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2008年04月14日 オーディション
前向け前
朝8時、電話が鳴った。
「ユウキ、オーディションだ!
今回は行くのは、
テレビシリーズの準スターで、宝石商の役だ。
時間は、今日の午後3時。
台本はメールで送るよ。
頑張ってくれ!」
よっしゃ。オーディションがまた入ったぞ!
俺はベッドから飛び起きると、
いそいそと台本を印刷し、早速勉強に入った。
・・・まずは台本を読み、理解し、
このテレビドラマの過去のシリーズを視聴して
番組の雰囲気を掴む。
次に、セリフを覚えながら、
宝石商の役に合った衣装を選んだ。
・・・くそ。時間が無い。間に合うかな。
俺は車に飛び乗ると、
何でも$1で買える「$1ショップ」を大急ぎで巡り、
シーンの中で使う宝石類を買い入れた。
よし。こんなもんだろう。
オーディション会場にて、俺はいつに無く緊張していた。
前回の「どハデな」の役もそうだったが、
今回の「宝石商」も、「日本人の役」ではない。
「日本人である必要性が全く無い役」なんだ。
・・・つまり、「日本人だから英語が下手」という言い訳が
通用しないわけだ。
しかも、急なオーディションだったので、
俺はセリフは覚えたものの、
宝石商に関する知識が全く無い。
セリフに後ろ盾が無いから軽い軽い。
雰囲気だけでやるしかない。
「・・・次は、ユウキさん。どうぞこちらへ」
いよいよか。
俺は室内に入り、カメラの前で、
キャスティング補佐の女性とシーンを始めた。
「どうも、ありがとうございました。」
終わった。出来は35点だ。
・・・はあ。
「アメリカ人の役」だと、
「英語が話せて当たり前」
というのが前提に来て、
それ以上に演技が求められる。
俺はその前提がまだクリアできないので、
一気に自信が無くなってしまう。
・・・これが日本語なら、宝石商についても
少しは調べる事ができたかもしれないのに。・・・くそ。
今更嘆いても始まらない。
より一層気合を入れて勉強しよう。
小学校の「科学」の教科をすっかり忘れていたので、
もう一度小学3年生に戻って、勉強し直しだ。
約700ページの化物みたいな教科書だ。
そりゃ小学6年生が「成層圏」だの「対流圏」だの知ってるはずだ。
気合入れろ!! 頑張るぞおおお!!!