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2011年01月01日
新たなる決意
明けましておめでとうございます!
2011年、今年の目標は・・・
1、カットされない役を3つ取る!
上映時間の都合や、ストーリーの都合で
カットされないくらいデカい役を、何としても取ってみせる!
体重が減り次第、新しいヘッドショット(俳優の顔写真)を撮影し、
全力で主役級を取りに行く。
2、倉庫から脱出する!
ここ6年くらい、6畳くらいの倉庫(車庫)に住んでいたけど、もー限界だ。
冬は寒すぎて、勉強にならん。
夏は暑すぎて、勉強にならん
大体、外で風が吹いたら、室内のものが揺れるとか、
どう考えてもおかしいだろう!
車庫のシャッター部分に梱包用の「プチプチ」と
ダンボールを貼ってみたけど、ほとんど効果が無かった。
できるだけ早く、勉強に集中できる所に引っ越そう。
俳優を続ける上で何よりも大事なのは、勉強できる環境なのだ。
よーし、この一年も全力で走ろう。とにかく前へ!
2011年01月05日 死ぬ気で音読★2
その山を登れ
『アルプスの少女ハイジ』の絵本に付いて来た
「読み上げCD」を再生してみたら・・・イギリス英語だった。
おお・・・、懐かしい響き。
ここ最近アメリカ英語ばっかり聞いていたので、凄く新鮮だ。
よーし、一緒に音読しよう!
※ 音声の内容は、全く面白くありません。
・・・は、速すぎる!
読み上げCDのスピードが速すぎて、全く付いていけない!
音声ファイル (MP3形式、4分31秒)
・・・はぁ~、ため息が出る。
あまりにもレベルが違いすぎる。
最初の1ページでこれだけ打ちのめされるとは・・・
・・・でも、弱音を吐いてはいられない。
俺は最終的には、この読み上げCDよりも
上のレベルに行かなければならないのだ。
ありがたい事に、あと42ページもありやがる。
こりゃいい特訓になりそうだ。
おっしゃぁああ、やるぞぉおおおお!!!
2011年01月10日 テレビ
三者三様
マネージャーの「マイク」から電話が入った。
「ユウキ、今年初のオーディションだ!
テレビのファミリーコメディで、
一話だけに登場する、『ゲスト主役級』の役だ。
頑張ってくれ!」
おおおお、オーディションが入ったぞ!
2011年初のオーディションだ!
・・・しかも、「ゲスト主役級」だそうな。
という事はつまり・・・、「編集でカットされない」という事だ!
こ、これは何としても取りたい。
全力で頑張ろう。
よし、まずは衣装を揃えねば!
今回の役は日本人のビジネスマンなので、
日本のファッション誌を参考にするとしよう。
・・・ふふふ、実は前回日本に帰国した時、空港の書店で
「自分が逆立ちしても、絶対に買いそうに無い雑誌」
をあえて購入しよう、と思い付き、
買っておいたファッション誌が何冊かあるのだ。
・・・なになに、
袖丈はシャツが1CM見える長さがジャスト・・・、
ジャケットの着丈はヒップがギリギリ隠れる程度・・・、か。
よし。これをお手本にして、
仕立て屋さんに俺のスーツを仕立てて貰おう。
掛かった料金は・・・$50。
ぐ・・・、仕方が無い。
全ては「ゲスト主役級」のためだ。
うむ、これで衣装は揃った。
あとは・・・、「ジョーク」を決めれるかどうかが勝負だ。
『フルハウス』を始めとする「ファミリーコメディ」というジャンルは、
だいたい4行に一回ぐらいの割合で、ジョークが入っている。
ここで一番重要なのは、
「よい演技」ではなくて、「笑える演技」をする事だ。
ウケなければ、どんな名演技も役に立たない。
あらかじめ、このシリーズを視聴して、予習しておこう。
オーディション会場に着くと、
エントリーシートに名前を記入し、
待合室で自分の名前が呼ばれるのを待った。
結果は・・・55点
ジョークの成功率は、約4割。
しかも、思いきり日本語のセリフで噛んだ。
でも、間違えたことを表情に出さないで、何とか乗りきった。
オーディションを終えて、昼飯を食べていると、
マネージャーの「マイク」から電話が掛かってきた。
「ユウキ、今朝のオーディションのコールバック(2次選考)だ!
時間は今日の午後5時。場所はテレビ局。
頑張ってくれ!」
うおっしゃぁああ!!
2次選考に呼ばれたぞ!
俺は気合を入れ直すと、車に乗り込んだ。
2次選考の会場は、とあるテレビ局の一室だった。
俺はカメラの前の椅子に腰を下ろすと、シーンを始めた。
結果は・・・、65点。
ジョークの成功率は、約6割。
一応それなりにウケたので、ほっとした。
自分としてはベストを尽くしたので、悔いは無い。
・・・さあ落ちた!次へ行こう!
今年はオーディションが増えるといいなぁ。
2011年01月12日 テレビ
白バージョン
一昨日オーディションに行った
「コメディテレビドラマ」のキャスティングから、
俺が「ゲスト主役級」としてキャストされた、との連絡があった。
撮影は来週1週間だそうだ。
・・・いやっほおおおおッ!!!
役取ったぞぉおお!!!
しかも、「編集でカットされない役」を取ったぞぉおおお!!!
・・・いや、さすがに今回こそは、カットされないと思う。
だって俺をカットしたら、ストーリーが成り立たない。
夜、届いた台本をめくると、
キャストの欄に、自分の名前があった。
・・・しかも、シリーズレギュラーのすぐ下だ。
おおおお、この位置なら・・・カットされ無さそうだ!
精一杯、死ぬ気で頑張りますんで、どうかカットしないで。お願い、ヤメテ。
2011年01月14日 テレビ
本番前の本番
今日は『とあるコメディ・テレビドラマ』の、
「顔合わせ」と、「台本の読み合わせ」があった。
朝10時にとあるテレビ局の一室に集合し、
キャストやスタッフの方々に挨拶を済ませると、
小道具係の方が俺に歩み寄って来た。
「君の役の名刺を作らなきゃいけないんだが、
この漢字であってるかな?」
差し出された紙を見ると、
ちゃんとした漢字で、俺の役名が記されていた。
・・・おおおおお、すげえ!
ここまで準備できているのは、これまでで初めてだぞ。
・・・それもそのハズ。
なんと、今回のエピソードだけのために、プロダクションが
日本人の文化コーディネーターを雇っていたんだ。
だから、日本語のセリフも、日本語の小道具も、
なんとすべて、日本語で書かれてあるのだ・・・ッ!!!
・・・当たり前のように聞こえて、
これって結構レアなんですぜ、ここでは。
とにかく、日本人のために、ここまでしてくれているのだ。
しっかりと仕事をこなして、恩に報いなければ。
・・・おっと、どうやらそろそろ「読み合わせ」が始まるようだ。
俺は自分の名前が書かれた席に腰を下ろした。
ギャラリーは、約30人。
殆どが撮影スタッフだ。
よーし。ギャラリーがいるんだから、
ちゃんと笑わせなきゃな。
読み合わせは、驚くほどスムーズに進んだ。
ジョークがビシビシ決まり、室内はドッと笑いにあふれた。
・・・こ、これは、気持ちいい!
そうだよ、これだよ。
やっぱコメディは、客の笑い声がなきゃ。
良い仕事=ウケる
このシンプルで分かりやすい構造が、
映画にもあればなぁ。
読み合わせの後は、衣装合わせだった。
そして、ここでも例の「日本のファッション誌」が役に立った。
「へぇ、日本のスーツは、シャツをわざわざ袖口から見せるのね。知らなかったわ。
ちょっと、この雑誌をお借りしててもいいかしら?
あなたの髪を、ぜひとも長髪のままにしたいから、
プロデューサーにこの雑誌をみせて、交渉してみたいの。
長髪の方が、スーツがスタイリッシュに決まるから・・・」
もちろん快諾した。
俺だって、できれば髪の毛を短く切って欲しくない。
なぜって、「長髪のスタイリッシュな日本人ビジネスマン」は、
アメリカのテレビには、なかなか登場しない。
・・・つまりこれは、「新たな日本人像」を作り出す絶好のチャンスなのだ。
夜、新しいバージョンの台本が届いた。
よし。頑張ってセリフを覚えよう。
2011年01月17日 テレビ
アンテナを張って
今日からいよいよ「とあるコメディドラマ」のリハーサルだ。
テレビ局の立体駐車場に車を停めて
まずは向かった先は『衣装部』だ。
大きな鏡のある部屋で、俺が持参したスーツ3着と、
衣装部が用意したスーツ3着を着比べてみる。
「・・・次は、このシャツ、このネクタイ、
このスーツでお願いできるかしら。
うん、・・・これも悪くない組み合わせね。」
衣装部が用意したスーツやシャツからは、
目ン玉が飛び出そうな値札がぶら下がっている。
うぉおおおおお、これが人間が着る物の値段なのか!?
約30分間の衣装合わせが終わると、
スタジオ内のセットでリハーサルが始まった。
役者もスタッフも、それぞれ台本を手に持ち、
シーンを一つずつ通していく。
格好は、みんな普段着のままだ。
リハーサルは・・・実になごやかな雰囲気で進んだ。
ジョークが決まるたびに笑い声があふれ、
映画の撮影の時のような張り詰めた感じは全くない。
こういったシリーズ物は、年単位で撮影が行われるので、
スタッフはみんな撮影に慣れてるし、もう家族同然なのだろう。
家に帰り着くと、心地よい疲労感を感じた。
さあ、明日も頑張ろう!
投稿者 ユウキ : 23:44
2011年01月18日 テレビ
カゴの中のドラマ
とある「コメディドラマ」のリハーサルは朝10時からだった。
今日はいつもの立体駐車場が満車らしく、
一番遠い駐車場に車を停め、
10分ほどテレビ局の敷地内を歩いてスタジオへと向かった。
今日もまずは、台本の流れに沿ってシーンを通していく。
基本的には、昨日と同じ流れだ。
・・・でも、ここからが違った。
リハーサルが一通り終わると、
セットの正面に、いくつかの椅子が運ばれてきた。
「これから、プロデューサーと脚本家への発表会を始めます。」
・・・来た!
思い出した。
このジャンルでは、収録まで毎日「発表会」があるんだった。
その発表会での演技の出来次第で、
その役者のセリフが増えたり減ったりするんだ。
・・・ギャラリーの数は約30人。
緊張で口の中が乾いているのを感じる。
こりゃ完全な舞台だ。
堂々と演じきらなければ。
俺の出来は・・・60点。
ジョークはそれなりに決まっていたけど、
最後のオチが中途半端な決まり方だった。
ここは本来、もうちょっとウケるはずなのだ。
明日は「テレビ局のお偉いさん方」への発表会がある。
・・・明日こそは決めてみせる。
うちに帰ったら、もう新しい台本が届いていた。ぎょえー
投稿者 ユウキ : 23:20
2011年01月19日 テレビ
控え室のドラマ
今日のリハーサルは、午前11時からだった。
まずは昨日の夜に届いた新しい台本を見ながら、
それぞれのシーンを2回ずつ通してみる。
・・・セリフが変わった事で、
シーンの流れも微妙に変わってきている。
ジョークのタイミングを逃さないように気をつけなければ。
1時間のお昼休みを挟んで、
午後1時から3時まで、更にリハーサル。
今日はこの後に「テレビ局のお偉いさん方」への
発表会が予定されているし、明日はもう「事前収録」なので、
実質的には、これが最後のリハーサルなんだ。
セットの正面に椅子が設置され、
辺りに緊張感が漂いはじめた。
・・・さあ、お待ちかねの発表会だ!
は、速いッ!セリフの流れが速いッ!!
どういうワケか、みんなリハーサルの2倍近いスピードだ。
なんでいきなりスピードアップしたんだ?
昨日の発表会ではこんなに速くなかったぞ。
・・・な、なんとか頑張った。
俺自身の出来は・・・、70点だ。
今日はラストのオチがきれいに決まり、
20秒くらい笑いが続いた。・・・ほっ。
午後8時、収録用の台本が届いた。
・・・いよいよ明日か。 よし、読もう。
2011年01月20日 テレビ
まな板の上の蛇
今日はコメディドラマの「事前収録日」だ!
本来、コメディドラマは、実際に観客の前でライブで演じて
その生のリアクションを録音するものだ。
しかし、「公開収録」は明日1日だけなので、
その時間内で全てを収録するのは難しい。
そこで、明日撮り切れない分を、
今日のうちに収録してしまおうってワケだ。
集合時間は朝8時半。
まずは収録ステージへに集合し、
「立ち位置」を決めるため、一度さらっと台本を通した。
それが終わると、次はヘアメイクへ。
「・・・あなた、それ本物?」
『指揮者』の方が、俺の天然の「グルグル髪」を
不思議そうに眺めながら聞いた。
「ええ、そうですが。」
「へえ、日本人はみんな直毛じゃないの?」
「いえ、僕みたいに天然パーマの人もいますよ」
「へえ、そうなのね。でも今回はストレートよ。」
「・・・え?」
「だって、私を含めアメリカ人の視聴者は
『日本人=直毛』 だと思っているの。
あなた自身は天然パーマだけど、
あなたのキャラクターは、画面に登場した瞬間から
視聴者が『日本人だ!』と思わなきゃ成立しないから、
演出の都合上、今回はストレートににさせて貰うわ。」
・・・い、イヤな予感。
それはまさか・・・、
まさか・・・、
ぎぃゃぁあああああああああああああ
焼きゴテみたいなもんで、
髪の毛をストレートにされたぁあああああああ!!!
「さあ、次は眉毛よ。」
・・・え"
「眉毛をキレイに整えるわよ。
テレビだから、清潔感を出さなきゃ。
絶対に動かないでね。」
うんぎゃぁああああぁぁぁあああああ
俺の眉毛に触るなぁぁああああああ!!
・・・人体改造を終えて、ステージに戻ると、
日本人のコーディネーターの方から
指を指されて笑われた。うううう・・・
ああ、髪の毛がサラサラしてて気持ち悪い。
・・・ああ、気持ち悪い。キモちワルい!
似合わなイ!おレ、ストレート、似合わなイ!!!
・・・もう駄目だ。観念した。
大人しく、自分の演技だけに集中しよう。
俺はスーツに着替えると、収録現場へと向かった。
そして・・・、とうとう収録が始まった!
驚いた事に、ペースが昨日より遅い。
・・・もの凄く遅い。
俺のシーンは特にゆっっっくりだ。
というのも、俺が日本語のセリフを喋っている間は
「英語字幕」をつけるので、
その時間を確保しなきゃいけないのだ。
ぐたいてき には、、 この ぶんしょう を、、
じゅうびょうかん かけて、、
よむ くらい、、 ゆっくりの、、 ぺーす です。。
自分ではかなり大げさになってしまった気がしたけど、
このジャンルは、それぐらいが丁度いいらしい。
収録は恐ろしくスムーズ進み、
なんと昼休みの前に終わってしまった。
監督は大喜び
キャストも大喜び。
俺も大喜び。
夜、明日の公開収録用の台本が送られてきた。
さあ、明日も頑張ろう。
投稿者 ユウキ : 23:22
2011年01月21日 テレビ
奮闘キノコマン
「とあるコメディドラマ」の公開収録日がとうとうやってきた!
集合時間は午前11時半。
俺はまず、私服のままで収録スタジオへと入り、
「カメラの切り替え」のリハーサルを行った。
それが終わると、俺はメイク室へ。
「さあ、今日も真っ直ぐにするわよ!」
ぎゃー
・・・昨日の収録後にシャワーで戻した天然パーマが、
またもストレートのおかっぱ頭に・・・。
だ、駄目だ。どうしても慣れない。
次は、メインキャストによる「事前収録」だった。
自分の事前収録は昨日のうちに終わっているので、
俺は少し離れたところから、収録の様子を観察する事にした。
・・・モニター越しに見るその映像は、
まるで・・・テレビ番組のようだ。
午後4時になった。
公開収録がスタートするまであと1時間。
収録スタジオにはもう観客が入っているので、
キャストはメイク室に集まって、最後の「セリフ通し」を行った。
そして・・・午後5時。 開演の時間だ。
収録スタジオからは、大音量のダンス音楽と、
割れんばかりの歓声が聞こえる。
・・・なんともはや、ただ事ではない盛り上がり方だ。
まるでパーティーだ。これが・・・「公開収録」か!
「カメラのこちら側」は、8人。
「カメラの向こう側」は・・・、
・・・たっくさん。
そして、いよいよ公開収録が始まった・・・!
それは・・・、未知の世界だった。
自分の出番は、比較的アトの方だったので、
俺は他のベテランキャストが観客の前でどう演技するのかを
客席の横から観察していたのだが・・・
・・・セリフが、毎テイクごとに変わるのだ!
テイクが終わる度に、4人の脚本家と
「指揮者」の方が、モニターの前で
頭を突っつき合わせて緊急会議を開く。
「ここのセリフは、もうちょっとウケる
ジョークに変えれないかしら。」
「・・・じゃあ、こんなのはどうかな。」
「ここのセリフも、こういう感じに変更しましょう。」
「・・・いいね、次のテイクで試してみよう。」
そして、そのうちの一人が役者の所へやって来て、
その場で、セリフの変更を告げる。
「君のここのセリフだけど、
今は『~~~』って言ってるけど、
次のテイクでは『~~~』って言ってくれ。
ここのセリフも、次はこんな感じで言ってくれ。」
・・・じょ、冗談だろ。
これって、つまりはリハーサル無しの、「一発本番」じゃないか。
セリフを丸暗記して演ずるだけじゃ、絶対に対応できない。
果たして俺は、上手くやり過ごせるのか・・・
俺が気をもむうちにも収録は進み、
観客席のモニターでは、昨日収録したシーンが流れだした。
・・・おお!ウケてる!!
ウケてる!観客が俺のシーンで笑ってる!!
少しずつ勇気が沸いて来た。
次はいよいよ俺のシーンだ。
さあ、覚悟を決めよう。
・・・まずは、リハーサル通りに一度。
よし!ウケた!
・・・でも、本番はここからだ。
「ユウキ、次はこんな感じでやってみてくれ。」
来た・・・!さあ、行くぞ。
・・・よっしゃぁ!ウケた!
ここまでは何とかクリアだ。
監督がまたも俺に歩み寄る。
・・・俺は、自分の耳を疑った。
「・・・ユウキ、次のテイクなんだが、
『~~~』と、完璧なアメリカ訛りの英語で言ってくれ。
おそらく実際の放送には使わないと思うけど、
今日の観客を、とびきり驚かせてみたいんだ。」
え・・・、えええーーーッ!!
「完璧なアメリカ訛り」だと!?
日本人の役なのに!!
どどどどどどど、どうしよう!
そんな準備はしてないぞ!
・・・落ち着け!大丈夫だ。できる!
これまで音読してきた事を思い出せ!
迷ってるヒマはないぞ。一発本番だ。
さあ、胸を張って、堂々とやろう。
・・・。
気になる観客の反応は・・・、
大 爆 笑
床が震えるほどの笑い声がステージ内を満たした。
うおっしゃあぁぁあぁぁああああ!!!!
監督は大喜び!
俺も大喜び!
収録が終わったのは午後9時だった。
カーテンコールで観客の前に出ると、
大きな拍手が迎えてくれた。
観客の生の笑い声を浴びる事ができて、俺は幸せだ。
ああ、出演できて、本当に良かった。
髪型はキモチ悪いけど。
投稿者 ユウキ : 23:32
2011年01月26日 演技全般
俳優の名刺
麦飯と野菜のおかげで8キロの減量に成功したので、
新しいヘッドショット(顔写真)を撮る事にした。
マイク「ユウキ、今の君のヘッドショットに足りないのは
『主役級のスケール感』だ。
君はこれまで『ラスト・サムライ』、『硫黄島からの手紙』、
『ピンクパンサー2』など、大作に出演してきた。
そしてその殆どが、オーディションによるものだ。
・・・でも、君も良く知ってる通り、ハリウッドでは
全ての役がオーディションで決まるワケじゃない。
大抵の場合、監督やプロデューサーは、
『ウィッシュリスト』と呼ばれる、
『この役はこの人に演じて欲しいなぁ』というリストを
持っていて、まずはその人にコンタクトを取る。
そして、そのリストが何らかの理由で叶わない時に
初めて主役級のオーディションが催されるワケだ。
君にはその時に、監督やプロデューサーに
『この人になら、主役級を任せられる!』と、
思わせる事ができる、そんなパワーを秘めた
ヘッドショットを持っていて欲しいんだ。
・・・『主役級のスケール感』を醸し出している
ヘッドショットを持っていて欲しいんだ。」
うーむ、そこまで言われたら撮るしかない。
さて、目の肥えたスタジオの監督やプロデューサーを
説得できる写真を撮るには、やはり「超一流の写真家」が必要だろう。
でも、超一流の写真家を雇うには、金が掛かるんだよなぁ・・・
・・・くっ、仕方が無い。主役級を取るためだ。
テレビの「ゲスト主役級」で稼いだ金を突っ込もう。
プロによるヘッドショット撮影費 $600
プロによる写真撮影用メイク $160
たけぇえええええええっっっ!!!!!
通常の2倍の値段設定だ。
全ては主役級のためだ。がまんガマン・・・・
朝の8時半に撮影スタジオに入り、
1時間かけてプロのメイクさんにメイクして貰った。
4年ぶりに再会した写真家のポールは、俺を見るなり言った。
「・・・なんかさ、4年前より少し若返った?
4年前の方が老けてたような気がするんだけど。」
・・・ヒゲを剃ったからじゃないか?
撮影に入る前に「スケール感を持ったヘッドショットを撮る」という
今回の趣旨を説明し、お互いの意識をすり合わせ、いよいよ撮影を開始した。
■映画・TV用メイン
これからメインで使っていくヘッドショットだ。
しばらくは、この写真にお世話になる。
・・・たのんまっせ!
■心が揺れ動く男
感情が左右されやすいような役を
取りに行く時のヘッドショットだ。
■意思が強い男
強い芯を持った役を取りに行く時に使う。
■悪役
んまあ怖い。
■ビジネス系 メイン
ビジネス系の役を取りに行く時のメインの写真だ。
■読めない男 (ビジネス)
腹の中で何を考えているのか
分からないような役を取りに行く時のヘッドショットだ。
■おまけ
・・・マネージャーのマイクは大喜び。
「素晴らしい!このスケール感なら、主役級が取れる気がする!」
よーし! 今年は取るぞ、主役級!
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