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2009年05月19日 とある映画その3
黒の海で立ち泳ぎ
・・・キャストされてから、あっという間に2週間が経った。
でも、「作業」は相変わらず手探り状態だ。
なにせ、まだ「設計図」を貰っていないので、
自分の作品内での「位置付け」すらも、さっぱり分からない。
とにかく、今の俺にできるのは、
必要な「知識」を学び、「体力」を付ける事だ。
・・・という事は、「運動」か。
運動は・・・、大の苦手だ。
大きいのは、「声」と「身体」だけ。
まず足が遅い。長距離走ではビリから数えた方が早い。
反射神経は、にぶい、のろい。
スタミナは無い、すぐに息が切れる。
球技は下手、コントロール皆無。
サッカーをすれば、フィールド上では邪魔になるので、
デカい身体が唯一役に立つ「キーパー」に回され、得点され、
野球では、打席に立った瞬間に「ワンアウト」と換算されるのが、俺だ。
うう、大丈夫か・・・
・・・でも、まあ、これは「俺自身」の話だ。
俺自身が運動が苦手でも、それは、どうでもいい話なのだ。
今、「俺の身体」は「俺の身体」ではないのだから。
さあ、演技のために必要な行動を取ろう。
まず、「心肺能力」と「下半身」を徹底的に鍛えて、
運動不足でブヨブヨの身体を絞り上げるため、
毎日「2時間」走る事にした。
入念にストレッチをした後で、
走って、走って、走りまくった。
親指の付け根にある、
「拇指球(ぼしきゅう)」を使っての重心移動を心がけていたら、
そこの皮がベロッと剥けそうになったので、テーピングを施した。
・・・よし。いい感じだ。だいぶ身体が引き締まってきた。
もちろん走るだけではない。
専門書を参考に、必要な筋力も付ける。
どこまでやれるか、それは分からない。
とにかく、限られた時間の中で、全力を尽くそう。