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2009年08月06日 とある映画その3
鏡の中の摩天楼
プロダクションの方より連絡があり、
今日予定していたシーンの撮影が、
来週の月曜日に変更された事が伝えられた。
「でもユウキは、『ヘアメイクの調整』があるから、
現場の方まで来て貰えるかしら。」
なんでも、俺の髪が、前回の撮影時から比べると
かなり伸びているので、それを元の長さに「調整」するんだそうな。
・・・これは良いチャンスだ。
せっかくなので、是非とも撮影現場を見せて貰って、
セットの雰囲気に慣れておこう。
俺は指示に従い、ホテルの脇に泊まっていた、
スタッフ送迎用の白いライトバンに乗り込んだ。
ライトバンは、ビルの群れを抜け、古風な駅の脇を通り過ぎ、
開けた駐車場に設置された、撮影本部へと向かった。
撮影本部の入口には、制服姿の警備員が立っていて、
部外者が勝手に入らないよう、周囲に目を光らせていた。
「さっそく、ヘアメイクの調整からお願いね。」
スタッフの方に促され、俺はメイク部の「トレーラー」へと直行した。
この「トレーラー」というのは、大型トラックの「コンテナ」の事だ。
もちろん、撮影用の特別仕様の「コンテナ」なので、
中には、一流のメイクに必要な装備が、すべて揃っている。
シャンプーもできるし、クーラーだって付いてる!
「メイク専用のキャンピングカー」と言った方が、適当かもしれない。
・・・現場には、他にも、
「衣装用のトレーラー」
「キャスト用のトレーラー」
「トイレ用のトレーラー」
などが停まっていて、それぞれ移動できるようになっている。
ロケ地によって、「撮影現場」が移動するので、
「メイク室」や「キャスト控え室」も、
合わせて移動できなきゃならないのだ。
さて、話を元に戻そう。
・・・えーと、なんだっけ。 ・・・ヘアメイクの調整。そう!
ヘアメイクの調整を終え、
俺は撮影現場を見学させて貰うために、セットへと向かった。
邪魔にならないよう、外まきに現場の様子を伺う。
熱い! ・・・もとい、暑い!
照明によって熱された空気が、セットに充満している。
・・・こりゃあ、タフな撮影になりそうだ。
スタッフの方々に挨拶を済ませ、俺は現場を後にした。