2010年08月24日  映画「ピンクパンサー2」

暗闇に慣れた目

月曜日の午後5時から午前6時まで撮影。

今日はセットにお客様が来ていた。

12歳くらいの女の子で、
病気を患っている子供達の夢を叶えるための財団
Make-A-Wish foundationからきているそうだ。

この女の子の夢は「映画に関わりたい」だったので、
撮影現場に招待されたというわけだ。

俺がピンクパンサー2に出演した時の話をしたところ・・・
出し抜けにこんな事を言われた。


「ピンクパンサー2に出演してるの!?
 わたし本当に大好きで、もう何回も観てるの!!」


 え・・・、


  ・・・・・・ぬ、、ぬぁんだってーー!!!


あまりにびっくり仰天して、しばらく頭が真っ白になってしまった。


だって、俺が「ケンジ」を演じたピンクパンサー2は、
残念な事に、興行的にも、批評家の評判も、散々だったのだ。

だからまさか、面と向かって、「大好きで、何回も観てる!」
なんて言われるとは、予想だにしてなかった。


これは・・・、なるほど。 そうだったのか。

子供向けの映画は、実際に楽しんでくれている子供達がそこにいれば、
批評家がどう言おうと、大した問題では無かったのか。

俺は、出演できて本当に良かった。 と初めて心から思った。

投稿者 ユウキ : 23:50 | コメント (4)

2009年03月26日  映画「ピンクパンサー2」

あいうえお

さあ、今日も1日頑張ろう!

布団を畳み、昨夜のうちに買っておいた朝食を済ませ、
お世話になったご夫妻にお礼を言った。


それから、電車で配給会社へと移動した。

まずは会議室をお借りして、溜まっていた作業をこなし、
わざわざ尋ねて来てくれた「知り合いの方」と、
ファミレスで一緒に昼食を取った。


その後、配給会社のトイレの洗面台を使って
ヒゲを剃ってメイクを済ませ、今日の取材の準備を始めた。


・・・よし、頑張ろう!


今日はまず、とある放送作家の方の「再取材」を受けた。

この方は、昨日の「記者会見」に参加していて、
 「是非、個別に取材させて下さい」
と、申し出て下さったそうだ。

・・・期待にお答えせねば!

ビデオカメラをセットして、インタビュー形式で約1時間ほどお話した。
もの凄くフレンドリーな方だったので、話していて楽しかった。


次は、ミュージシャン&ビデオジョッキーをしている、
「Nelson Babin-Coy(ネルソン・バビンコイ)君」とお話した。

ネルソン君は、生粋のアメリカ人なんだけど、日本語がもの凄く上手だ。

・・・きっと死ぬほど努力したに違いない。

立場的には正反対だけど、お互いに「異言語・異文化の中で挑戦する」という
最大の共通点があったので、一瞬で打ち解けてしまった。

約30分間、「ネルソン君は日本語」、「俺は英語」という、
混沌とした「逆言語」でお話し、盛り上がりに盛り上がった。

お互いに頑張ろう!


ネルソン君と、逆言語でお話している間に、
フリーのライターの方が加わった。

この方は、急遽取材に駆けつけて下さったんだ。

約30分間にわたって、
「日本人が人間として描かれない問題」や、
「アメリカ人にとっての日本人像を変える事の難しさ」などを、熱くお話した。


・・・そして、東京での全ての取材が完了した!


「すごい。」

宣伝チームの方が、驚きの声をあげた。

「取材に来た方々が、揃って
 『楽しかった。もっと時間が欲しかった!』
 と言ってらしたのは、かつて見た事がありません。」


・・・それを聞いて、俺は日本に帰って来て良かったと、心から思った。


お世話になった方々に深くお礼を申し上げて、
配給会社を後にした。

どうも、ありがとうございました!

投稿者 ユウキ : 23:14

2009年03月25日  映画「ピンクパンサー2」

ダブルエスプレッソ

さあ、今日も1日頑張ろう!


ホテルのロビーで「配給会社の方」と待ち合わせ、
本社に移動し、お世話になる社員の方々にご挨拶を済ませた。

 「松崎さん、吹き替えの件ですけど・・・」

とある方が、話を切り出した。

 ・・・そうだ、吹き替え版だ!

俺は、「本当にタダでいいので、日本語吹き替えを、自分でやらせて下さい!」
と、もう2ヶ月も前からお願いしていたんだ。


 「・・・実は、飛行機の機内上映用の日本語吹き替えが、
  もう終わってるみたいなんです・・・」


んがーーーーーーーーんっ!しょーーーっく!
イタタタタタタ・・・

DVD用に録り直すかは、DVD版の配給元が違うので、
まだちょっと分からない、との事。

日本は世界最高の声優王国だ。本物の「声のプロ」がたくさんいる。
だから、クオリティに関しては、全く心配いらない。

ただ、やはり、「自分の日本語の声」は、自分で当てたかった・・・。

一度、アメリカの配給会社に持ち帰り、
そこから、「DVD版の配給会社」に再アプローチを行う事になった。


さあ、気を取り直して頑張ろう!


「宣伝チーム」の方々にご挨拶を済ませ、
今日の取材形式に関する説明を受けた。

基本的に、取材は2つの部屋を交互に移動する形式で行うらしい。
一方で取材を受ける間に、もう片方で準備をする、というわけだ。


一同、皆様の取材をお待ちしております!



よし、気合を入れよう。


まずは、SANKEI EXPRESS(サンケイエクスプレス)の
記者の方より、取材を受けた。
スラッとした長身の方で、ビシッとスーツを着こなしている。

SANKEI EXPRESSを一部テーブルの上に広げ、
どのような出版物なのか、簡単に説明して下さった。

それから、1時間弱、色々なお話をした。

・・・さすがはプロの記者の方、質問が的確で、実にわかりやすい!
もしも俺が記者を演ずる事になったら、是非この方を参考にさせて頂こう。

朝一番だったにも関わらず、話は大いにに盛り上がり、
時間はあっという間に過ぎ去ってしまった。


終わり次第、もう一方の部屋に移動し、
間髪入れずに次の取材が始まった。

次は、eiga.comのお二方だ。

うち一人は、映画ライターの佐藤睦雄さんだった。

ムツオさんは、「硫黄島」の時にも取材をして下さった方で、
電話ではお話しした事があったけど、
実際にお会いしたのは初めてだった。

実は、今回の「ピンクパンサー2」も、
日本で一番最初に気付いたのがムツオさんだった。

まだ日本では全く報じられていなかったのに、

 「ピンクパンサー2、ご出演決定おめでとう!」

とメールが来て、死ぬほど驚いた。
さすがは映画情報のプロ、おそろしや・・・・・・

取材は、映画の裏話から、ムツオさんの大好きな
イーストウッド監督まで多岐に渡り、大いに盛り上がった。

ムツオさんとは、明日、おでんを食いに行くのだ。


eiga.comの取材が終わると、「オフィシャル映像」の撮影に入った。
俺が一人で、カメラに向かって映画の紹介をするんだ。

 「ピンクパンサー2に、出演させて頂いた松崎悠希です!
  天才ハイテク捜査官ケンジとして、
  メインキャストとして出演しています!ぜひ劇場にてご覧下さい!」

という感じで、映画を紹介した。


それが済むと、配給会社の「田中さん」に、昼食に連れて行って頂いた。
食券を購入したあと、大きなテーブルの片側に座り、
注文した料理が来るのを待った。

うーむ、美味い!

なんと、この食堂では「付け合せ」が無料で、しかも取り放題なのだ!

まだ先が長いので、食べ過ぎないよう気をつけた。


配給会社に戻ると、「記者会見」のために
記者の方々が、続々と集まって来ていた。

それぞれ、名刺を受付に提出し、
記者会見が行われる大会議室へと入って行く。

 「予想以上に集まってますね!」

宣伝チームの方々も、驚いている。


なんでも、今日集まっている記者の方々は全て、
「記者用の試写」を観た上で、取材を申し込んでいるのだそうだ。

俺みたいな奴を取材してくれるなんて・・・、嬉しい。

せっかく来てくれたんだ、がっかりさせないよう、俺も頑張ろう。


 「うにゃにゃにゃ、ニャオーン!」

わざわざ駆けつけてくれたピンクパンサーにネコ語で挨拶を済ませ、
いよいよ、記者会見が行われる会場へと足を踏み入れた。



集まって下さった記者の方々にご挨拶をして、
今日の「主役」を、英語で会場内に招き入れた。



記者会見は、まずは簡単な自己紹介から入り、
自分の役どころ、映画の見どころ、
撮影中の裏話などを、できるだけ簡潔に話した。



俺は「記者会見」とは、もっと無機質なものだと思っていた。


・・・ところが、驚いた事に、記者の方々は、
俺の話に一々うなずいてくれるのだ!

ニッカンスポーツの記者の女性は、
なんと「相づち」まで打ってくれる!フレンドリーなのだ!


一通りお話しした後で、実際のオーディションテープを鑑賞した。



終わりの時間が迫ってきたので、
最後に「隠しダネ」として、「例の新聞」を紹介した。


映画のオープニングで、「日本の刀」が盗まれる。
台本では、そこで「日本の新聞」が登場するはずだった。


 「日本の新聞」か。大丈夫かな・・・。


心配になった俺は、美術部を尋ね、その新聞を見せて貰った。
そこで見た「日本の新聞」を、忠実に再現したのが、こちらだ。



「刀」が「盗難」されたので、「刀、盗難!」となっているのだが、
・・・ちょっと、ズレてしまったのだ。


これを見た瞬間、記者の方々は、みんな揃ってずっこけた。


 「ええー、」
  「うそー、」
   「これは・・・、」


・・・でも、これを最初に見た時の俺自身の反応は、もっと好意的だった。

だって、美術の人の「努力の跡」が見えるじゃないか!

「日本語」で、しかも「意味が正しい」というだけで、実は結構凄い事なんだ。

例えば、この前撮影したテレビシリーズで、
小道具の方から渡された「名札」には、

  名前:6月ササコ語

と、書かれてあった。

・・・それに比べたら、
新聞が日本語で書かれている。それだけで素晴らしいじゃないか!


・・・でも、もしも日本の観客がこの新聞を見たら、きっとみんなずっこける。
オープニングのシーンなのに・・・


このままではマズイ。


「新聞のシーン」の撮影は3週間後だ。
誰かが、なんとかしなければならない。

・・・しかし、これは機密事項だ。
外部の人間には頼む事ができない。ということは・・・


 よし、やるか。


俺は一念発起し、撮影中にも関わらず、
培ってきた「小道具作り」の技術を全て注ぎ込み、
2週間で、2部の新聞を作って、美術部に提供した。


それが、こちらの2つだ。

スポーツ紙の高解像度版 (.zip 2.0メガバイト)
一般紙の高解像度版   (.zip 1.7メガバイト)


「ほおー!」
 「おおー!」
  「すごい!」


記者の方々が、感動してくれた。嬉しい。

ニッカンスポーツの記者の方が、
「スポーツ紙」を手にとって言った。

 「すごい!レタリングはバッチシ!」

本職にほめられた!うれしいいいいいい!!!

 「・・・でも、『流し』が甘いっ!!」

がーーーん。


・・・ショックだ。「流し」という言葉の意味が分からない。


最後に、この新聞の登場シーンが
編集でカットされた「オチ」をお話しして、共同での写真撮影に移った。



ポスターの前で、ピンクパンサーと、色々なポーズを取った



こうして、「記者会見」は終わった。
・・・果たして、これで良かったのだろうか。


さあ、次に行こう!


次は、読売新聞の記者の方から取材を受けた。

俺が記者会見で暴走したせいで、少し時間が遅れてしまった。
ただでさえ30分しかないのに・・・ごめんなさい!

20分ちょっとの間、一生懸命お話した。
・・・もうちょっと時間があれば!


続いて、「八雲ふみねさん」という方から、
動画インタビューを受けた

カメラを設置し、マイクをつけて、
「ふみねさん」と10分ほど、お話した。

「ふみねさん」も、「カメラマンの方」も、とてもフレンドリーだった。


その後、「KITSCH(キッチュ)」の方々から、
動画インタビューを受けた。

カメラの前で、30分間にわたり、
「ピンクパンサー2の見所」と、
「ハリウッドにおける日本人」のお話をした。

なんと、記者の方も、その昔「子供英語劇」をやっていたそうだ!


続いては、「女性自身」の取材だ。

 「なんか、凄く気合が入っているんですよ!」

配給会社の方が、俺に教えてくれた。


・・・一体どういう事だろうか。


話し始めて、すぐに謎が解けた。

・・・なんと、この声のカッコいい、堂々とした記者の男性は、
俺の日記を最初から最後まで、読破していたのだ!!

それも、ただ読んだだけではなく、「完全に」読まれていた!

 女性自身・・・おそるべし。

記者の男性にも在米経験があったので、
話は弾みに弾み、1時間は一気にすっとんでしまった。

楽しかった!


陽が沈み始めたぞ。気合を入れろ!


続いて、「Pause(パウゼ)」のライターの方より取材を受けた。

15分間という限られた時間ではあったけど、
「キャラクターの変遷」や、「撮影現場の裏話」などをお話した。

時間が短かったので、少し早口になってしまったけど、
ライターの方が、喜んで話を聞いてくれて、嬉しかった。


続いて、「ぴあ」の記者の方々より、取材を受けた。

まずは会議室で、2人の記者の方々と20分間ほどお話した。
お二人とも、真剣に話を聞いて下さった。

そして、すっかり陽の暮れた窓辺で、写真撮影をした。

俺は、一生懸命「映画俳優っぽいポーズ」をとってみた。
でも、きっと駄目だろう・・・。


最後に、「キネマ旬報」のライターの方より、取材を受けた。


 「次はキネマ旬報(じゅんぽう)です。」


・・・「キネマ旬報(じゅんぽう)」と聞いて、俺は愕然とした。

だって、これまでずっと、キネマ「しゅんぽう」と呼んでいたのだ!

「キネ旬」は、「キネしゅん」ではなく、「キネじゅん」だったのだっ!!!


30分間の予定だったけど、ライターの方が
「もっとお話を聞きたい」
とおっしゃって下さったので、
ラストという事で、1時間以上に渡ってお話した。


 「硫黄島の時点で、社内で
  『誰だこの演技が上手い人は!』
  と話題になっていたんです。
  だから、ピンクパンサー2の話を聞いた時、
  『やっぱりな!』 と、思いましたよ。」


・・・俺は嬉しすぎて、泣きそうになった。


これからも頑張ります!


1日が終わった。

ずっと喋っていたので疲れた。でも・・・本当に楽しかった。


配給会社の方に夕飯をごちそうになり、
生まれて始めて「もんじゃ焼き」というものを食べた。

もんじゃ焼きは、「薄いお好み焼き」ではなかったのだ。


うんめー、


ご好意で、今日は配給会社の方の所に、泊まらせて頂いた。

ご夫妻に用意して頂いた枕が、低反発のフニョフニョした奴だった。

通信販売でしか見たことが無かったけど、
寝心地は最高だった。


さあ、明日も1日頑張ろう!

投稿者 ユウキ : 23:53

2009年03月24日  映画「ピンクパンサー2」

疾風怒濤

あらかじめ500枚印刷しておいた「特製名刺」が、
なんと全て無くなってしまった!

そこで、「カメラのキタムラ」で250枚、新たに刷った。


1枚37円もするのだッ!!!!!!!


注文後、20%引きの割引券を頂いた。
でも、残念ながら次の注文からしか使えないそうだ。

・・・はっ、しまった!

先に50枚くらい注文して、割引券を貰った後で、
200枚注文すれば良かったか。イタタタタ・・・


・・・とにかく、これで名刺は大丈夫だ。


さあ、今日も1日頑張ろう!


まずは、毎日新聞の記者の方より取材を受けた。

1時間半に渡ってお話したのだが、
記者の方は、メモ帳を常に手に持ち、
テーブルから浮かせた状態で書き込んでいた。

・・・凄い! でも、どうして?

お聞きしたところ、普段は「事件・事故」を扱っていて、
「立ったままの取材」が多いので、慣れてしまったそうだ。


その後、ラジオ番組「スクーピー」に生出演した。

レポーターの谷口由佳さんと30分ほどお話して
何を話すか、大体の構想を作り、
5分間、生放送で出演させて頂いた。

とてもさわやかなお二人で、話していて気持ちが良かった。


それから、別のラジオ番組に、生出演するため、
「宮崎サンシャインFM」へとやってきた。

曲が流れている間に、パーソナリティの遠目塚さんと
「ミキサーの方」にご挨拶を済ませ、スタジオ内に入った。
そして、10分ほど、生放送でお話をした。

即興でも全くひるまないのは、さすがプロだ。


放送後、宮崎市役所へ移動し、
「宮崎市国際交流協会」の方々より取材を受けた。

「質問事項」をあらかじめ教えて頂いていたんだけど、
話しているうちに、どんどん乗ってきて、完全に脱線。
30分間に渡り、色々な話をさせて頂いた。


そして、「津村重光宮崎市長」とお会いした。



津村市長と個人的にお会いするのは、実はこれで2度目だ。
羽田空港の待合室で、2000年10月27日にお会いしているんだ。

俺は9年前のおごり高ぶった自分を思い出し、心底恥ずかしくなった。


 ・・・あれから、色々な事があった。

失敗と挫折を何度も経験し、
俺は、少しだけ成長した・・・・・・・・・・・・・・・・と、思う。たぶん。


自分の未熟さを、これからも常に心に留めなければ。


30分間に渡って映画の舞台裏を、熱くお話しして、
わざわざ時間を割いて下さった津村市長にお礼を申し上げ、
今後のさらなる成長を誓った。


全力で頑張ります!


 さあ、東京へ行こう!!


飛行機で宮崎から東京へと移動し、
配給会社の方が用意して下さったホテルにチェックインした。

だがそこで、驚くべき事実が分かった。


・・・なんと、そのホテルの「ベルボーイの方」が、
「友達の友達の親戚の親類」だったのだ・・・!!


 ・・・?


まあ、細かい事はいいのだ!
とにかく、東京で少し心強くなった。


その後、先に東京に戻っていた、
配給会社の「田中さん」から夕食をごちそうになった。



おお、チキン南蛮だ!


さあ、いよいよ明日は「記者会見」だ。
しっかりと休み、明日に備えよう。

投稿者 ユウキ : 23:48 | コメント (3)

2009年03月23日  映画「ピンクパンサー2」

こいぬ座

さあ、今日も1日頑張ろう!

今日は、東国原英夫宮崎県知事とお会いするため、県庁に来ている。

格好は、ピンクのシャツに、ピンクのネクタイ。
俺一人だけ、お祭り騒ぎだ。

・・・いや、厳密に言うと、「一人」ではない。


だって今日は、「スペシャルゲスト」を呼んでいる。
ご紹介しよう!



・・・その通り。「桃色の方」だ!

この「桃色の方」、ただの「桃色の方」ではない。
とっっても成長した、「桃色の方」なのだ!



知事室の横の待合室で、11時ちょうどになるのを待っていると、
春風のように爽やかな「県職員の若い男性」が、
吹き抜ける風のように、さっそうと現れ、
良く通る、その澄んだ声で、俺に尋ねた。

 「今日、知事に面会されるのは、お一人ですか?」

俺は、その男性の目をまっすぐ見つめ、
落ち着いて、にっこりと微笑みながら、堂々とそれに答えた。

 「いえ、僕と、ピンクパンサーです。」

県職員の男性は、それを聞くと、
俺に微笑み返しながら、コンビニの店員のように爽やかに応じた。

 「はい!お一人ですね!」

そして、手続きを済ませるため、軽やかに隣の部屋へと歩いていった。


 ・・・ぐすん。


チッ、チッ、チッ、カツン。

分針がちょうど「12」を指して、11時00分になった瞬間、
知事室のドアが開いた。


 「松崎さん、どうぞ。」


こうして、初めて東国原知事とお会いした。



15分間、様々なお話をさせて頂いた。

撮影の裏話、
俳優の給料の話、
ハリウッドの考える日本人像、
そして、日本人俳優に何ができるのか・・・、

中でも、特に知事が興味を持って聞いてらしたのが、
「オーディション」というシステムについてだった。

「ほぼ全ての役がオーディションで決まる」
というシステムの説明から入り、
日本人の役をアジア系俳優と取り合う現状や、
たとえ1000人受けても、1人しかキャストされないという
極限の厳しさなどを、お話させて頂いた。



・・・宮崎に幸あれ!



さあ、急いで移動しなきゃいけない!!


移動途中、親族が花見をしていた公園に通りかかったので、
「おばあさま(母方の祖母)」に挨拶をした。

父方の祖父母にも会いに行きたいのに、時間が無い!ひー



ケーブルテレビ局「MCN」に移動し、
宮崎と福岡向けの、ピンクパンサー2の宣伝ビデオを撮影した。



「愛郷精神を強調しよう!」との事で、
宮崎向けは「チキン南蛮」、
福岡向けは「とんこつラーメン」の話をした。

・・・今、書いてて気が付いた。 どちらも食い物だ。

撮影は緊張で噛みまくったが、
ディレクターの方が上手くフォローしてくれて、
なんとかやり過ごす事ができた。



その後、テレビ局「UMK」に移動し、
製作の「日高さん」と、軽い打ち合わせを行った。

そこで、「喋っているケンジの映像」として、
俺の「実際のオーディションテープ」を使う事を再確認した。

・・・そう。本物のオーディションテープだ。



UMKの報道部に案内して頂いた時、
俺はそこで、「信じられない方」とお会いした。



た、た、高橋巨典さんだっ!

・・・ま、まさか、今日のメインキャスターは「巨典さん」なのか!?
信じられない!


 「巨典さん、ファンです!」


と言うと、巨典さんはもの凄く驚いてらした。


・・・決して冗談ではない。


「めざましテレビ」で、キャスターの「大塚さん」がお休みの時、
代役で登場していたのが高橋巨典さんだ。

巨典さんは、そのために、
わざわざ宮崎から東京まで行っていたんだ。

俺にとって、巨典さんは「全国で頑張る宮崎県民」の象徴だった。

全国ニュースでキャスターを務める巨典さんを見て、
「俺も全国で頑張ろう!」と気持ちを新たにしていたんだ。


 冗談ではない!



巨典さんからサインを貰った。嬉しい。

さあ、生出演に集中しよう!


まずは、集中するために、
「集中している振り」をして、それを写真に撮って貰った。



ホラ。集中しているように見えるでしょう・・・


スタジオに入り、一度リハーサルをしたのち、
本放送が始まった。



メインキャスターの高橋巨典さんと戸澤愛さんが、
県内のニュースをハキハキと読み上げていく。

スタジオ横のモニターには、現在放送されている映像が映し出されていた。



うわっ。自分だ!


他のニュースのVTR映像が流れている間に、
「スタッフの方」の誘導に従い、俺はそっと自分の席についた。



そして、いよいよ生放送が始まった。

放送では、打ち合わせ通り、
「ボロボロの辞書」、「割り箸」、「新聞」を紹介した。

それから、俺が「ピンクパンサー2」に応募した
実際のオーディションテープの映像を、
世界で初めてテレビ放映した。



・・・これが、俺が想像していた「ケンジ」だった。
ご覧の通り、ワイシャツにネクタイ姿だ。

こういった真面目なタイプのキャラクターで
役作りしたのだけれど、それが色々あって、
実際に映画に登場する「ケンジ・マツド」になったんだ。

でも、その詳細はまた別の機会に譲ろうと思う。



俺の生出演は、戸澤さんと、巨典さんの絶妙なアシストで、
なんとか無事に終える事ができた。

ああ、怖かった・・・。
ミスを犯さなくて、本当に良かった。



スタッフの方が、新聞の巨大フリップボードを作ってくださったので、
それを頂戴して、東京での取材に持って行く事にした。

どうも、ありがとうございました!



さあ、明日も1日頑張ろう!

投稿者 ユウキ : 23:55 | コメント (5)

2009年03月22日  映画「ピンクパンサー2」

駐車場の怪

さあ、今日も1日頑張ろう!

・・・朝5時。

あまりにお腹が減ったので、
近くのスーパーで「超高級料理」を買ってきた。



もっちろん、「チキン南蛮」だ!

・・・体重を落としているので、太るわけにはいかないけれど、
せっかく宮崎に帰って来たんだ。
「チキン南蛮」くらい食わせてくれ。


・・・パク。


うおおおおお、まっじいいいいい!!

なんだこれは!手抜きじゃないか!
そもそも、これは チキン「南蛮」 じゃなくて、チキン「あんかけ」だ!
「タルタルソース」も、ただの「マヨネーズ」だ!

・・・なんで宮崎で、こんな「チキンあんかけ」が普通に置いてあるんだ?
これじゃ、県外で売ってる「チキン南蛮もどき」と大して変わらんじゃないか・・・


  さて、本題に移ろう。


テレビ局「UMK」の製作の方とのミーティングのため、
とあるカフェへとやってきた。

そこで、2時間に渡ってこれまでの体験談をお話しし、
明日の「生放送」の決められた出演時間内で
どのエピソードを紹介するか、話し合った。

18:16--18:30までの「14分間」のうち、
俺の出番は約5分間。

やはりテレビなので「視覚的に訴える」という事で、
俺の「ボロボロの辞書」、「歯型のついた割り箸」、
そして、「映画の為に製作したニセ新聞」の3つを紹介する運びとなった。



その後、宮崎入りした「配給会社の方」と、夕食を兼ねてミーティングを行った。

そこで、これまでの経緯と、これからの予定を話し合った。

 「これが、現時点での25日の予定です。」

渡された紙には、「松崎悠希さん 取材スケジュール(予定)」と記されてあって、
25日の取材日程が、分刻みで書かれてあった。


松崎悠希さん 取材スケジュール(予定)

10:00--11:00 SANKEI EXPRESS
11:00--12:00 eiga.com
12:00--12:30 オフィシャル映像撮影
 <昼食>
14:00--14:15 スポーツ紙、Web媒体、記者会見
14:15--14:20 入れ替え
14:20--14:50 読売新聞
14:50--15:05 月間コミュニティ
15:05--15:40 Realガイド
15:40--16:40 女性自身
16:45--17:00 Pause Cinema
17:00--17:30 ぴあ
17:30--18:00 キネマ旬報
 <終了>


ひえええええ!!!

14:00--14:15の「記者会見」とは一体何だろうか!?
俺は何をすればいいんだろうか・・・。ぶるぶるぶる


・・・とにかく、今日は、明日に備えて、もう、寝よう。

  ・・・・・ダメだ。 もう限界だ。 つかれた。 ねむい・・・。


疲れと眠気で、吐き気がする。
栄養ドリンクも全く効かない。


  よし。寝よう!


投稿者 ユウキ : 23:55 | コメント (2)

2009年03月21日  映画「ピンクパンサー2」

くるりくるり

さあ、今日も一日頑張ろう!

今日は、「土アップ」という朝のニュース番組に、
ゲストコメンテーターとして生出演すべく、テレビ局「MRT」へと向かった。

待合室で、アナウンサーの「関知子さん」と、ディレクターの方、
そしてレギュラーコメンテーターのお二方にご挨拶を済ませた。


 ・・・俺が30分番組に生出演か。しかも、「コメンテーター」か。
 心配すぎる・・・。大丈夫なのだろうか。


収録スタジオ内には、「フロア・ディレクター」という係りの方がいて、
上の階の「ディレクター」の指示を受け、現場の指揮をとっていた。

フロア・ディレクターの男性は底抜けに明るくて、
現場は、ポジティブな活気に満ち溢れていた。


上の階では、今度は別のスタッフチームが
「ディレクター」の指示に従い、準備を進めていた。

壁一面に広がるテレビ画面は、
まるで、映画に登場するCIAのコントロールルームのようだ。


本番前に一度、「通しリハーサル」を行った。
そこで、大筋の流れをつかむ。

・・・番組は、毎秒、毎秒と進んで行く。
テレビは「時間」との戦いなんだ。

 ひええ。恐ろしい。

不安がる俺に、「フロア・ディレクター」が胸を張って言った。

 「大丈夫。オーバーしても、『関さん』が秒単位でコントロールしますから!」


・・・さすがだ。やはりプロは違う。


マイクを付け直し、カメラ位置を微調整して、いよいよ本番を迎えた。



■アメリカ発の世界同時不況について

俺 「不況の波は、映画界にも来ておりまして、
   新作映画の資金集めが難しくなってきているんです。
   それによって、俳優も役を取り辛くなる、といった影響が出ています。

■高速道路の通行料金が週末一律1000円になった事について

俺 「アメリカで高速道路といえば『フリーウェイ』ですが、
   『フリーウェイ』は通行料金がタダの代わりに、路面がボコボコなんです。
   日本がそうならないか、心配です。

■ピンクパンサー2について、

俺 「かくかく、かくかくかくかく、
    しかじか、しかじかしかじか。」


・・・なんとか 30 ぷんかん がんばり ました


とにかく、司会者の「関さん」の絶妙な秒数調整に驚愕した30分間だった。
やっぱり、「本当のプロ」は凄いのだ・・・!



・・・ところで、話は少し時間をさかのぼる。

番組の収録前に、スタジオ内を見学させて頂いた時、
俺の目は、「とある撮影器具」に釘付けになった。



おおおおおおっ、本物の「スタジオカメラ」だ!!!


・・・さすがは正真正銘の「本物」。

なんというか・・・、とても「リアル」だ。
どう見ても「本物」にしか見えない!


覚えているだろうか。

俺は2年前、ミュージカルの舞台のために、
「70年代のNBCのスタジオカメラ」をダンボールで作ったんだ。



・・・くっ、ま、負けた。

でも、俺が作ったスタジオカメラだって、
「赤いランプ」まで付いていて、しかも、ちゃんと光るのだぞ!



・・・ダメだ。

どうあがいても、やはり「本物のスタジオカメラ」には勝てない。
だって奴ら、本当に撮影できやがる。卑怯だ。


 ちっくしょおおおおお!悔しい!


でも、もうこれで「現代の日本のスタジオカメラ」の資料は揃った。
次回は、もっともっとリアルにダンボールで作ってやるからな。見てろよ!


投稿者 ユウキ : 23:44 | コメント (2)

2009年03月20日  映画「ピンクパンサー2」

ロシナンテの尻

さあ、今日も一日頑張ろう!


まずは、俺が11年間所属していた子供英語劇の
グループ20周年の発表会に参加した。


・・・うーむ、俺がいた頃と、ちっとも変わらない。

俺の所属していたグループは、「適当」で、「大ざっぱ」なのが特色だ。
・・・えーと、言い換えると、そう!「寛容」で、「心が広い」のだッ・・・!ほほう!

何にしても、俺の「何でもとりあえずやってみる」という行動原理は、
ここから生まれたんだ。


その後、「FM宮崎」の「DJポッキーのウィークエンドジャム」という
ラジオ番組に生出演した。

体育の先生のように爽やかなディレクターの方に挨拶を済ませ、
ブースの外で、椅子に腰を下ろし、
DJのポッキーさんと、冨永千香さんの放送を聞かせて頂いていた。

・・・すると、ポッキーさんが、番組の中で、こういう発音をした。

 「ディージェイ ポッキー、プリゼンツ!」

この瞬間・・・、俺はポッキーさんに、在米経験がある事を確信した。


「お送りする」というのを英語で発音すると、
「プレ ゼンツ」じゃなくて、「プリ ゼンツ」になるんだ。

「DJ」も、日本語だと「ディージェー」と「エ」の音を伸ばして発音するけど、
英語だと、「ディージェイ」と、「イ」の音を発音する。


曲の間に、ポッキーさんにお聞きしたところ、
やはり、数年間の在米経験があって、
本当に色々と苦労されたそうだ。

20分間の出演中、噛まないか本当に心配だったけど、
ポッキーさんと、千香さんがアシストしてくれて、
何とか凌ぐ事ができた。

俺がリクエストした曲は、言わずと知れた、 「島唄」 だ!


ブースから出ると、緊張が解けてヘナヘナになった。
そんな俺を、スタッフの方々が、祝福してくれた。

凄く暖かい雰囲気に包まれた、プロの現場だった。


その後、「一人前」になる競争をしている、俺のライバルの「職人の方」に挨拶をして・・・、


その向かい側のお店で、「宮崎映画祭実行委員会」の方々との懇談会に参加した。
映画好きの方々ばかりだったので、大いに盛り上がった。


明日も1日頑張ろう!

投稿者 ユウキ : 23:54 | コメント (2)

2009年03月19日  映画「ピンクパンサー2」

あたらしい朝

宮崎での公開日が決まったので、
さっそく、「立て掛け用のポスター」の公開日を修正した。


・・・うむ!


さあ、今日も一日頑張ろう!

まずは、「読売新聞」の記者の方と
3時間にわたって、色々な事をお話した。

気さくな方で、とても話しやすかった。


次に、「GO!GO!ワイド」というラジオ番組に生出演するため、
MRTラジオ局に移動した。


・・・出番を待つ間、プロのアナウンサーの方の番組を聴いていた。


すごい・・・。

初めて見る台本でも、絶対に言い澱まない。ひるまない。
一瞬で「文字」を、生きた「音」に変えてしまう。

・・・これがプロか。


俺の出番は、約10分間だったんだけど、
あまりの緊張で冷や汗が出て、口の中がカラカラになった。

でも、ホストのお二方の暖かいサポートで、何とか生き残る事ができた。


その後、「宮崎日日新聞」の記者の方から取材を受けた。

2時間に渡ってお話した後、
一階ロビーで掲載用の写真を撮影した。

取材を受ける間、俺もいつかの「役作り」のために、
記者の方にいくつか質問をさせて頂いた。

なんと記者の方は、俺の目を見ながら、同時にメモを取る事ができるのだ!


続いて、情報誌「パームス」の記者の方と、
2時間にわたってお話した。

記者の方にアメリカへの渡航経験があったので、
その時の経験談も交え、
共通の話題で大いに盛り上がった。


宿泊先に戻ると、染み入るような疲労感が一気に押し寄せた。


・・・さあ、明日も頑張ろう!

投稿者 ユウキ : 23:04 | コメント (11)

2009年03月18日  映画「ピンクパンサー2」

スタートダッシュ

日本に着いて4時間後に、まず初の取材を受けた。

「タウンみやざき」という情報誌を発行している出版社の
記者の方お2人と、2時間に渡りお話した。


・・・これまでの事、そしてこれからの事。


そして、アイスコーヒーをごちそうになった。うっしっし



宿泊先に戻ると、配給会社の方からメールが来ていた。


 「宮崎セントラルシネマで、5月9日より上映決定です!」


おおおおおおおおおおお!!
すげええ!まだ1日目なのに!


やった!宮崎での公開が決定した。

嬉しいな。うれしいな。
嬉しいな、ったら、うれしいな。


・・・でもまだ、始まったばかりだ。 気合を入れて、頑張ろう。


「宮崎セントラルシネマ」で、5月9日より上映決定です!

投稿者 ユウキ : 23:58

2009年03月16日  映画「ピンクパンサー2」

鉄骨の城

日本に一時帰国する準備は、だいたい整った。

「映画俳優の衣装」も・・・、とりあえず揃った。
近くの写真屋で、ポストカードサイズの「名刺」も500枚刷った。



1枚15セントもするのだッ!!!!!


あとは・・・、何が必要なんだろう・・・?

何せ、これまでに経験した事の無い規模の話なので、何が必要なのかも分からない。
後は心を鎮め、その場その場で的確に行動しよう。


・・・よし、行こう! 日本へ。

投稿者 ユウキ : 23:39 | コメント (2)

2009年03月12日  映画「ピンクパンサー2」

とれんでい

日本に一時帰国するための準備活動は、
かつて無い「大問題」に遭遇している。


・・・インタビューに着て行く服が無い。


俺は「衣装」なら腐るほど持っているんだけど、
逆に「普段着」を全く持ってないんだ。

だから、俺はいっつも同じ格好をしている。
「普段の俺の見てくれ」なんて、知ったこっちゃないし、まず興味が無い。


・・・ただし、今回は別だ。
俺は「まともな映画俳優」を演じなきゃならないんだ。



・・・これは困った。

「着物」から「手術衣」まであるのに、「普段着」が無い。

俺はお洒落のセンスも全く無いから、
無理して自分でコーディネートした日には・・・、それは酷い事になるだろう。


どうしよう。

これが「衣装」だったら、自分で調べて揃える事ができるんだけどなあ・・・


・・・ん? 待てよ。 という事は・・・


・・・そうだ!
「映画俳優の衣装」を調べて、それを揃えればいいんだ!!


よし、思いついたら即、行動だ。

早速、映画情報誌を何冊か買ってきて、
「インタビューを受ける映画俳優の衣装」を研究した。



・・・なるほど。こういう感じか。

しかし、日本の映画俳優の方々は、お洒落でカッコいいなあ・・・。
なんだか心配になってきた。


よし、外に出て「映画俳優の衣装」を探して来よう!

投稿者 ユウキ : 23:47

2009年03月09日  映画「ピンクパンサー2」

捨て身の一手

とある映画のプロモーション活動は、
一個人の俳優が、配給会社の方と直接連絡して協力体制を敷く、という、
あまり他に例を見ない事態となっている。


 どうして、そんな事になったのか。


それは、日本の配給会社に勤めていた
「M君」の助言によるところが大きい。


俺 「M君、ちょっと相談したい事があるんだけど。」

M君「おお、どうしたの。」

俺 「あの、映画がさ、日本で30館での公開で、
    ・・・しかも、宮崎での公開が無いんだよね。」

M君「マジで?あらー。
    それは、縮小公開だよ。」

俺 「・・・どうにかして、宮崎公開への道を開けないかな。」


M君「うーん、それならユウキ君自身が、
    映画のプロモーションに参加したらどうかな。」


俺 「俺が? 俺じゃプロモーションにならないよ。」

M君「どうかな? 今そういうの、流行ってるから。」

俺 「でも、向こう側の方針と合わないかもしれないよ。
    俺に、出て来て欲しくないのかもしれない。」


M君「どうして?」


俺 「とある日本向けの映画サイトで、
    俺が写っていたスチール写真が全て除外されてる。
    これは、俺に出て来て欲しくないからじゃないかな。」


M君「・・・いや、僕の経験から言って、それは違うと思うよ。
    ただ、ユウキ君をどう扱ったらいいのか、それが分からないんだよ。」

俺 「と言うと・・・?」

M君「ユウキ君のようなケースは、これまで無かったんだよ。
    日本で活動していない、日本生まれ、日本育ちの日本人俳優が、
    メジャーなハリウッド映画にただ一人の日本人として、
    メインキャストとして出演している、というケースが、これまで無かったんだよ。」


俺 「・・・でも、その確信が無いよ。
    逆効果になったり、迷惑になったりしたら・・・、」


M君「直接電話して、きいてみるのがいいんじゃないかな。」


俺 「・・・配給会社の人に?・・・俺が?」


M君「うん。日本の配給会社の人って
    基本的に、いっつも徹夜ばかりなんだ。
    常に時間に追われているから、面倒くさい事は極力避ける。

    『外国に住む俳優』を呼ぶとなると、
    マネージャーやエージェントを介し、
    英語で条件を詰めなきゃいけないから、凄く手間と予算が掛かる。
    でも、そういった時間もお金も、彼らには無いんだ。
    今回の公開規模から言って、予算は非常に限られているはずだよ。

    だから、もしユウキ君がその『仲介』を飛び越えて、直接交渉すれば・・・、」


俺 「そしてそこで、俺が『予算を全て被る』事を宣言すれば・・・、」


M君「うん。絶対に配給の人は喜ぶと思うよ。
    連絡する手間も予算も心配せずに、プロモーションが行えるわけだから。
    もしかしたら、宮崎公開への道も開けるかもしれない。」


俺 「・・・分かった。連絡してみる。ありがとう。」


こうして、俺は一個人でありながら、
配給会社の方と直接連絡し、「予算を全て被る」事を宣言した。


・・・つまり、

 飛行機代 → 自腹
 ホテル代 → 自腹
 取材費 → 一切タダ

という事だ。


全ては、宮崎での公開を実現するためだ。
俺はそれに向けて、全力で行動しようと思う。

投稿者 ユウキ : 23:17

2009年03月04日  映画「ピンクパンサー2」

日本へ!

パスポート更新のため、一時帰国するのに合わせ、
その間、映画のプロモーションに「全力で」参加する決意を固めた。


なぜ今頃・・・?

それは、「恩」を返すためだ。
俺はまだ、自分を使ってくれたこの映画への「恩」を返していない!

特に俺はこの前の「レッドカーペット」で、全くの役立たずだったので、
それを、どーにかして挽回しなきゃいけない。


メインのイベントとしては・・・、

3月23日、東国原知事を表敬訪問
3月25日、東京の配給会社にて、集中取材

など。


うおおおお、頑張るぞおおおおお!!



ピンクパンサー2は、4月11日、全国30館で公開だ。
・・・現時点では、九州での公開は福岡のみだ。

まずは頑張って、宮崎での公開を実現させよう。

自分が死ぬ気で挑んだ作品を、
宮崎県民に観て貰えないのは、何よりも悲しい。


・・・浮かれてるんじゃないかって?
大丈夫。ケジメはしっかりつけます。


全力でプロモーションに臨んだ後は、
 全力でロサンゼルスに逃げ戻り、
  全力で自分の演技への批判から耳を塞ぎ、
   全力で引き篭もり、
    全力で英語の勉強に戻ります。ううう


・・・よし、気合を入れて頑張ろう!!

投稿者 ユウキ : 23:29

2009年02月26日  映画「ピンクパンサー2」

スッポンのチ新聞

とある雑誌社のインタビューを受けるのに合わせ、
「ピンクパンサー2」関連の資料を一箇所にまとめてみた。


・・・何百枚あるんだろう。ものすごい量だ!

「ケンジ」の役作りに使った資料や、
俺が本気で作って「美術部」に提供したものの、
残念ながら登場シーンが無くなってしまった「日本の新聞」などもある。

うーむ、感慨深い・・・


よし、プレミアの時のような失態をおかさないよう、
一通り、資料に目を通しておこう。

投稿者 ユウキ : 10:04

2009年02月10日  映画「ピンクパンサー2」

混ざらっしゃい

「ピンクパンサー2」が一般公開されたのに合わせ、
親しい友人達と、劇場に観に行った。

これで二度目の鑑賞なので、
今度こそは冷静に観れるはず、・・・と思ったけど、甘かった。

自分の登場シーンが来るたびに、
一瞬で心臓がバクバクと速くなり、
頭の中に、様々な思いが濁流のように流れ込んで来る。


 ・・・わああああ、すげえええええ!

  ・・・へえ! あのシーンがこうなるとは!!

   ・・・うぅ、自分の演技を観るのは、なんとも・・・

  ・・・おお!! このシーン、面白い!!

 ・・・ああ、この撮影は本当に大変だったなあ・・・


撮影中、楽しい事もあった。キツい事もあった。

日本人スタッフが自分一人、という、
かつて無いプレッシャーも経験した。

・・・それも全て、映画のためだ。


日本公開は、4月11日。


  日本人が、なぜか「ごく自然に」ハリウッド映画内に存在する。


日本の劇場で観る方々が、
もしその「不思議な一体感」を少しでも感じてくれれば・・・、

俺は「何か重大な仕事をやり遂げたんだ」、と、
はじめて、喜びと達成感を感じる事ができると思う。


さあ、今から怯えつつ、心の準備をしておこう。・・・ぶるぶる

投稿者 ユウキ : 23:27

2009年02月04日  映画「ピンクパンサー2」

桃色絨毯の上で

映画「ピンクパンサー2」のプレミア試写会に伴う
「レッドカーペットイベント」は、雪の中行われた。

会場となった「ジーグフェルド劇場」の前には、
記者用のテントが立ち並び、
撮影用の真っ白な照明が、明々とテント内を照らしていた。


黒塗りの送迎車の中から見るその光景は、
どこか違う世界の出来事のようだった。

自分がそこに向かっている、という事が、
どうも信じられない。

もしかすると、全ては俺の勘違いじゃないだろうか・・・?


現実感の無いまま、車から「ピンクカーペット」に降り立ち、
冷たいニューヨークの風を、顔に受けた。

それから、深呼吸を一つして、
スタンドにひしめく、数十人の報道陣を間近に見た。



・・・すると、急に恐ろしくなってきた。

えっと、俺は何をしに来たんだっけ・・・?


「プレミア試写会」というのが、
映画の「お披露目試写会」だというのは、俺にでも分かる。

では、「レッドカーペットイベント」とは何だ・・・?


この記者の数、これは・・・、もしや、これは・・・、


 「マスコミ取材用」のイベントなのでは・・・!?


・・・まずい! まだ心の準備ができていない。
直前になるまで、こんな初歩的な事にすら気付かないなんて、
なんてグズなんだ、俺は。


「次は、ケンジ役を演じた、松崎悠希です。」

そう紹介された途端、
カメラのレンズが一斉に俺の方を向いた。



「ユウキ!ここ!ユウキ!」
「ユウキ、目線、ここおねがいします!」
「ユウキ!こっち、こっち向いて!ユウキ」
「ここお願いします!ここ!」
「ちょっとこっち!ユウキ!こっち!」


あわわわわわ。


・・・そこから先は、記憶が非常にあいまいだ。

一体何を喋ったのか、自分ですら思い出せない。
準備不足と、認識の甘さを痛感した。


演じて、そこで終わり、では無かったんだ。

大きな役であればあるほど、
役者は作品と一体化し、
それにより、「作品を宣伝する責任」が生まれる、という事か。


一通りの取材が済むと、劇場内に通された。

そして、そこで初めて、「ピンクパンサー2」を鑑賞した。


・・・でも、俺の頭の中は完全なフリーズ状態で、
目から入った情報が、殆ど脳まで届かなかった。

ただ、観客の笑い声だけが、聞こえていた。


上映終了後、観客の子供達からサインを頼まれた。
俺は、慣れない手つきで、それに応じた。



帰りぎわ、劇場の出口付近にあった、大きな立体ポスターの前で、
美和子ちゃん(母親)と写真を撮った。



宿泊先に戻ると、ようやく少し落ち着いた。


・・・とにかく、やっと・・・、観れた!

一般公開されたら、もう一度、観に行こう。
今度は、ちゃんと冷静に観れるかな。


ウソのような、本当の夜は、こうして幕を閉じた。
おそらく、現実だったのだろう・・・、と思う。


投稿者 ユウキ : 01:19

2009年01月31日  映画「ピンクパンサー2」

下町ファッション街

ニューヨークで行われる「ピンクパンサー2」のプレミアに着ていく為、
黒のスーツを一揃え、購入した。

お値段は、$88。

俺にはサッパリ分からないけど、
この値段でスーツが手に入る事自体、すごい事だそうな。


 渡米してから、もう8年半。


ニューヨークの路上で歌っていた俺は、まだ18歳だった。

・・・月日は流れ、いつの間にか27歳になり、
俺はまた、ニューヨークに戻ろうとしている。

映画俳優として、赤絨毯を踏むために。


あの時と今。俺の中身は変わっていない。
もう一度、それを確かめに行こうと思う。

投稿者 ユウキ : 23:47

2009年01月24日  映画「ピンクパンサー2」

聞こえますか、どうぞ

「ピンクパンサー2」のインタビュー映像が公開された。

[スティーヴ・マーティン] [ジャン・レノ] [アシュワリヤー・ラーイ・バッチャン]
[ジョン・クリーズ] [エミリー・モーティマー] [アンディ・ガルシア]
[アルフレッド・モリナ] [松崎悠希] [ハロルド・ツワート]


このインタビューは、2007年の撮影終盤に撮られたものだ。

・・・うーむ。俺の英語、まだまだだなぁ。
もっともっと頑張って、英語を勉強せねば!


それにしても、俺みたいな役者を、
ここまでしっかりと扱ってくれて、感謝の気持ちで一杯だ。

ここで俳優をやってきて、本当に良かった。


ニューヨークで行われる「ピンクパンサー2」の
プレミア試写会まで、もうあと1週間ちょっとだ。
時間が無い! スーツを買わなきゃ!


・・・ニューヨーク。8年ぶりのニューヨーク。

投稿者 ユウキ : 23:10

2009年01月15日  映画「ピンクパンサー2」

メビウスの輪

俺とマネージャーの「マイク」は、最近非常にナーバスになっている。

・・・というのも、映画「ピンクパンサー2」の公開が迫っているからだ。

2人とも、とにかく情報に飢えていて、
ネット上のどっかに最新情報が無いか、
夜な夜な探し回っては、それを交換し合っている。

気になって気になって、勉強に集中できない!!

・・・果たして、俺は本当に出演していたんだろうか?


ああああ、早く観てええええ。


期待と不安が入り混じり、頭の中はグチャグチャだ。

どのように編集されているんだろうか。
俺のセリフは残っているんだろうか。
面白い映画に仕上がっているんだろうか。


ああああああ、観てええええええええ!!

投稿者 ユウキ : 08:10

2008年11月10日  映画「ピンクパンサー2」

ピンクパンサー2

「ピンクパンサー2」の公式サイトが、いよいよ始動したようだ。


・・・うう、緊張する。
俺は果たして紹介されてるんだろうか・・・。


・・・。

・・・カチ。


うほおおおおおおおおおお、
すげえええええええええええええっ!

俺が載ってるっっっ!


ち、ちょっと、こここ、これは現実感が無い。
・・・たぶん、きっと、おそらく、かなり凄い事なんだ・・・と思う。

こういう時は、どんなコメントをすればいいんだろう。
表現力の乏しい俺は、気の利いたコメントが浮かばない。

ただとにかく、嬉しい!
うーれしいいいいいいい!!!!

「ピンクパンサー2」の公式サイトへ

投稿者 ユウキ : 19:28

2007年10月31日  映画「ピンクパンサー2」

赤目の鳥

今日は1日だけ「助っ人」として急遽セットに戻った。

・・・出演はしないけど、重要なシーンの撮影だったんだ。
俺が戻る事によって、何らかの助けになるはずだ。そう思った。

夜行便で一睡もできず、徹夜でセットに入って活動した。
コーヒーをがぶ飲みし、眠気を抑えた。

・・・きっと、ここに来た意味はあったと思う。

投稿者 ユウキ : 23:50 | コメント (2)

2007年10月22日  映画「ピンクパンサー2」

まどろみ

まだ追加撮影があると思うけど、
とりあえず、今日で俺の全てのシーンの撮影が終わった。


終わった。・・・終わった!

・・・終わった・・・のかな・・・?


困ったぞ。全く実感が無い。
・・・俺は本当に撮影に参加してたんだろうか。

2ヶ月ぶりに家に帰れば、
少しは落ち着くだろうか。


さあ、帰ろう!!


・・・ありがとう!ありがとう!!ありがとう!!!!!

投稿者 ユウキ : 23:17 | コメント (2)

2007年10月18日  映画「ピンクパンサー2」

サーカスは空に舞う

俺は今日、自分のコメディの「師匠」と、生まれて初めて会った。

俺がアメリカでコメディを目指すきっかけになったのは、
「師匠」が70年代にイギリスでやっていた、
コメディテレビシリーズを見たからだ。

その挑戦的で社会風刺の効いたコメディ番組を観た瞬間、
俺は頭を「16トンハンマー」で
思いきりぶっ叩かれたかのような衝撃を受けたんだ。


 ・・・何なんだ、この面白い人は!


それから・・・、俺は何度も何度も、
繰り返しそのコメディ番組を観続けた。

字幕を出して、セリフを1行ずつ止めて、
辞書を引いて意味を理解し、更にそこから技術を盗む。


俺の英語でのコメディは、大部分が彼の技術を盗んだものだ。
そこに子供の頃からやって来た、
「コメディ舞台劇」の要素を混ぜたの物が、自分流のコメディだ。

だから、この映画に参加できたのは、誰よりも「師匠」のおかげなんだ。


 「技術を盗むって、それは素晴らしい事だ。
  私自身、自分の昔の技術をたまに盗むんだよ。」


・・・コメディの天才が目の前に2人。

彼らの話す言葉は英語じゃない。
他の誰にも理解できない「コメディ語」で話している。


俺は・・・、ここに居れる事自体が光栄だ。


あと数日間、遠慮なく、盗んで、盗んで、盗みまくるつもりだ。

英語もロクに喋れないのに、英語でコメディをやる。
人生を賭けて、いつかは「師匠」を抜いてみせる。覚悟しろ!

投稿者 ユウキ : 23:35 | コメント (2)

2007年10月17日  映画「ピンクパンサー2」

ボオッ、ガチャン、バシャー

今日は、今までで一番規模のデカいシーンの撮影だった。

少しでもシーンを面白くするため、
俺は最大限の注意を払い、全力で体を張った。

そして、自分のシーンのプレイバックを見て、
久しぶりに満足した。


こりゃ面白いっ・・・はず。たぶん。


撮影も、もう少しで終わりだ。
悔いが残らないよう、全てを出し切ろうと思う。

投稿者 ユウキ : 23:39

2007年10月15日  映画「ピンクパンサー2」

漂流記

撮影が終盤に差し掛かって来たが、
ここに来て、俺は急激に自信を失って来た。

自分がやっている事は、
果たして本当に面白いんだろうか・・・?

そんな不安がフツフツと沸いて来る。


コメディ映画なので、「笑える」か、「笑えない」か、
それは観客に見せるまで何の確証も無い。

自分が面白いと思っても、本当は面白く無いのかもしれない。

その答えが出るのは・・・、ずっとずっと先の話だ。
・・・実にもどかしい。


今は、監督の声に耳を傾け、
それを羅針盤として霧の中を進もう。

投稿者 ユウキ : 23:09

2007年10月09日  映画「ピンクパンサー2」

時針よ止まれ

今日は疲れが出て、集中力が散漫だった。

くそ。まだまだ覚悟が甘いな。
こんな事は本来あってはいけないんだ。


撮影は「一日平均13時間」で進むので、
体調管理には本当に気をつけないといけない。

撮影中の生活は、大体こんな感じだ。

04:30 起床
05:00 今日のシーンの予習

06:30 現場へ

07:30 朝食・メイク
08:00 現場リハーサル
08:30 撮影開始

20:00 撮影終了

20:30 ホテルに到着 夕食・風呂・メイク落し

21:00 明日のシーンの予習
22:30 就寝

04:30 起床
05:00 今日のシーンの予習

06:30 現場へ

俺は体力が無いのか、もう疲れてしまった。


「現場入り」が午前8時の時は、
2時間も余分に寝れるので、かなり嬉しい。

・・・この感覚は、新聞奨学生をやってた時に似ている。
あの時は30分間の睡眠が何よりの至福だったっけ。


俺は最低6時間は寝ないと、演技に支障が出る。

なのに今日は・・・4時間半しか寝てない。
演技に影響が出るのは当然であって、自業自得だ。このバカめ。


さあ、今日はしっかり寝て明日に備えよう。

投稿者 ユウキ : 23:54

2007年10月05日  映画「ピンクパンサー2」

籠の中でスラローム

映画というのは、本当に怖い。
一瞬のミスが、一生残ってしまう。

そして消したくても、消せない。もどかしい。恐ろしい。

・・・だからと言って、ミスを恐れて萎縮するわけにもいかない。


よし、今は監督を信じ、俺は次のシーンに集中しよう。

投稿者 ユウキ : 23:03 | コメント (2)

2007年10月03日  映画「ピンクパンサー2」

丸くなった小石

昨日から今日にかけてのシーンの撮影は、かなり体力を消耗した。


たとえ自分が映っていなくとも、
共演者のため、常に全力で立ち回った。


・・・それを何十回もやったので、流石にボロボロになった。
でも、終わった後の清々しさったら・・・、格別だった。

投稿者 ユウキ : 23:47

2007年10月01日  映画「ピンクパンサー2」

和の風に こころ吹かれて

撮影が1週間ほど空いたけど、俺は忙しく机へ向かっていた。
・・・どうしてもやり遂げたい「宿題」があったんだ。

この「宿題」は、
俺がいままで俳優生活で培ってきた「とある技術」を、
映画のクオリティアップに生かす試みだ。

どのような結果が待っているか、それは分からない。
でも、きっと良い方向へ行くと信じている。


さあ、作業に戻ろう!


・・・作業中、日本が恋しくなっても、大丈夫。

ホテルの近くには、
日本のお菓子を売ってるスーパーがあるんだ。

そこでは、日本人なら誰でも知っている
様々な菓子類を買う事ができる。

 ・・・遠く離れたこの街で、
   懐かしい日本の息吹を感じる事ができる・・・

例えば、「3時のおやつ」と聞いて、
これを想像しない日本人はいないだろう。

(クリックで拡大)

・・・まさか海を隔てたこの街で しよラガ と再会しようとは。

パッケージに描かれた新鮮な しよラガ のイラストが
童心を思い起こし、食欲をそそる。


小腹がすいて飴だけじゃ物足りない、って事もあるかもしれない。

そんな時は、クラッカー菓子の定番、「塩入りのチキン」を買おう。
遠足の時に友達と分け合った、淡い思い出が甦るはずだ。

(クリックで拡大)

中途半端な「チキン味」とか、「しお味」とかではなく、
本物はやっぱり「食材の持ち味」なので安心できる。


・・・この2つさえあれば、俺は遠い日本に想いをはせ、
どんなに辛い撮影をも、気力で乗り越える事ができるだろう。


さあ、作業に戻ろう!

投稿者 ユウキ : 23:00 | コメント (2)

2007年09月24日  映画「ピンクパンサー2」

ノーガードKO

頭の中で撮ったばかりのシーンを思い返していると、
スタッフが深刻な顔で歩いて来た。


「ちょっと、午後のシーンで重大な変更があるの。」


・・・え、・・・俺、何か大変な事でもやらかしたか?

  
  ・・・ううむ・・・、やらかした・・・かもなぁ・・・


同じく深刻な顔をして付いて行ったところ・・・


「・・・ユウキ、いいかい、実はね・・・、
 午後のシーンだが・・・、」


と、そこまで聞いたところで、急に後ろから歌声が聞こえた。


「ハッピーバースデー・・・♪」


・・・ん?


こ・・・これは・・・、もしかして・・・、も・・・もしかして・・・!?



うおおおおおおおぉおおおおおお!

すげええええええええええええええええええ!!!

嬉しいいいいいいいぃいいいい!!


なんてこった、身に余る光栄だ!


同じく誕生日だったスタッフ2人と、お互いに祝い合った。


・・・そうか、26歳か。

渡米から7年と2ヶ月経ったのか。

この1年も全力で行こう。・・・とにかく前へ!

投稿者 ユウキ : 23:36 | コメント (2)

2007年09月21日  映画「ピンクパンサー2」

孤独に笑え

今日のシーンは、今までで一番難しかった。

・・・いや、「難しかった」というか、心許(こころもと)無かった。


セリフは1行だけだったんだけど、
想像力に委ねられる部分が非常に多く、
足元が揺らぐ感覚を覚えた。


コメディーって奴は、本当に難しい。

「良い」「悪い」ではなく、
「面白い」「面白く無い」で判断しなければいけない。


・・・俺は、まだ判断力が貧弱だ。
今考えれるベストを尽くすしかない。

投稿者 ユウキ : 23:21

2007年09月20日  映画「ピンクパンサー2」

暑い! あちいいいい!

暑い! 暑い! 蒸し暑い!

あっちー! クソあちー!
うえー、暑い! 暑くて息苦しい!

あちいいいいいいい! うえええ

投稿者 ユウキ : 23:15

2007年09月19日  映画「ピンクパンサー2」

プチ・タイムトラベル

今日は3週間ほど前に撮ったシーンを、
もう一度、別の角度から撮影した。

記憶をたどって、もう一度シーンの流れを甦らせる。


・・・これは・・・、どうして・・・、
 なかなかに・・・、むずかしいぞ・・・

なんというか、
自分がビデオデッキに入ったかのような、
堅っ苦しい感覚だ。


・・・とにかく、全力で臨むだけだ。


自分の最大の力で体当たりし、もしそれでも駄目だったら、俺はそれで良いと考えている。

それは自分の限界が見えた瞬間であって、
その限界突破こそが、次の目標になるからだ。

おっしゃ、頑張るぞ!

投稿者 ユウキ : 23:00

2007年09月17日  映画「ピンクパンサー2」

真のヒーロー

アクションシーンの撮影は実に楽しい。
お互いを信頼し、結束が深くなる


・・・それにしても、「スタントマン」という仕事は本当に凄いと思う。
彼らこそ、本当の意味でのアクションスターだ。

「セットにおけるヒーロー」と言っても良いと思う。

彼らが体を張ってくれているおかげで、
役者はそこで怪我をして、撮影を中断せずに済むんだ。


自分でやるアクションシーンも、もちろんある。
衝突、転倒、なんでも来い!

体を張って、笑いを取りたい。

おらー、ばっち来ーい!

投稿者 ユウキ : 22:50

2007年09月14日  映画「ピンクパンサー2」

忘れてはいけない感覚

SAG(俳優組合)に加入している俳優と、そうでない俳優は、
たとえ同じエキストラであっても、給料も対応も全く違う。

 例えば、食事だ。

撮影現場での食事は、基本的にこの順番で食べる。

1、中心スタッフ・キャスト
2、撮影スタッフ
3、SAGエキストラ
4、SAG非加入エキストラ

エキストラの人数が多い時は、メニュー自体が違う事がある。
例を挙げると

「SAG」のエキストラの食事メニューは
 野菜3種
 サラダバー
 ステーキ3種
 デザート(ケーキ&アイスクリーム)

「非SAG」のエキストラの食事メニューは
 野菜2種
 鶏肉

などだ。


こういう対応の違いは、どこの撮影現場でもある。
俺はもう昔から、ずーーーーーーっとそれを見て、体験してきた。


「非SAG」が差別されているのでなく、
「SAG」が優遇されているだけ、と見る見方もある。

どちらにしても、そこには序列がある。


俺は基本的に、食事直後に撮影が無い時は、
非SAGの最後尾に並ぶようにしている。

エキストラは自分と同じ「俳優」だと思う。

同じ飯を食って、同じ現場を分かち合いたい。

投稿者 ユウキ : 23:21 | コメント (2)

2007年09月10日  映画「ピンクパンサー2」

第二のはじまり

いよいよ、この都市での撮影が始まった。

・・・初めから、いきなり重要なシーンの撮影だ。

そりゃ、緊張するなってのが無理な話だ。
ヘマをやらかすんじゃないかと、ドキドキする。


まだ、自分がセットに馴染んで居ないのが分かる。
気が張っていて、肩が凝る。

しっかりとリラックスして、シーンに臨まなければ!


・・・でも、カメラの前に立ったら
一瞬で、余計な考えが吹き飛んだ。

自分が自分で無くなる瞬間は、実に不思議な感覚だ。
記憶が入れ替わって、本当の自分がフッと姿を消してしまう。


これからの撮影、常に気合を入れていこう!

投稿者 ユウキ : 23:46

2007年09月07日  映画「ピンクパンサー2」

甲殻類の都

・・・いやー、空気がウマい!

いま、撮影でアメリカ東海岸の「とある海辺の都市」に来ている。
これから2ヶ月間ほどは、ここでホテル住まいだ。


さっそく生活の基盤を確保する為、街を散策し、
$14の「パスタクッカー」を買って来た。


これでパスタ食い放題!
しかもお湯を沸かせるので、コーヒーも飲める。完璧だ!


撮影終盤に訪れるであろう「膨大な待ち時間」を有効に使う為、
ちゃっかりと教科書一式を持って来た。


・・・もちろん、辞書一式も持って来た。


これで撮影期間中も時間を無駄にせず勉強する事ができる。完璧だ!


あとは・・・、「演技」を完璧にするだけか。
今日も朝7時から撮影だ。頑張ろう。

投稿者 ユウキ : 06:00 | コメント (13)

2007年08月23日  映画「ピンクパンサー2」

大きなダイヤモンド

撮影は・・・、進んでいる。

現在撮影中の「とある諸外国」は、
どーいうわけか、天候が安定せず、
ここ3日ばかし雨が降り続いている。


・・・ところで、話は全然変わるけど、
数日中に、もしかしたら「とある映画」の正体が判明してしまうかもしれない。

でも、それが何なのか分かっても、どうか慌てないで欲しい。


俺に今出来る事は、とにかく自分のベストを尽くす事だ。
明日も大きなシーンの撮影がある。・・・集中しよう。

投稿者 ユウキ : 10:36 | コメント (94)

2007年08月22日  映画「ピンクパンサー2」

出陣

朝の7時。
今日からとうとう自分のシーンの撮影が始まる。

集合時間は7時45分。


緊張していない・・・、と言えばウソになる。
やっぱ、それなりに緊張している。

・・・よし、悔いが残らないよう、思い切りやって来よう。
全力を尽くせば、失敗なんて怖くないはずだ!

投稿者 ユウキ : 06:54 | コメント (2)

2007年08月15日  映画「ピンクパンサー2」

別世界

「とある映画」の撮影で「とある諸外国」に来ている。

昨日はキャストの初顔合わせがあったんだけど、
みんな凄く良い人で、本当に安心した。

俺には想像も付かない状況だったので、
実はかなり緊張していたんだ。


・・・今から初の読み合わせがある。
いよいよ始まる。さあ、気合を入れていこう。

投稿者 ユウキ : 08:32 | コメント (7)

2007年08月11日  映画「ピンクパンサー2」

プラス9

最新版の台本を、昨日の夕方に受け取った。
いくつかキャラクターの変更点があったけど、何とかなると思う。

出発は明日。もう泣き言は言ってられない。

現時点で出来る限りの事はしたつもりだ。
・・・これから2ヶ月間、奢りを捨てて死ぬ気で頑張ろう。

投稿者 ユウキ : 13:36 | コメント (4)

2007年08月04日  映画「ピンクパンサー2」

心の迷路

キャストされてから1週間、
一刻一秒を惜しんで役作りに没頭している。


・・・はっきり言って、俺は撮影に参加するのが怖い。

今回はセリフが全て英語なので、
「ブラックニンジャの悪夢」の再来になる可能性が非常に高いんだ。


また酷い演技をして、消えない恥を晒すんじゃなかろか・・・、

実に怖くて堪らない。


プレッシャーの原因はそれだけじゃない。
他のキャストの顔ぶれを聞いて・・・、俺は身体が震えてしまった。

 ・・・ここに俺の名前があっていいの?

冗談抜きで、他のキャストは「スター」だ。


・・・出発日まであと1週間。

撮影は「とある諸外国」で行われるため、
ミュージカルの最終公演を行ってから、すぐに出発する。


・・・余計な虚栄心は要らない。
とにかく自分の持つ全ての力を使って、体当たりしようと思う。

投稿者 ユウキ : 13:48 | コメント (12)

2007年07月27日  映画「ピンクパンサー2」

ヘビと踊ろう!

「とある映画」のオーディションを受けた。

この映画は本部がニューヨークにあるので、
俺はビデオオーディションという形で参加した。

渡された台本を最大限に分析し、
衣装と小道具を揃え、
自分としては万全の体制でオーディションにのぞんだ。


・・・すると、今日、
トップのキャスティングディレクターから
マネージャーに直接、電話があった。


 「本当に素晴らしかった。是非とも彼をキャストしたい。」


耳を疑った。信じられなかった。


・・・だってこの映画には、俺の「憧れの人」が出演するんだ。

彼のコメディの技術を盗もうと、
何度同じビデオを観た事か。

その「雲の上の人」と同じシーンで演技をするなんて・・・、考えられない!


うぉおおお!!


撮影まで、現在の予定ではあと3週間くらいらしい。
・・・全てを賭けて頑張ろう。

投稿者 ユウキ : 23:48 | コメント (14)