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2007年09月07日  映画「ピンクパンサー2」

甲殻類の都

・・・いやー、空気がウマい!

いま、撮影でアメリカ東海岸の「とある海辺の都市」に来ている。
これから2ヶ月間ほどは、ここでホテル住まいだ。


さっそく生活の基盤を確保する為、街を散策し、
$14の「パスタクッカー」を買って来た。


これでパスタ食い放題!
しかもお湯を沸かせるので、コーヒーも飲める。完璧だ!


撮影終盤に訪れるであろう「膨大な待ち時間」を有効に使う為、
ちゃっかりと教科書一式を持って来た。


・・・もちろん、辞書一式も持って来た。


これで撮影期間中も時間を無駄にせず勉強する事ができる。完璧だ!


あとは・・・、「演技」を完璧にするだけか。
今日も朝7時から撮影だ。頑張ろう。

投稿者 ユウキ : 06:00 | コメント (13)

2007年09月10日  映画「ピンクパンサー2」

第二のはじまり

いよいよ、この都市での撮影が始まった。

・・・初めから、いきなり重要なシーンの撮影だ。

そりゃ、緊張するなってのが無理な話だ。
ヘマをやらかすんじゃないかと、ドキドキする。


まだ、自分がセットに馴染んで居ないのが分かる。
気が張っていて、肩が凝る。

しっかりとリラックスして、シーンに臨まなければ!


・・・でも、カメラの前に立ったら
一瞬で、余計な考えが吹き飛んだ。

自分が自分で無くなる瞬間は、実に不思議な感覚だ。
記憶が入れ替わって、本当の自分がフッと姿を消してしまう。


これからの撮影、常に気合を入れていこう!

投稿者 ユウキ : 23:46

2007年09月14日  映画「ピンクパンサー2」

忘れてはいけない感覚

SAG(俳優組合)に加入している俳優と、そうでない俳優は、
たとえ同じエキストラであっても、給料も対応も全く違う。

 例えば、食事だ。

撮影現場での食事は、基本的にこの順番で食べる。

1、中心スタッフ・キャスト
2、撮影スタッフ
3、SAGエキストラ
4、SAG非加入エキストラ

エキストラの人数が多い時は、メニュー自体が違う事がある。
例を挙げると

「SAG」のエキストラの食事メニューは
 野菜3種
 サラダバー
 ステーキ3種
 デザート(ケーキ&アイスクリーム)

「非SAG」のエキストラの食事メニューは
 野菜2種
 鶏肉

などだ。


こういう対応の違いは、どこの撮影現場でもある。
俺はもう昔から、ずーーーーーーっとそれを見て、体験してきた。


「非SAG」が差別されているのでなく、
「SAG」が優遇されているだけ、と見る見方もある。

どちらにしても、そこには序列がある。


俺は基本的に、食事直後に撮影が無い時は、
非SAGの最後尾に並ぶようにしている。

エキストラは自分と同じ「俳優」だと思う。

同じ飯を食って、同じ現場を分かち合いたい。

投稿者 ユウキ : 23:21 | コメント (2)

2007年09月17日  映画「ピンクパンサー2」

真のヒーロー

アクションシーンの撮影は実に楽しい。
お互いを信頼し、結束が深くなる


・・・それにしても、「スタントマン」という仕事は本当に凄いと思う。
彼らこそ、本当の意味でのアクションスターだ。

「セットにおけるヒーロー」と言っても良いと思う。

彼らが体を張ってくれているおかげで、
役者はそこで怪我をして、撮影を中断せずに済むんだ。


自分でやるアクションシーンも、もちろんある。
衝突、転倒、なんでも来い!

体を張って、笑いを取りたい。

おらー、ばっち来ーい!

投稿者 ユウキ : 22:50

2007年09月19日  映画「ピンクパンサー2」

プチ・タイムトラベル

今日は3週間ほど前に撮ったシーンを、
もう一度、別の角度から撮影した。

記憶をたどって、もう一度シーンの流れを甦らせる。


・・・これは・・・、どうして・・・、
 なかなかに・・・、むずかしいぞ・・・

なんというか、
自分がビデオデッキに入ったかのような、
堅っ苦しい感覚だ。


・・・とにかく、全力で臨むだけだ。


自分の最大の力で体当たりし、もしそれでも駄目だったら、俺はそれで良いと考えている。

それは自分の限界が見えた瞬間であって、
その限界突破こそが、次の目標になるからだ。

おっしゃ、頑張るぞ!

投稿者 ユウキ : 23:00

2007年09月20日  映画「ピンクパンサー2」

暑い! あちいいいい!

暑い! 暑い! 蒸し暑い!

あっちー! クソあちー!
うえー、暑い! 暑くて息苦しい!

あちいいいいいいい! うえええ

投稿者 ユウキ : 23:15

2007年09月21日  映画「ピンクパンサー2」

孤独に笑え

今日のシーンは、今までで一番難しかった。

・・・いや、「難しかった」というか、心許(こころもと)無かった。


セリフは1行だけだったんだけど、
想像力に委ねられる部分が非常に多く、
足元が揺らぐ感覚を覚えた。


コメディーって奴は、本当に難しい。

「良い」「悪い」ではなく、
「面白い」「面白く無い」で判断しなければいけない。


・・・俺は、まだ判断力が貧弱だ。
今考えれるベストを尽くすしかない。

投稿者 ユウキ : 23:21

2007年09月24日  映画「ピンクパンサー2」

ノーガードKO

頭の中で撮ったばかりのシーンを思い返していると、
スタッフが深刻な顔で歩いて来た。


「ちょっと、午後のシーンで重大な変更があるの。」


・・・え、・・・俺、何か大変な事でもやらかしたか?

  
  ・・・ううむ・・・、やらかした・・・かもなぁ・・・


同じく深刻な顔をして付いて行ったところ・・・


「・・・ユウキ、いいかい、実はね・・・、
 午後のシーンだが・・・、」


と、そこまで聞いたところで、急に後ろから歌声が聞こえた。


「ハッピーバースデー・・・♪」


・・・ん?


こ・・・これは・・・、もしかして・・・、も・・・もしかして・・・!?



うおおおおおおおぉおおおおおお!

すげええええええええええええええええええ!!!

嬉しいいいいいいいぃいいいい!!


なんてこった、身に余る光栄だ!


同じく誕生日だったスタッフ2人と、お互いに祝い合った。


・・・そうか、26歳か。

渡米から7年と2ヶ月経ったのか。

この1年も全力で行こう。・・・とにかく前へ!

投稿者 ユウキ : 23:36 | コメント (2)

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