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2005年08月16日  オーディション

オーダーメイド

急造のデモテープを送った映画"Want of Opportunity"から
オーディションの通達があったのは8月2日だった。

チャッド「君のデモテープは素晴らしかった。
     是非ともオーディションに来て欲しい。」


デモテープその1
1分32秒 .movファイル (5.6Mb)


オーディションの期日は16日。今日だ。

Eメールで届いた台本を毎朝のコールド・リーディング(台本読み)で練習し
俺は今日という日に備えていた。


オーディション会場はダウンタウンにある高級ホテルの会議室。

俺の呼び出し時間は午前9時20分だ。


会場に入ってサインインすると、奥から白いシャツを着た男性が出て来た。

彼こそがこの映画の監督「ブライアン」だ!


ブライ「やぁユウキ!おはよう!」


・・・おおっ!名前を覚えられている!!


ブライ「君のデモテープ見たよ!素晴らしかった。

    僕は何百枚ものヘッドショット(顔写真)をずっと見ていて、
    本当に退屈していたんだ。
    みーんな同じようなポーズで同じような顔をしている。
    オリジナリティの欠片も感じられない。

    ・・・でもそこで、君のヘッドショットに出くわしたってわけだ。」


そのヘッドショット

 

ブライ「自分の目を疑ったよ。「なんなんだこれは!」ってね。
    こんなヘッドショットは今までに見た事が無い!

    で、裏側の履歴書を見て見ると「ラストサムライ」と書かれてる。
    さすがに意味が分からなくなってね。
    そこで君にデモテープの電話をしたってわけだ。
    届いたデモテープを見てみたら、素晴らしい出来じゃないか。
    ここでまた驚かされた。「こいつはタダ者じゃない」と思ったよ。

    ・・・そこで、だ。
    
    今日君に読んで貰いたいのは「ネッド」という役だ。

    彼は・・・オリジナルの設定は台本を読んで
    分かってくれてると思うが、主人公の弟であり・・・

              白人だ。

    ・・・でも、もしかしたら日本人なのかもしれない・・・?

    では、健闘を祈る!準備ができたら教えてくれ!」


・・・どういう事だ?


彼が言うように俺が呼ばれた役の設定は明らかに日本人じゃない。
「白人の主人公の弟」という設定なんだ。


まさか・・・俺が役を取ったら・・・、
      ・・・台本の方を書き直すという意味か・・・?


そんな馬鹿な! ・・・そんな事があり得るのか?

もしもそれが本当だとしたら・・・、これは恐るべきチャンスなんじゃ・・・


 ・・・とにかく今は自分の役に集中しよう。


俺は気持ちを落ち着けるとオーディション室内に入った。


ブライ「よーし、では始めよう!
    そっちのカメラで君を撮るのは・・・君もご存知のチャッドだ。」


シーンが始まった。

3つのシーンのうち、最初の2つは車内という設定だ。
俺は役の設定に「麻薬中毒者、人生の敗北者」と書かれてあったので、
ちょっと嫌な奴を演じた。


ブライ「・・・オッケー。そこで一度ストップ。

    ・・・いいかいユウキ。
    このネッド、根はいい奴なんだ。
    常にジョークを飛ばして皆を笑わせる。
    失敗を犯しても持ち前の人懐っこさで誤魔化してしまう。
    ただ、自制心は人一倍弱い。
    それを考慮した上でもう一度やって欲しい。」


今の説明を聞いて、俺はキャラクターを反転させた。
セリフがちゃんと入っているとキャラクターを変えるのも楽だ。


ブライ「・・・素晴らしい!何も言う事無いね!
    ユウキ、わざわざ来てくれて本当にありがとう!」


彼等はコロラド州からオーディションの為だけにLAに来ていて、
今日と明日の2日間に渡ってオーディションを行うそうだ。

奇跡は・・・起こるのだろうか。急造のデモテープを送った映画

投稿者 ユウキ : 23:51 | コメント (2) | トラックバック

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