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2011年06月10日 死ぬ気で音読★2
あいあむびっく
イギリス英語の「アルプスの少女ハイジ」も音読し終わったので、
溜まっていた小説などを数冊ほど消化した。
そして・・・、「シェイクスピア」の勉強へ戻る事にした。
・・・前にシェイクスピアの勉強について書いた時、
シェイクスピアを学ぶ理由について、
「古典英語を学びたいから」と書いたけど、
理由はそれだけでは無かったりする。
実は、シェイクスピアから一番学びたいのは、
文章内の「強弱」の表現なんだ。
俺は、辞書などを研究した事で、
単語ごとの発音は上手くなったかもしれない。でも、
「文章内の強調する単語を変えると、
どのように文章全体のニュアンスが変化するのか」
という感覚が、どうしても掴みきれない。
「なんとなく、こっちの抑揚の方が
日常会話で聞いた事があるから、多分こっち」
という、曖昧な感覚でしか分からないのだ。
・・・そこで、俺はシェイクスピアを勉強してみる事にした。
なぜそこでシェイクスピア?と思われるかもしれない。
実は、シェイクスピアという人は、
文章内で、どの単語を強調すべきか、
細かく指定しながら台本を書いた劇作家なのだ。
だから、「詩」の形式で書かれているセリフは、
ほぼ全て、「強調すべき音」が決められている。
例えば、この文章だ、
Shall I compare thee to a summer's day?
(Shall I compare you to a summer's day?)
「君を、夏の日と比べてみようか?」
Thou art more lovely and more temperate
(You are more beautiful and more moderate.)
「君の方が ずっと美しく そしてずっとおだやかだ。」
日本語の文章を普通に読むと、
すごくロマンチックな文章に聞こえる。
・・・実は、英語で読んでも、そうなんだ。
この文章は、シェイクスピア流を無視すると、
とても甘く、ロマンチックな文章に聞こえる。
でも、これに、シェイクスピアの強調パターンを当てはめると、
↓の大文字の部分を強調する読み方になる。
shall I com-PARE thee TO a SUM-mer's DAY?
thou ART more LOVE-ly AND more TEM-pe-RATE
・・・すると、一気にニュアンスが変わって、
「君の方が、ずっと美しく そしてずっとおだやかだ!」
という、断定系で、情熱的な文章に変わってしまう。
シェイクスピアは、自分が書いた台本を、
役者が勝手に解釈して、好き勝手に演じてしまわないよう、
セリフの抑揚をコントロールしていたんだ。
・・・俺は、一文ずつ、このニュアンスの違いを
真剣に考えながら、シェイクスピアの文章を読んで行くつもりだ。
この方法が正しいか、それは分からない。
でもとりあえずこの道を進んでみて、自分の目で見てこようと思う。
どちらにしても、この勉強は、絶対に無駄にはならない。
血となり、肉となって、後々の俳優人生に役立つはずだ。
よーし、やるぞー!
<音読し終えた本>
読み上げCD付き絵本(イギリス英語)
Heidi -- 48 pages
読み上げCD付き絵本(アメリカ英語)
Pirates of the Caribbean Read-Along Books
--The Curse of the Black Pearl -- 24 pages
--Dead Man's Chest -- 24 pages
--At world's End -- 24 pages
詩集
Cuddly Cats -- 138 pages
小説
The Twits -- 77 pages
教材
The Amazing Amoeba -- 16 pages
シェイクスピア
Iambic Pentameter -- 16 pages
Shakespearean Verse and Prose -- 3 pages
What is: Iambic Pentameter & Shakespeare's Sonnet 116 -- 7 pages
Sonnet 18 -- 3 pages
■これまでの合計
冊数:192冊
頁数:14114ページ
2011年06月19日 舞台劇『ブリッジ』
橋の上で
スケジュールの都合で舞台劇に
出演できなくなった友人の代わりに、
急遽、俺が代役で出演する事になった。
ハリウッドの演劇の多くはタダ働きなんだけど、
今回のこの演劇も、例にたがわず無報酬だ。
公演までもう一ヶ月しか無いので、
さっそくリハーサルに参加してきた。
今日は、俺が初参加だったので、
台本の読み合わせを行った。
今回のキャストはとても少なく、
・サックス奏者
・麻薬中毒女
・日本人ミュージシャン
・女装男
の4人しかいない。
・・・俺が演ずるのは、日本人ミュージシャン。
役設定に、東日本大震災が大きく関わっているので、
劇場のロビーに募金箱を設置してもいいか、と監督に尋ねたところ、
「ええ。劇場に確認してみるけど、問題無いと思うわ。」
と快諾して貰えた。
よーし。公演まであと一ヶ月。
募金がたくさん集まるよう、頑張って演じよう。
投稿者 ユウキ : 23:33
2011年06月20日 舞台劇『ブリッジ』
ハウリング
午後7時から11時まで、舞台のリハーサル。
今日のリハーサル場所は、
とある教会の聖堂を利用して作られたホールだった。
幸い、セリフはもう全て覚えているので、
今日は、「立ち位置」を決める作業に入った。
・・・よし、このペースならば、
何とか公演に間に合うかもしれない。
残された数少ないリハーサルを
大切にしなければ。
投稿者 ユウキ : 23:39
2011年06月26日 舞台劇『ブリッジ』
ダビデの暴走
午後6時から、9時まで
とある稽古場で、舞台の立ち稽古。
俺がリハーサルに参加し始めて、もう一週間が経ったけど、
どういうワケか、主役の「サックス奏者」の俳優が
未だ、俺のシーンのセリフを全く覚えていない。
台本を手に持ち、自分のセリフが来る度に
その場しのぎの演技をしているので、
リアリティがまっっっったく感じられないのだ。
・・・公演まで、もう3週間しかないのに!
しかも、それどころか、
その俳優が監督の指示を全く聞かなかったせいで、
監督と大喧嘩になり、リハーサルが15分も中断した。
・・・だ、大丈夫か、この公演。
投稿者 ユウキ : 23:31
2011年06月27日 舞台劇『ブリッジ』
ダビデの噴火
午後8時から、11時半まで、
とある教会の聖堂跡で、舞台の立ち稽古。
今日のリハーサルは、荒れに荒れた。
問題を起こしたのは、
またも、主役のサックス奏者役の俳優だ。
・・・仮に、この俳優を「デリック」と呼ぶ事にしよう。
発端は、デリックが観客席に背を向けて
セリフを言っていたのを、監督に注意された事だった。
すると・・・、なんとデリックは逆ギレ。
「んな事、言われなくたって、分かってるよ!
俺を何だと思ってるんだ?俳優だぞ!
これまで、70個以上、舞台に出演してんだぞ。」
と、自分の方が舞台の経験があると言わんばかりに、
監督を小馬鹿にした態度を取り始めたのだ。
・・・監督は、その時は何とか堪えたけど、
「デリック」が更に調子に乗って、自分がセリフを覚えていないのを
監督のせいにし始めたので、監督も爆発。
30分以上に渡り、大喧嘩が始まってしまった・・・。
デ「あのさ、さっき、俺のセリフが出てこなくて
シーンが止まったのを注意されたけど、
セリフが出てこない時に、俺にセリフを教えてくれるのは、
アンタの責任だろう?それでも監督のつもりかよ。」
監「デリック、今、あなたとケンカをしている暇はないの。
来週までに、必ずセリフを覚えて来て頂戴。
じゃ、リハーサルに戻りましょう。」
デ「いや、これだけはハッキリさせて貰う。
俺は別に、アンタに俺のセリフを言えと言ってるんじゃない。
代わりに、別の誰かを用意してくれりゃいい。
でもそれは、アンタの責任だ。俺の責任じゃない。
俺のセリフが出てこないでシーンが止まったのは、アンタのせいだ。」
監「デリック、お願いだから、今はやめて。
リハーサルしなきゃいけないから。ね?
あなたも、いい大人なんだから、分かるでしょ?
来週までに、セリフを覚えて来てね。
はい、この話は、これで終わり。」
デ「はぐらかすな!!
何でもかんでも、俺のせいにしやがって!」
監「デリック、座りなさい!
いい加減にしなさい!」
デ「なあ!!みんなそう思うだろ!?
俺のせいじゃないんだ。コイツのせいなんだ!
コイツが監督として無能だから・・・」
監「デリック、いいから座れっ!」
デ「なあ!!おい!!どう思うよ!!
俺のせいだと思うか?なあ!!」
・・・なんなんだ、このガキは。
これが、良い年したプロの俳優のやる事か?
今日は、デリックのせいで、
リハーサルの半分近くが無駄になった。
・・・だめだこりゃ。
2011年06月28日 舞台劇『ブリッジ』
エンジン交換
実際の劇場を使って、
午後6時から12時まで立ち稽古
まずは監督よりコメント。
「キャストのみんなに連絡があります。
デリック(仮名)をキャストから降ろしました。
・・・理由は、みんな言わなくても分かってると思うので、
ここでは、あえて言いません。
代わりに、とある有名俳優を連れて来る予定です。
彼はつい最近、大腿骨の手術を受けたので、
公演初日には、おそらく間に合いません。
もし参加するとしても、2週目以降になる予定です。
それまで期間は、デリック(仮名)の代役として
最初から参加していたジェリーが、サックス奏者の役を演じます。
ジェリー、お願いね。
それと、サックス奏者が実際にサックスを吹くシーンをカットして、
代わりに、本物のサックス奏者に演奏して貰います。
ちなみに今日は、アランにお願いしています。
では、リハーサルを始めましょう。」
・・・公演まで、残りあと3週間
投稿者 ユウキ : 23:58
2011年06月29日 舞台劇『ブリッジ』
どらまてぃっく
実際の劇場を使って、
6時から真夜中まで立ち稽古
今日は、監督が客席の最後列に座り、
声量のチェックを行った。
今回の舞台では、当然ながら、「舞台演技」が要求されている。
「舞台演技」と「テレビ・映画演技」の大きな違いは、
演技の距離と、演技の間だ。
・・・テレビ・映画では、自分の演技パートナーが、
30センチの距離にいたら、
30センチの距離の演技をする。
5メートルの距離にいたら、
5メートルの距離の演技をする。
しかし舞台では、たとえ相手が30センチの距離にいても、
観客席の最後列まで届く声で、演技をしなくちゃいけない!!
客席の大きさに合わせ、仕草や演技を大きくしたりもする!!
まあね!!今回の客席は80席程度なので、
そこまで大きくしなくてもいいんだけどね!!
・・・もう一つは、・・・間だ。
特にテレビでは、番組の尺が決まっているので、
本当に必要な時しか、間を取らない。
「これ、あなたがやったんでしょ?」
「いや、俺じゃない。」
「でもね、あなたがやったという証拠があるの。」
高速キャッチボールのように、セリフが飛び交うのだ。
・・・しかし舞台では、・・・独特の間が存在する事が・・・かなり多い・・・。
「・・・これ、・・・・・・あなたがやったんでしょ・・・?」
「・・・いや、俺じゃない・・・。」
「・・・・・・でもね、・・・あなたがやったという証拠があるの・・・。」
・・・なぜか、それぞれのセリフの後に、間が開くのだ・・・。
・・・・・・しかも、これがコメディ舞台だったりすると・・・、
観客の笑い声が収まるまで・・・、
・・・・・・ひたすら待たなきゃいけなかったりする。
俺自身も、今回の舞台は、監督の要望で「舞台演技」をしている。
・・・間も・・・・・・、十分すぎるほど取る。 声も張る!
・・・・・・さあ、リハーサルも残り少ない・・・。
・・・頑張ろう・・・。 頑張ろう・・・。 頑張ろう!!
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