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2005年09月26日  オーディション

アビラ、ウンブレ、ボヌス

エージェントのマイクから電話が入った。

「ユウキ、2つのオーディションだ! 
 一つ目は「アイク」のオーディションで時間は今日の12時半。
 君が演じるのはナイトクラブにたむろする若者だ。
 
 ・・・2つ目は、例の「宇宙人」のオーディションのコールバック(2次選考)だ。
 場所は前回と同じで時間は午後3時。頑張ってくれ!」


おお!宇宙人のコールバックが来た!
・・・どうやら俺の宇宙語はキャスティング・ディレクターに認められたようだ。


一次オーディションはキャスティング・ディレクターが
 「この俳優を監督やプロデューサーに見せても大丈夫かな・・・?」
という基準で見ている場合が多いように思う。

その御眼鏡にかなった人が、監督やプロデューサーの前で行われる
2次オーディションに参加できるってわけだ。

そこからは先は「マッチングゲーム」だと言われている。

・演技力
・身体的特徴
・カッコよさ、可愛さ
・どの俳優が商品に合うか。
・パートナーとの組み合わせはどうか。
・知名度
・過去の演技歴
・プロデューサー、監督の趣味・好意

それらを考慮した上で、
コールバック(2次選考)に呼ばれた何十人もの俳優の中から
「一番良い」判断された最後の一人・・・・・・たった一人だけが役を取る。

それがオーディションだ。


俺は宇宙人のオーディションで
キャスティング・ディレクターを納得させる事ができた。

後は「マッチングゲーム」に参加し、
監督とプロデューサーにベストを見せるだけだ!


・・・おっとその前に、「アイク」のオーディションだったっけ。

 俺はクラブ系の洋服に着替えると、オーディション会場へと向かった。


サインインを済ませ待合室で待っていると、俺の名が呼ばれた。

これはプリント(印刷物)のオーディションなので、
ブルースクリーンの前で写真を撮らせて欲しいとの事だった。


・・・いくらクラブ系の洋服に着飾っても、今の俺はヒゲ面だ。
90%くらいの確立で駄目のような気がする。
別に端正な顔立ちをしているわけでも無いしなぁ・・・


・・・いいさ。本命は「宇宙人」だ!


黒色のピッタリとした長袖シャツと長ズボンに着替え、
俺は「宇宙人」の会場へと向かった。

キャスティング・ディレクターに挨拶した後でサインインを済ませ、
自分の名が呼ばれるのを待った。


程なくして俺の名が呼ばれたわけだが、様子が少し変だ。

 「困ったな、宇宙人が足りない・・・」


・・・宇宙人が足りない・・・?


このオーディションは3人一組で行われていた。
「宇宙人役(男)、宇宙人役(女)、青年役」の3人だ。

見渡すと、青年役の俳優が何人も順番待しているのに対し、
宇宙人役は俺を含めて2人しか居ない。

・・・なるほど。宇宙人役を演ずる俳優が足りないわけか。

俺は一歩前に進み出た。


 「予定は開いているので、遠慮無く僕を使って下さい。」

それを聞いて、もう一人の宇宙人役の俳優(男)も進み出た。

 「僕も開いてます。どうぞ気にせず使って下さい。」

キャスティング・ディレクターはそれを聞いて安心したようだ。

 「きみたち、助かるよ。ではそうするとしよう。」


こうして俺達2人は分担して「宇宙人(男)」「宇宙人(女)」を演ずる事になった。

・・・両方男だけど。


オーディション室内には、監督、プロデューサー、そしてスタッフが2人居た。
キャスティング・ディレクターはカメラ撮影を担当している。

監督「やぁ、来てくれてありがとう。宇宙人役の2人も恩に着るよ。
    まずは・・・そうだな、ユウキが女役をやってくれ。」

こうして俺が宇宙人(女)を演じてシーンは始まった。
前回と同じで「宇宙語」は全て即興だ。


宇宙女「パンピラ、ピン!ポルレペルレロンポピン、プルプペポミン!
     ペルルレロ、プリポンプルゥ!」
宇宙男「ア・・・ゥン、グァ、オ、ェン、、」
宇宙女「パン、ピリピァ!」


監督、プロデューサーは大爆笑。

監督「いやぁ、素晴らしい!素晴らしい!君達やるね!
    じゃ、交代してみようか!」


宇宙女「ァ、ビン、ォヌゥ、ェグッ!」
宇宙男「アブル、エベラボヌン、ボリボルブメラ、バビン・・・」
宇宙女「アッ、オゥ、ェギ!」


台本的には全く同じセリフを言ってるハズなのだが、
それぞれに「宇宙語」が違うから全く違うシーンになる。

監督やプロデューサーはまたも大爆笑!

監督「君達いいねぇ!いいコンビだ!
    ユウキ、君を宇宙女役で使えないのが残念だよ!はっはっは!」

ウケまくってる。


・・・それから俺ともう一人の宇宙人役は、余っている「青年役」の人達の為に
10回くらい交代しながら宇宙人役を演じた。


俺は「マッチングゲーム」で何位に着ける事ができただろうか・・・?
・・・2位くらいかな? ・・・でも2位じゃ駄目なんだ!

闘いはまだまだ続く。

投稿者 ユウキ : 2005年09月26日 23:40

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