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2009年08月15日 とある映画その3
熱帯雨林からの贈り物
今日も、撮影本部に来ている。
元々、週末は休みの予定だったらしいんだけど、
例の「特殊装置」やら、何やら、
いろいろな事情が重なり、スケジュールが押しているので、
当初の予定を変更して、今日(土曜日)も撮影する事になったそうだ。
・・・でも、今日の撮影に俺が必要かどうかは、まだ分かっていない。
それなのに撮影本部に来ているのは、
「もしもの時」に備えているからだ。
必要かどうかが判明し、それから呼び寄せていては、
貴重な時間を、更にロスしてしまう。
それよりも、とりあえず俳優を撮影本部まで来させておいて、
待機させておく方が得策なのだ。
メイクを済ませ、衣装に着替え・・・、あとはひたすら待機。
・・・もちろん、何もしないのでは時間がもったいないので、
キャストはそれぞれ、持参した本を読みふけっている。
俺は・・・「辞書」を読む事にした。
持参したバックパックから、「辞書ケース」を颯爽と取り出す。
・・・ハンドメイドの素朴なボディが、鈍い光を放つ。
俺は、その無骨で庶民的な「茶色のハコ」から、
ゆっくりと、なめらかに「マイ辞書」を引き出した。
おお なんという 実用性。
もう人類は、「辞書のカド」が磨り減る心配をしなくても良いのだ。
++ 数時間後 ++
待機所で辞書を読みふけっていると、スタッフの方より連絡があった。
・・・どうやら俺は必要無かったようだ。
さあ、宿泊先に戻ろう。