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2011年01月14日  テレビ

本番前の本番

今日は『とあるコメディ・テレビドラマ』の、
「顔合わせ」と、「台本の読み合わせ」があった。

朝10時にとあるテレビ局の一室に集合し、
キャストやスタッフの方々に挨拶を済ませると、
小道具係の方が俺に歩み寄って来た。

 「君の役の名刺を作らなきゃいけないんだが、
  この漢字であってるかな?」

差し出された紙を見ると、
ちゃんとした漢字で、俺の役名が記されていた。

 ・・・おおおおお、すげえ!
 ここまで準備できているのは、これまでで初めてだぞ。


・・・それもそのハズ。

なんと、今回のエピソードだけのために、プロダクションが
日本人の文化コーディネーターを雇っていたんだ。


   だから、日本語のセリフも、日本語の小道具も、

   なんとすべて、日本語で書かれてあるのだ・・・ッ!!!


 ・・・当たり前のように聞こえて、

   これって結構レアなんですぜ、ここでは。


とにかく、日本人のために、ここまでしてくれているのだ。
しっかりと仕事をこなして、恩に報いなければ。


・・・おっと、どうやらそろそろ「読み合わせ」が始まるようだ。
俺は自分の名前が書かれた席に腰を下ろした。

ギャラリーは、約30人。
殆どが撮影スタッフだ。

よーし。ギャラリーがいるんだから、
ちゃんと笑わせなきゃな。


読み合わせは、驚くほどスムーズに進んだ。
ジョークがビシビシ決まり、室内はドッと笑いにあふれた。

・・・こ、これは、気持ちいい!

そうだよ、これだよ。
やっぱコメディは、客の笑い声がなきゃ。

 良い仕事=ウケる

このシンプルで分かりやすい構造が、
映画にもあればなぁ。


読み合わせの後は、衣装合わせだった。

そして、ここでも例の「日本のファッション誌」が役に立った。

「へぇ、日本のスーツは、シャツをわざわざ袖口から見せるのね。知らなかったわ。
 ちょっと、この雑誌をお借りしててもいいかしら?
 あなたの髪を、ぜひとも長髪のままにしたいから、
 プロデューサーにこの雑誌をみせて、交渉してみたいの。
 長髪の方が、スーツがスタイリッシュに決まるから・・・」

もちろん快諾した。

俺だって、できれば髪の毛を短く切って欲しくない。

なぜって、「長髪のスタイリッシュな日本人ビジネスマン」は、
アメリカのテレビには、なかなか登場しない。
・・・つまりこれは、「新たな日本人像」を作り出す絶好のチャンスなのだ。


夜、新しいバージョンの台本が届いた。
よし。頑張ってセリフを覚えよう。

投稿者 ユウキ : 23:47 | コメント (5)

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