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2009年03月25日  映画「ピンクパンサー2」

ダブルエスプレッソ

さあ、今日も1日頑張ろう!


ホテルのロビーで「配給会社の方」と待ち合わせ、
本社に移動し、お世話になる社員の方々にご挨拶を済ませた。

 「松崎さん、吹き替えの件ですけど・・・」

とある方が、話を切り出した。

 ・・・そうだ、吹き替え版だ!

俺は、「本当にタダでいいので、日本語吹き替えを、自分でやらせて下さい!」
と、もう2ヶ月も前からお願いしていたんだ。


 「・・・実は、飛行機の機内上映用の日本語吹き替えが、
  もう終わってるみたいなんです・・・」


んがーーーーーーーーんっ!しょーーーっく!
イタタタタタタ・・・

DVD用に録り直すかは、DVD版の配給元が違うので、
まだちょっと分からない、との事。

日本は世界最高の声優王国だ。本物の「声のプロ」がたくさんいる。
だから、クオリティに関しては、全く心配いらない。

ただ、やはり、「自分の日本語の声」は、自分で当てたかった・・・。

一度、アメリカの配給会社に持ち帰り、
そこから、「DVD版の配給会社」に再アプローチを行う事になった。


さあ、気を取り直して頑張ろう!


「宣伝チーム」の方々にご挨拶を済ませ、
今日の取材形式に関する説明を受けた。

基本的に、取材は2つの部屋を交互に移動する形式で行うらしい。
一方で取材を受ける間に、もう片方で準備をする、というわけだ。


一同、皆様の取材をお待ちしております!



よし、気合を入れよう。


まずは、SANKEI EXPRESS(サンケイエクスプレス)の
記者の方より、取材を受けた。
スラッとした長身の方で、ビシッとスーツを着こなしている。

SANKEI EXPRESSを一部テーブルの上に広げ、
どのような出版物なのか、簡単に説明して下さった。

それから、1時間弱、色々なお話をした。

・・・さすがはプロの記者の方、質問が的確で、実にわかりやすい!
もしも俺が記者を演ずる事になったら、是非この方を参考にさせて頂こう。

朝一番だったにも関わらず、話は大いにに盛り上がり、
時間はあっという間に過ぎ去ってしまった。


終わり次第、もう一方の部屋に移動し、
間髪入れずに次の取材が始まった。

次は、eiga.comのお二方だ。

うち一人は、映画ライターの佐藤睦雄さんだった。

ムツオさんは、「硫黄島」の時にも取材をして下さった方で、
電話ではお話しした事があったけど、
実際にお会いしたのは初めてだった。

実は、今回の「ピンクパンサー2」も、
日本で一番最初に気付いたのがムツオさんだった。

まだ日本では全く報じられていなかったのに、

 「ピンクパンサー2、ご出演決定おめでとう!」

とメールが来て、死ぬほど驚いた。
さすがは映画情報のプロ、おそろしや・・・・・・

取材は、映画の裏話から、ムツオさんの大好きな
イーストウッド監督まで多岐に渡り、大いに盛り上がった。

ムツオさんとは、明日、おでんを食いに行くのだ。


eiga.comの取材が終わると、「オフィシャル映像」の撮影に入った。
俺が一人で、カメラに向かって映画の紹介をするんだ。

 「ピンクパンサー2に、出演させて頂いた松崎悠希です!
  天才ハイテク捜査官ケンジとして、
  メインキャストとして出演しています!ぜひ劇場にてご覧下さい!」

という感じで、映画を紹介した。


それが済むと、配給会社の「田中さん」に、昼食に連れて行って頂いた。
食券を購入したあと、大きなテーブルの片側に座り、
注文した料理が来るのを待った。

うーむ、美味い!

なんと、この食堂では「付け合せ」が無料で、しかも取り放題なのだ!

まだ先が長いので、食べ過ぎないよう気をつけた。


配給会社に戻ると、「記者会見」のために
記者の方々が、続々と集まって来ていた。

それぞれ、名刺を受付に提出し、
記者会見が行われる大会議室へと入って行く。

 「予想以上に集まってますね!」

宣伝チームの方々も、驚いている。


なんでも、今日集まっている記者の方々は全て、
「記者用の試写」を観た上で、取材を申し込んでいるのだそうだ。

俺みたいな奴を取材してくれるなんて・・・、嬉しい。

せっかく来てくれたんだ、がっかりさせないよう、俺も頑張ろう。


 「うにゃにゃにゃ、ニャオーン!」

わざわざ駆けつけてくれたピンクパンサーにネコ語で挨拶を済ませ、
いよいよ、記者会見が行われる会場へと足を踏み入れた。



集まって下さった記者の方々にご挨拶をして、
今日の「主役」を、英語で会場内に招き入れた。



記者会見は、まずは簡単な自己紹介から入り、
自分の役どころ、映画の見どころ、
撮影中の裏話などを、できるだけ簡潔に話した。



俺は「記者会見」とは、もっと無機質なものだと思っていた。


・・・ところが、驚いた事に、記者の方々は、
俺の話に一々うなずいてくれるのだ!

ニッカンスポーツの記者の女性は、
なんと「相づち」まで打ってくれる!フレンドリーなのだ!


一通りお話しした後で、実際のオーディションテープを鑑賞した。



終わりの時間が迫ってきたので、
最後に「隠しダネ」として、「例の新聞」を紹介した。


映画のオープニングで、「日本の刀」が盗まれる。
台本では、そこで「日本の新聞」が登場するはずだった。


 「日本の新聞」か。大丈夫かな・・・。


心配になった俺は、美術部を尋ね、その新聞を見せて貰った。
そこで見た「日本の新聞」を、忠実に再現したのが、こちらだ。



「刀」が「盗難」されたので、「刀、盗難!」となっているのだが、
・・・ちょっと、ズレてしまったのだ。


これを見た瞬間、記者の方々は、みんな揃ってずっこけた。


 「ええー、」
  「うそー、」
   「これは・・・、」


・・・でも、これを最初に見た時の俺自身の反応は、もっと好意的だった。

だって、美術の人の「努力の跡」が見えるじゃないか!

「日本語」で、しかも「意味が正しい」というだけで、実は結構凄い事なんだ。

例えば、この前撮影したテレビシリーズで、
小道具の方から渡された「名札」には、

  名前:6月ササコ語

と、書かれてあった。

・・・それに比べたら、
新聞が日本語で書かれている。それだけで素晴らしいじゃないか!


・・・でも、もしも日本の観客がこの新聞を見たら、きっとみんなずっこける。
オープニングのシーンなのに・・・


このままではマズイ。


「新聞のシーン」の撮影は3週間後だ。
誰かが、なんとかしなければならない。

・・・しかし、これは機密事項だ。
外部の人間には頼む事ができない。ということは・・・


 よし、やるか。


俺は一念発起し、撮影中にも関わらず、
培ってきた「小道具作り」の技術を全て注ぎ込み、
2週間で、2部の新聞を作って、美術部に提供した。


それが、こちらの2つだ。

スポーツ紙の高解像度版 (.zip 2.0メガバイト)
一般紙の高解像度版   (.zip 1.7メガバイト)


「ほおー!」
 「おおー!」
  「すごい!」


記者の方々が、感動してくれた。嬉しい。

ニッカンスポーツの記者の方が、
「スポーツ紙」を手にとって言った。

 「すごい!レタリングはバッチシ!」

本職にほめられた!うれしいいいいいい!!!

 「・・・でも、『流し』が甘いっ!!」

がーーーん。


・・・ショックだ。「流し」という言葉の意味が分からない。


最後に、この新聞の登場シーンが
編集でカットされた「オチ」をお話しして、共同での写真撮影に移った。



ポスターの前で、ピンクパンサーと、色々なポーズを取った



こうして、「記者会見」は終わった。
・・・果たして、これで良かったのだろうか。


さあ、次に行こう!


次は、読売新聞の記者の方から取材を受けた。

俺が記者会見で暴走したせいで、少し時間が遅れてしまった。
ただでさえ30分しかないのに・・・ごめんなさい!

20分ちょっとの間、一生懸命お話した。
・・・もうちょっと時間があれば!


続いて、「八雲ふみねさん」という方から、
動画インタビューを受けた

カメラを設置し、マイクをつけて、
「ふみねさん」と10分ほど、お話した。

「ふみねさん」も、「カメラマンの方」も、とてもフレンドリーだった。


その後、「KITSCH(キッチュ)」の方々から、
動画インタビューを受けた。

カメラの前で、30分間にわたり、
「ピンクパンサー2の見所」と、
「ハリウッドにおける日本人」のお話をした。

なんと、記者の方も、その昔「子供英語劇」をやっていたそうだ!


続いては、「女性自身」の取材だ。

 「なんか、凄く気合が入っているんですよ!」

配給会社の方が、俺に教えてくれた。


・・・一体どういう事だろうか。


話し始めて、すぐに謎が解けた。

・・・なんと、この声のカッコいい、堂々とした記者の男性は、
俺の日記を最初から最後まで、読破していたのだ!!

それも、ただ読んだだけではなく、「完全に」読まれていた!

 女性自身・・・おそるべし。

記者の男性にも在米経験があったので、
話は弾みに弾み、1時間は一気にすっとんでしまった。

楽しかった!


陽が沈み始めたぞ。気合を入れろ!


続いて、「Pause(パウゼ)」のライターの方より取材を受けた。

15分間という限られた時間ではあったけど、
「キャラクターの変遷」や、「撮影現場の裏話」などをお話した。

時間が短かったので、少し早口になってしまったけど、
ライターの方が、喜んで話を聞いてくれて、嬉しかった。


続いて、「ぴあ」の記者の方々より、取材を受けた。

まずは会議室で、2人の記者の方々と20分間ほどお話した。
お二人とも、真剣に話を聞いて下さった。

そして、すっかり陽の暮れた窓辺で、写真撮影をした。

俺は、一生懸命「映画俳優っぽいポーズ」をとってみた。
でも、きっと駄目だろう・・・。


最後に、「キネマ旬報」のライターの方より、取材を受けた。


 「次はキネマ旬報(じゅんぽう)です。」


・・・「キネマ旬報(じゅんぽう)」と聞いて、俺は愕然とした。

だって、これまでずっと、キネマ「しゅんぽう」と呼んでいたのだ!

「キネ旬」は、「キネしゅん」ではなく、「キネじゅん」だったのだっ!!!


30分間の予定だったけど、ライターの方が
「もっとお話を聞きたい」
とおっしゃって下さったので、
ラストという事で、1時間以上に渡ってお話した。


 「硫黄島の時点で、社内で
  『誰だこの演技が上手い人は!』
  と話題になっていたんです。
  だから、ピンクパンサー2の話を聞いた時、
  『やっぱりな!』 と、思いましたよ。」


・・・俺は嬉しすぎて、泣きそうになった。


これからも頑張ります!


1日が終わった。

ずっと喋っていたので疲れた。でも・・・本当に楽しかった。


配給会社の方に夕飯をごちそうになり、
生まれて始めて「もんじゃ焼き」というものを食べた。

もんじゃ焼きは、「薄いお好み焼き」ではなかったのだ。


うんめー、


ご好意で、今日は配給会社の方の所に、泊まらせて頂いた。

ご夫妻に用意して頂いた枕が、低反発のフニョフニョした奴だった。

通信販売でしか見たことが無かったけど、
寝心地は最高だった。


さあ、明日も1日頑張ろう!

投稿者 ユウキ : 23:53

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