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2005年08月03日 オーディション
裸の海賊
朝、いつものようにエージェントのマイクから電話が掛かって来た。
マイク「ユウキ!コールバック(二次選考)だ!
例の君が「うさみみ」を着けて行ったゲームのCMだ。
明日の昼12時30分。頑張ってくれ!」
きたあああああああああ!!
・・・やはり来たか!
うさみみパワーで頑張らねば・・・!
映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」の二次オーディションは
バーバンクに位置するディズニースタジオの中であった。
俺は「例の格好」で堂々と会場に入った。
会場内には100人くらいの参加者が居た。全員アジア人だ。
俺はサインインを済ませると、椅子に腰を下ろして呼ばれるのを待った。
オーディションは10人一組で行われた。
まずは上着を脱いで上半身裸でポラロイド写真を撮られた。
その後「そのままの格好」でオーディション室に招き入れられた。
せっかく「特別な格好」をして行ったのに、「上半身裸」じゃ意味が無い!
オーディション室内には10脚の椅子が横一列に並んでいた。
俺達のグループは機械的にその椅子に座らされた。
「ようこそ。今から何をするのか簡単に説明します。
これからみんなには海賊になって貰います。
彼等はもう何日も水を飲んでいません。
そこに置いてある水のボトルが最後の一本です。
それを奪い合って下さい。くれぐれも怪我をしないように。
しばらくするとキャプテンが帰って来ます。
そこで恐れおののいて下さい。
では、始めましょう。」
彼が言うが早いか、俺は水のボトルに飛び付いた。
そして他の9人から揉みくちゃにされた。
痛たたた・・・、誰か知らんが引きずるのは止めてくれ。
「・・・はい、そこまで。」
1列に並ぶ10人。
「・・・俺の水を飲んだのは誰だ!」
「・・・さぁ?」
「アイツです!」
「知らないなぁ。」
「コイツです!」
「・・・お前、どこの出だ!」
・・・来た!
実はオーディション室に入る前、
キャスティングの一人からこういう説明があった。
「オーディション室に入った瞬間から海賊として振舞ってくれ。
もしキャスティングディレクターに出身地を聞かれたら、
自分の出身地じゃなくて、海賊としての出身地を応えてくれ。」
俺はなんて言おうかずっと考えてた。
・・・とりあえず「俺は海の上で生まれた!」とでも言おうか。
「キャプテン」は端から順番に聞いていって、いよいよ俺の番になった。
「・・・お前、どこの出だ!」
「俺は上の生まれたで海です!」
・・・うわぁあああ!しまった!英語になってない!!
言う直す暇も無く、キャスティングディレクターは隣の人へ移動してしまった・・・
こりゃ駄目だ。がっくりしてオーディション室を出た。
約100人が全員揃った所で、
海賊として3次選考へ行く約30人が発表された。
当然俺の名前は呼ばれないわけで・・・
選ばれた人達はこれからトレーニングを受け、
最終的にカリビア海へ行く海賊を決めるらしい。
ちなみに海賊は頭頂部だけ丸く髪の毛を残した髪型になるそうだ。
それを聞いて海賊に選ばれなかった悔しさがちょっと和らいだのは秘密だ。
今回の失敗から2つの事を学んだ。
・オーディション会場に入った瞬間から悪役になりきると、
キャスティングディレクターから本当に嫌な奴だと思われ嫌われる。
・喋る時はまともにはっきりと言う。
常に上手く行くわけじゃないけど、これからも全力を尽くすつもりだ!