
喜んでザマラの親族を入れてあげただろう。

・・・でも、ここの劇場のオーナーは、そう簡単には例外を認めない人なのだ。
だからそもそも、オーナーには秘密だったんだけど・・・


ザマラがあまりにも激しく要求するものだから、
ここでとうとう、オーナーの堪忍袋の尾が切れてしまった。


オーナー 「これ以降、全員、特別扱い、一切無し!!

        全員のタダ券も、今後一切無し!! 以上!!」


そして・・・、今に至っているワケだ。


ザマラは控え室で泣きじゃくっている。
とてもじゃないが、公演前だとは思えない雰囲気の悪さだ。

ステージマネージャーのアレックスは、
ザマラに秘密をバラされるも、
彼女の状況にも理解を示し、
劇場関係者のジョナサンと協力して、
12枚で$60という破格の値段を提示した。

そしてそれを、俺と主演のジェリーが
ザマラのために、二人で肩代わりして出す事にした。

これでとりあえず、ザマラの家族はタダで入れる。
ザマラはようやく落ち着きを取り戻した。


・・・あと問題は、募金の方か。

これまでは、オーナーにバレていなかったから
大丈夫だったけど、オーナーが「一切無し!!」
と宣言してしまったから、どうしようも無い。

・・・さすがに、
 「劇場に$15支払って、募金しに来て下さい!」
とは言えないぞ。


俺が今回の舞台に参加した一番の目的は
募金集めだったので困り果てていると・・・

アレックスとジョナサンがやってきた。


「・・・ユウキ、今から言う事は、
 他のキャストには、絶対に秘密だ。

 とりあえず、今週の水曜日までは、
 どうにかしてタダで入れる。

 大丈夫。俺達に任せてくれ。

 気兼ねせず、何人でも呼んで欲しい。
 少しでも募金が余分に集まれば、
 俺達はそれでいいんだ。

 ・・・でも、来週の約束は、残念ながらできない。

 一応頑張ってみるけど・・・、どうなるか分からない。

 だから、とにかく今週の水曜日までに、
 できるだけ多くの人を呼んで欲しい。

 ・・・もちろん、他のキャストには、絶対に内緒だよ。」


かぁーーーー!!!そこまでするか!!!!!

この二人には、どれだけ感謝しても、感謝しきれない。
日本のために、どうしてそこまでしてくれるのか。

俺は、この二人の好意を無駄にしないよう、
明日と明後日の二日間、全力で人を集めよう。

・・・他のキャストにバレないように。


++++


あ そういえば 今日もこの後で公演でした 


 ぼくは  とても  がんばりました

 ほんとうに  とても  がんばりましたよ

 じょうだん  じゃ  ないよ!

 ざまら も がんばりました

 ざまら は うれしい

 ぼく も うれしい


・・・さあ、明日も頑張ろう!!

アレックスとジョナサン、そしてアニーの好意を無駄にしないよう、
明日(火)と明後日(水)、是非劇場までお越しください!!

そして入口で、

 「Yuki Matsuzakiの知り合いです。入場料を募金したいです。」

と言ってタダで入場し、入場料を募金箱に入れて下さいな!!!!


・・・舞台って、毎日毎日問題が起こってにぎやかね~


<募金額>
■今日:$141.77
■合計:$957.32

投稿者 ユウキ : 23:35 | コメント (4)

2011年08月09日  舞台劇『ブリッジ』

ゼリー公演

舞台劇「BRIDGE」、公演9日目

今日は、舞台のビデオ収録日だった。

開演前の控え室にもカメラマンが入り
キャストのインタビューなどを収録した。

俺は、もう役作りの準備に入っていたので、
はしゃがないように気をつけた。



それから・・・、何の問題もなく、公演が始まった。


・・・なんか、すごく新鮮だ!

特にここ数回の公演は、問題続きだったから・・・。


公演後、アレックスと一緒に募金額を
カウントしてみると、$199だった。


 「・・・ん、ちょっと待って!」


アレックスはそう言うと、どこからか1ドル持ってきた。


 「よーし。これで、$200ピッタシ!」



・・・明日は、「募金するなら入場料タダ」の最終日だ。
ぜひぜひぜひぜひぜひぜひお越しくださいな!!


<募金額>
■今日:$ 200.00
■合計:$1157.32

投稿者 ユウキ : 23:23 | コメント (7)

2011年08月10日  舞台劇『ブリッジ』

遠投合戦

舞台劇「BRIDGE」、公演10日目

開演の準備をしていると、
ステージマネージャーの「アレックス」が
いつものように笑顔で控え室に入って来た。

 「ジェリー、昨日借りた1ドルを返すね!
  ちゃんと一割、利子つけといたからね!」

アレックスはテーブルの上に1ドル10セントを置くと、
また笑いながら部屋を出て行った。


・・・ん、待てよ。 昨日1ドル借りた・・・?


もしや昨日、募金に1ドル足した時、
持ち合わせが無くて、わざわざジェリーに借りてたのか?

・・・まったくもう。この人は本当に凄いな。


++++


今日の公演は、いつもより静かな舞台となった。

どうやら月、火、水の三日連続公演で、
主人公のジェリーがかなり疲れていたようだ。

あと一週間だ!!ジェリー、ファイト!!!


今日も多くの方々が募金してくれたので、
これまでの合計募金額は、なんと約$1300にもなった。

全ては、アレックス、ジョナサン、アニーなどの劇場スタッフが、
今日まで体を張って、「募金するなら、入場料はタダ!」
という約束を必死に守り続けてくれたおかげだ。

彼らの協力無しでは、この数字は絶対に不可能だった。


・・・確かに、一昨日に起こった「例の問題」の影響で、
もう入口で「募金したいです!」と言っても、
タダで入場する事はできなくなってしまった。

でも、この良心的な劇場を存続させるため、
皆さん是非、チケットを買って、舞台をご覧下さいませ!!


・・・さあ、残すところあと二日間。全力で行こう!


■今日:$ 142.00
■合計:$1299.32

投稿者 ユウキ : 23:42 | コメント (3)

2011年08月16日  舞台劇『ブリッジ』

しょーじ

舞台劇「BRIDGE」、公演11日目。

劇場に着いてみると、
カウンターに置いてあった募金箱が見当たらない。


ま、まさか・・・


・・・・あああ!!

俺の部屋だ!俺の部屋の入口にある!
壊れた部分を修繕するために、
家に持って帰ったんだった!


・・・これは困った。

募金箱が無かったら、
募金を集められないじゃないか。


開演まで、あと1時間。

・・・仕方が無い。
こうなったら、そこら辺の物をかき集めて
もう一つ募金箱を作ろう。



とりあえず、この箱でいいか。

プリント用紙を貼り付けて、日の丸を付けて・・・と。



・・・できた! 何とか間に合った。

まるで小学1年生が書いたみたいな字になったけど、
それは・・・、まあ、そういう事にしておこう。


 「開演15分前です!」


うぎゃー。大至急、準備しなきゃ!


++++


今日の公演は、明日が最終日だというのに、
観客が20人前後という、寂しい結果となった。

なんでも宣伝のミスで、
追加公演を周知する事ができなかったらしい。

でも、来てくれた方々が
たっくさん募金してくれたので、かなりの額が集まった。


 ありがとうございました!!!


明日はいよいよ公演最終日だ。
・・・さあ、全力で行こう。


■今日:$ 170.00
■合計:$1469.32

投稿者 ユウキ : 23:58 | コメント (5)

2011年08月17日  舞台劇『ブリッジ』

お花畑

舞台劇「BRIDGE」l、公演12日目。

とうとう公演最終日がやってきた。


俺は・・・、

 いつも通り劇場入りし、
 いつも通り準備をして、
 いつも通り舞台に上がり、
 いつも通り全力で演じた。


・・・そして、全ての公演が終わった!



今日は千秋楽という事もあって、
公演後には軽食が用意されていた。

そこで、今回のスタッフとキャストは
お互いの労をねぎらい、乾杯した。


・・・お疲れさまでした!!


震災募金の最終合計金額は、$1551.50


・・・当初の予想以上に集まった。

これは全て、ジョナサン、アニー、アレックスの3人のおかげだ。

彼らが体を張って募金集めに協力してくれなければ、
ここまでの金額にはならなかっただろう。


ありがとう、ジョナサン、アニー、アレックス!!!



集めた募金は全て「福島県災害対策本部」に
直接送金で送る予定だ。

みんなの暖かい心が詰まった募金だ。
責任持って届けよう。


・・・ああ、終わった。終わった!・・・・終わった!!!!!


今はとりあえず・・・、寝よう。

おやすみなさい!!!!!!
そして、ありがとうございました!!!


■今日:$  82.18
■合計:$1551.50

投稿者 ユウキ : 23:54 | コメント (4)

2011年08月18日  舞台劇『ブリッジ』

お届け物でーす

舞台劇「BRIDGE」で集めた募金、$1551.50
全額を「福島県災害対策本部」に送金した。

おそらく約12万円くらいになったハズだ。
これで、円高でなければなあ・・・



アメリカで集めた人々の優しさが福島まで届きますように!

投稿者 ユウキ : 12:02 | コメント (7)

2011年08月23日  

1万ページの雨

アメリカ東海岸でマグニチュード5.8の地震が起こり、
テレビのニュースがパニック状態に陥っている。

 「カリフォルニア在住の記者はこの程度の地震には
  慣れているのでいたって冷静でしたが、
  ワシントンDC在住の記者は驚きを隠せませんでした。」

・・・そう、実は俺が住む西海岸のカリフォルニアでは
地震はそれほど珍しくない。
俺自身も、これまでに何度か経験している。

ここに引っ越してから、壁への固定を済ませていない
本棚やタンスがいくつかあるので、今のうちに固定しておこう。
地震はいつ起こるか分からないから。

投稿者 ユウキ : 13:39 | コメント (3)

2011年08月24日  舞台劇『ブリッジ』

ひも状の織物

一週間前に幕を閉じた舞台劇「BRIDGE」を
別のとある有名劇場で、また公演する運びとなった。

しかも今回は、週4回、6週間もの長期公演だ。


なんでも、その劇場は何もかもがプロフェッショナルらしく、
劇場スタッフにも、出演俳優にも、
ちゃんと給料が支払われるそうだ。


それは凄い!


舞台に出演して給料を貰うって、
かなりレアなんですぜ、ここでは。


・・・でも今はまだ、ぬか喜びできない。


実は今回の公演は、「追加公演」では無い。

「再公演」でも無い。


 「リニューアル公演」だ。


 全く新しいプロデューサーの下、
 全く新しい劇場で、
 全く新しいキャストと公演するのだ。


という事は、つまりどういう事か。


・・・前回の公演で震災募金を集めるのを手伝ってくれた、
「アレックス」も、「ジョナサン」も、「アニー」もいない、という事だ。


心強い味方が、一人もいなくなってしまった。

・・・仕方が無い。
新しい劇場の協力を取り付けるべく、
俺自身で新プロデューサーと直接交渉する事にしよう。


俺 「はじめまして。ユウキです。」


デ 「デビッドです。
   この前の公演、凄く良かったよ!」


俺 「ありがとうございます。」


デ 「いやー、うちでの公演は、そりゃ凄い事になるよ!

   まずセットを、もっとリアリティのある物にするんだ。

   プロの『グラフィティ・アーティスト』を雇って、
   コンクリートの質感を再現したボードの上に
   実際にスプレーでペイントして貰うんだ。

   すると・・・リアルな橋の風景になるだろ?

   それに、霧を表現するために、スモークも焚くし、
   ちゃんと音響を使って、
   カモメの鳴き声や、船の汽笛も流す。

   観客は、実際に『橋』にいると錯覚するよ!」


俺 「とても楽しみです。」


デ 「・・・で、今日はどうしたのかな。」


俺 「一つお伺いしたい事がありまして。」


デ 「なんだろう。」


俺 「実は、募金の事なんです。

   ご存知の通り、僕が演じているキャラクター設定には、
   3月に日本で起こった震災が大きく関わっています。
   
   僕は、前回の公演でこの役を演じるにあたって、
   被災地に対して何も貢献しないのはおかしいと思い、
   募金集めを条件に、参加していたのです。」


デ 「そうだったんだ。」


俺 「・・・幸い、劇場が募金集めに協力的だった事もあり、
   たくさんの募金を被災地に送る事ができました。   

   こちらが、募金の詳細と、送金完了の証明書になります。」


デ 「・・・へえ。」


俺 「・・・そこで、ご相談なんですが、
   今回の公演でも、募金に協力して頂けないでしょうか。」


デ 「・・・うちの劇場は方針として、俳優やスタッフに、
   できるだけ給料を支払うようにしているんだ。

   例えば、俳優が知り合いや友人を劇場に連れて来ると、
   20ドルのチケット代金のうち、
   5ドルがその俳優自身に還元される。」


俺 「その仕組みについては、あらかじめ聞いていました。

   僕はどちらにしても、
   そのお金は募金に回すつもりだったので、
   それプラス、劇場として何らかの協力を
   お願いできませんでしょうか。」


デ 「・・・というと?」


俺 「・・・今回の劇場の、座席数はいくつですか?」


デ 「50席だよ。」


俺 「20ドルで、50席ですね・・・。


   ・・・では、10ドルで、どうでしょうか。


   入口で僕の名前を出せば、
   20ドルのチケット代のうち、
   10ドルが、震災募金に回される。」


デ 「・・・うーーーーん。。。 10ドルかぁ。


   10ドルは・・・・、ちょっと痛いかなぁ。


   ・・・僕は、他のロサンゼルスの劇場主と違って、
   純粋にビジネスとして劇場を運営している。

   他の劇場はビジネスとして成立していないから、
   俳優やスタッフをタダでこき使っているけど、
   僕は、それは間違った姿だと思っているんだ。

   俳優やスタッフにも、生活があるからね。


   今回、「BRIDGE」をうちの劇場に誘致したのも、
   この舞台なら、たくさんお客を呼んで、お金を稼いで、
   みんなに給料を支払えると思ったからなんだ。


   でも、10ドルだと、劇場が回せなくなってしまう・・・。」


俺 「・・・では、7ドルで、どうでしょう。

   20ドルのうち、7ドルが募金箱へ行き、
   13ドルが、劇場に入る。」


デ 「13ドルか・・・。」


俺 「・・・いかがでしょうか。」


デ 「・・・うん、それなら、なんとかなる・・・かな。


   分かった。協力しよう。13ドルでいいよ。」


俺 「ありがとうございます!」


・・・よし! なんとか劇場の協力を取り付けた。


予定では、10月からリハーサルが始まり、
11月から12月にかけて、6週間の公演予定だ。

新しいスタッフとキャストの下で
「BRIDGE」がどう生まれ変わるのか、今から楽しみだ。

投稿者 ユウキ : 23:38 | コメント (7)

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