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2007年10月01日  映画「ピンクパンサー2」

和の風に こころ吹かれて

撮影が1週間ほど空いたけど、俺は忙しく机へ向かっていた。
・・・どうしてもやり遂げたい「宿題」があったんだ。

この「宿題」は、
俺がいままで俳優生活で培ってきた「とある技術」を、
映画のクオリティアップに生かす試みだ。

どのような結果が待っているか、それは分からない。
でも、きっと良い方向へ行くと信じている。


さあ、作業に戻ろう!


・・・作業中、日本が恋しくなっても、大丈夫。

ホテルの近くには、
日本のお菓子を売ってるスーパーがあるんだ。

そこでは、日本人なら誰でも知っている
様々な菓子類を買う事ができる。

 ・・・遠く離れたこの街で、
   懐かしい日本の息吹を感じる事ができる・・・

例えば、「3時のおやつ」と聞いて、
これを想像しない日本人はいないだろう。

(クリックで拡大)

・・・まさか海を隔てたこの街で しよラガ と再会しようとは。

パッケージに描かれた新鮮な しよラガ のイラストが
童心を思い起こし、食欲をそそる。


小腹がすいて飴だけじゃ物足りない、って事もあるかもしれない。

そんな時は、クラッカー菓子の定番、「塩入りのチキン」を買おう。
遠足の時に友達と分け合った、淡い思い出が甦るはずだ。

(クリックで拡大)

中途半端な「チキン味」とか、「しお味」とかではなく、
本物はやっぱり「食材の持ち味」なので安心できる。


・・・この2つさえあれば、俺は遠い日本に想いをはせ、
どんなに辛い撮影をも、気力で乗り越える事ができるだろう。


さあ、作業に戻ろう!

投稿者 ユウキ : 23:00 | コメント (2)

2007年10月03日  映画「ピンクパンサー2」

丸くなった小石

昨日から今日にかけてのシーンの撮影は、かなり体力を消耗した。


たとえ自分が映っていなくとも、
共演者のため、常に全力で立ち回った。


・・・それを何十回もやったので、流石にボロボロになった。
でも、終わった後の清々しさったら・・・、格別だった。

投稿者 ユウキ : 23:47 | コメント (0)

2007年10月05日  映画「ピンクパンサー2」

籠の中でスラローム

映画というのは、本当に怖い。
一瞬のミスが、一生残ってしまう。

そして消したくても、消せない。もどかしい。恐ろしい。

・・・だからと言って、ミスを恐れて萎縮するわけにもいかない。


よし、今は監督を信じ、俺は次のシーンに集中しよう。

投稿者 ユウキ : 23:03 | コメント (2)

2007年10月09日  映画「ピンクパンサー2」

時針よ止まれ

今日は疲れが出て、集中力が散漫だった。

くそ。まだまだ覚悟が甘いな。
こんな事は本来あってはいけないんだ。


撮影は「一日平均13時間」で進むので、
体調管理には本当に気をつけないといけない。

撮影中の生活は、大体こんな感じだ。

04:30 起床
05:00 今日のシーンの予習

06:30 現場へ

07:30 朝食・メイク
08:00 現場リハーサル
08:30 撮影開始

20:00 撮影終了

20:30 ホテルに到着 夕食・風呂・メイク落し

21:00 明日のシーンの予習
22:30 就寝

04:30 起床
05:00 今日のシーンの予習

06:30 現場へ

俺は体力が無いのか、もう疲れてしまった。


「現場入り」が午前8時の時は、
2時間も余分に寝れるので、かなり嬉しい。

・・・この感覚は、新聞奨学生をやってた時に似ている。
あの時は30分間の睡眠が何よりの至福だったっけ。


俺は最低6時間は寝ないと、演技に支障が出る。

なのに今日は・・・4時間半しか寝てない。
演技に影響が出るのは当然であって、自業自得だ。このバカめ。


さあ、今日はしっかり寝て明日に備えよう。

投稿者 ユウキ : 23:54 | コメント (0)

2007年10月15日  映画「ピンクパンサー2」

漂流記

撮影が終盤に差し掛かって来たが、
ここに来て、俺は急激に自信を失って来た。

自分がやっている事は、
果たして本当に面白いんだろうか・・・?

そんな不安がフツフツと沸いて来る。


コメディ映画なので、「笑える」か、「笑えない」か、
それは観客に見せるまで何の確証も無い。

自分が面白いと思っても、本当は面白く無いのかもしれない。

その答えが出るのは・・・、ずっとずっと先の話だ。
・・・実にもどかしい。


今は、監督の声に耳を傾け、
それを羅針盤として霧の中を進もう。

投稿者 ユウキ : 23:09 | コメント (0)

2007年10月17日  映画「ピンクパンサー2」

ボオッ、ガチャン、バシャー

今日は、今までで一番規模のデカいシーンの撮影だった。

少しでもシーンを面白くするため、
俺は最大限の注意を払い、全力で体を張った。

そして、自分のシーンのプレイバックを見て、
久しぶりに満足した。


こりゃ面白いっ・・・はず。たぶん。


撮影も、もう少しで終わりだ。
悔いが残らないよう、全てを出し切ろうと思う。

投稿者 ユウキ : 23:39 | コメント (0)

2007年10月18日  映画「ピンクパンサー2」

サーカスは空に舞う

俺は今日、自分のコメディの「師匠」と、生まれて初めて会った。

俺がアメリカでコメディを目指すきっかけになったのは、
「師匠」が70年代にイギリスでやっていた、
コメディテレビシリーズを見たからだ。

その挑戦的で社会風刺の効いたコメディ番組を観た瞬間、
俺は頭を「16トンハンマー」で
思いきりぶっ叩かれたかのような衝撃を受けたんだ。


 ・・・何なんだ、この面白い人は!


それから・・・、俺は何度も何度も、
繰り返しそのコメディ番組を観続けた。

字幕を出して、セリフを1行ずつ止めて、
辞書を引いて意味を理解し、更にそこから技術を盗む。


俺の英語でのコメディは、大部分が彼の技術を盗んだものだ。
そこに子供の頃からやって来た、
「コメディ舞台劇」の要素を混ぜたの物が、自分流のコメディだ。

だから、この映画に参加できたのは、誰よりも「師匠」のおかげなんだ。


 「技術を盗むって、それは素晴らしい事だ。
  私自身、自分の昔の技術をたまに盗むんだよ。」


・・・コメディの天才が目の前に2人。

彼らの話す言葉は英語じゃない。
他の誰にも理解できない「コメディ語」で話している。


俺は・・・、ここに居れる事自体が光栄だ。


あと数日間、遠慮なく、盗んで、盗んで、盗みまくるつもりだ。

英語もロクに喋れないのに、英語でコメディをやる。
人生を賭けて、いつかは「師匠」を抜いてみせる。覚悟しろ!

投稿者 ユウキ : 23:35 | コメント (2)

2007年10月22日  映画「ピンクパンサー2」

まどろみ

まだ追加撮影があると思うけど、
とりあえず、今日で俺の全てのシーンの撮影が終わった。


終わった。・・・終わった!

・・・終わった・・・のかな・・・?


困ったぞ。全く実感が無い。
・・・俺は本当に撮影に参加してたんだろうか。

2ヶ月ぶりに家に帰れば、
少しは落ち着くだろうか。


さあ、帰ろう!!


・・・ありがとう!ありがとう!!ありがとう!!!!!

投稿者 ユウキ : 23:17 | コメント (2)

2007年10月28日  

自分だけの縄張り

2ヶ月ぶりに帰って来た。
そして、自分の部屋(倉庫)に入ってみて驚いた。

 ・・・何だ、このゴミの山は・・・

ああ、そうだった。
俺はミュージカルの公演から直に撮影に参加したんだった。
片付けるヒマなんて無かった。

とりあえず、ゴミの山を掻き分けて、寝る場所を確保した。


 ふぅ・・・


さて、やらなければいけない事が山積みだ。
どれから片付けようか・・・、

とりあえず・・・、疲れた。
まだ気が張っていて、全然リラックスできない。

ゆっくりと、身体を慣らそう。
・・・やるべき事は、まだ残っているんだ。

投稿者 ユウキ : 23:28 | コメント (3)

2007年10月31日  映画「ピンクパンサー2」

赤目の鳥

今日は1日だけ「助っ人」として急遽セットに戻った。

・・・出演はしないけど、重要なシーンの撮影だったんだ。
俺が戻る事によって、何らかの助けになるはずだ。そう思った。

夜行便で一睡もできず、徹夜でセットに入って活動した。
コーヒーをがぶ飲みし、眠気を抑えた。

・・・きっと、ここに来た意味はあったと思う。

投稿者 ユウキ : 23:50 | コメント (2)

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