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2008年01月14日 映画「硫黄島からの手紙」
砂漠へ
テレビ向けに映画「硫黄島からの手紙」を
英語で吹き替えすると聞いたのは、先月だった。
俺は自分の役「野崎」でオーディションに行った。
今回の英語版の収録に、クリント監督は一切関わっていない。
吹き替え専用のスタッフが、全てを担当している。
自分の役でキャストはされたものの、俺は正直迷っていた。
自信が無かったからだ。
自分が日本語で表現したものを、
英語で再現できるのだろうか?
俺は自分の英語力がまだそのレベルに達していないと、分かってるんだ。
・・・ただ、役柄の理解度では、確かに自分が一番だと思う。
声も本人なのだから、完璧だ。
あとは・・・、英語の演技か。
このプレッシャーを打ち破るべく、俺は死ぬ気で練習した。
セリフは完全に覚え、タイミングも完璧に合わせ、収録に備えた。
いよいよ収録当日。俺はサウンドブース内に入った。
今回は日本人の役なので、
「アメリカ英語」でも「イギリス英語」でもおかしい。
「ちょっと日本っぽい英語」で喋るよう、収録監督から指示された。
「野崎」は「ノザァーキィ」じゃなくて「ノザキ」、
「西郷」は「サァイゴゥ」ではなく、「サイゴウ」と発音した。
収録は万事上手く行き、スタッフも大喜びだった。
ただ、俺は落ち込んでしまった。
今の自分としては、ベストの状態だったはずだ。
自分の持つ全てをぶつけたつもりだ。
でも、どうしても語彙力の無さから来る「表現の薄さ」が痛い。
日本語であれば、
「こっちです。」
「こちらです。」
の2つのセリフが、どれほどニュアンスが違うか、
一瞬で分かるし、状況に応じて使い分けれる。
・・・でも、これが英語になると、
「This way, please.」
「Follow me, please.」
の2つのニュアンスの違いが分からない。使い分けれない。
セリフに「This way, please」とあった時、
「どうしてその言葉を選んだのか」分からない。
自分が選んだ言葉ではなく、
台本に書いてあるからそう言ってるだけだ。薄っぺらい。
・・・くそ。悔しい。
もっと英語を勉強して、英語力をつけ、
この差をいつか埋めてやる。
よし、勉強しよう。