2017年03月25日  演技全般

壁の向こう側

10年ほど前、とある誓いを立てた。
このままハリウッドで日本人の役だけを取る事に満足していたら、
未来は無いと気付いた頃だった。

 「日本で育ったから、英語だけは無理だ。仕方がない。」

と誰しもが言っていた。

自分の周りを囲むこの「言語の壁」は、
これまでのハリウッドの歴史で
何千人もの日本人の突破を阻んできた難攻不落の鉄壁だ。

だけど、自分は何があっても諦めず、掘り進むと誓った。

それから10年間、掘って、掘って、掘り進んだ。

起きて意識がある間は、ほぼずっと掘っていた。

辞書を最初から最後まで読み、
ドラマ等で聞こえるありとあらゆるセリフの抑揚を分析した。

そして・・・、
ようやく、壁に小さな穴が開いたのに気付いた。

穴から向こう側が見える。風を感じる。もう少しだ。

誓いを立てた日 2006年6月23日

投稿者 ユウキ : 23:50

2015年06月03日  お知らせ

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[2011-07-07]
「パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉」の撮影日記を掲載しました。
カテゴリー「映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』」よりどうぞ。
(※ 2010年5月8日から11月18日までです。)

日記をまとめて読む時は左のサイドバーにある+アーカイブをご利用下さい。

投稿者 ユウキ : 00:00

2013年02月07日  映画一般

方位確認

もうすぐ撮影が始まる「とある長編映画」の監督と
ミーティングするため、映画の制作会社へとやってきた。

今回のデイブ監督も、
「USAGI-SAN」のパトリック監督と同じように、
信じられないくらい流暢な日本語を喋る。

・・・日本語上手な業界人、意外に多いなあ


ミーティング自体は、
「顔合わせ」の意味合いが大きかったので、
別にリハーサルとかはせず、俺の役どころについて話して終わった。

俺は監督に、できるだけシンプルに、
脇役に徹する旨を伝えた。


さあ、撮影まで、気合入れて行こう!

投稿者 ユウキ : 23:06 | コメント (1)

2013年02月05日  映画一般

モンスター客

今月21日にプレミア試写が予定されている
短編映画「USAGI-SAN」を、特別に観せて貰える事になった。

この映画で俺は、主人公の「ヨシ」の息子、
「ケンイチ」として出演している。

さあ、どんな作品に仕上がっているのかな・・・?



100席ほどの試写室で、客は俺ただ一人。


ちょっと監督にお願いして、
「プライベート試写感 丸出しでムカつく」
写真を撮って貰った。



うむ。見ているだけで腹が立ってくる、実に良い写真じゃ。


ついでにもう1枚、
「専門家ぶって、ふんぞり返っている」
写真も撮って貰った、



うむ。評論家気取りの雰囲気が出とる。


肝心の映画の方は・・・

 本当に、素晴らしかった。

胸が締め付けられるような、
切ない作品になっていた。

これ、映画祭などで、賞を取りまくるんじゃないかな?

21日のプレミア試写会が、今から楽しみだ。

投稿者 ユウキ : 23:52

2013年02月04日  

かじりんご

日本から一時的にLAを訪れている親友が、
使い古した「小型タッチスクリーン端末」を俺にくれた。

この「端末」は、音楽やビデオを楽しんだり、
オンラインで便利なソフトをダウンロードしたりする、
とある有名な会社の「 i 端末」だ。

この会社の製品を一度も買った事が無い俺に、
ぜひ体験してみて欲しい、との事だった。


うーむ、せっかく貰ったモノなので、
何に使おうか・・・。


・・・とりあえず、これで台本でも読んでみるか。


というのも、ここ数年、撮影現場で一流俳優が
「パッド型端末」で台本を読んでいるのを
良く見掛けるようになったからだ。

もしかすると、一々印刷するより便利なのかもしれない。



近くの公園で、芝生の上に寝転んで台本を読む。

・・・こりゃあいいぞ。
開放感のおかげで、全くストレスが溜まらない。

中々便利なモノを貰った。有効活用させて貰うとしよう。

投稿者 ユウキ : 23:22

2013年01月28日  映画一般

尻を隠して頭隠さず

先日参加した「宗教色の強い短編映画」の
日本語のセリフの確認をするため、
制作プロダクションへと出掛けていった。

オフィスに隣接した編集室で、
撮影した映像を初めて観てみる。



・・・こりゃイカン

危惧した通り、俺のセリフは
しっかりとマイクに拾われていないので、
ボソボソとしか聞こえない。

俺の演技も、「昔らしさ」を出そうと頑張りすぎたせいで、
演技に力が入ってしまって「自然さ」が失われ、
相当ウソっぽくなってしまった。


きゃーーーー


・・・だが、これで良かったのかもしれない。

こうして、小さい作品で失敗しておけば、
大きな作品で大きなミスをせずに済むからだ。

うむ、これで良し!

あとは、この「宗教色の強い作品」が
多くの人の目に触れる事で、俺に宗教色が付きませんように・・・

投稿者 ユウキ : 23:51

2013年01月23日  映画一般

ばんそーこー

どういうワケか出演する事になってしまった
「宗教色の強い短編映画」の撮影日がやってきた。

集合時間は10時集合だったけど、
渋滞を考慮して早めに出たので、
9時半に撮影現場の「教会」に到着した。


まず始めは、衣装合わせだ。

1926年の設定なので、時代に合った衣装が必要になるんだけど、
LA最大のアジア人劇団「イースト・ウエスト・プレーヤーズ」が
衣装を提供してくれているので、心配はいらない。

衣装合わせは無事に終了。


メイクを済ませると、俺は撮影現場の
「教会堂」の中へと足を踏み入れた。



うおっ!


教会堂のど真ん中、ちょうど祭壇があるあたりに、
黒いシーツで囲まれた特設ステージが組んであって、
そこに、ぽつんと簡易仏壇が一つ据えてある。

教会のど真ん中に、仏壇!
なんというシュールな・・・


なんでもこの簡易仏壇、
リトル東京のお寺から、撮影用に借りてきたそうな。

まさかお寺が教会に仏壇を貸し出すとは・・・、
アジア系アメリカ人の繋がりの強さ、恐るべし。


俺は仏壇に近寄ると、中を覗きこんだ。



・・・アナタ、ダレ?


いやホントに、これ誰だ!?

・・・しかも、何か色々と足りないぞ。


スタッフにこの老紳士は誰なのか訪ねてみたところ、
「ご先祖さま」を拝んでいるシーンなので、
「ご先祖さまの写真」を用意したとの事。


ふんぎゃー


こここここれはマズイぞ。

現場はアメリカの教会だ。
どこをどう探しても、仏具も無ければ位牌も無い!


どうする・・・?


幸い、監督がCG畑の人だったので、
とりあえず、この老紳士の写真を
「CG合成用の蛍光グリーン」で覆って貰って、
編集時に「仏壇用の掛け軸」を合成して貰う事にした。



色々と足りないけれど、やれるだけの事はした。
あとは、実際のシーンの撮影だけか。


・・・撮影は、とりあえず頑張った。

教会堂の天井の高さからか、
声があまり遠くまで飛んでいないような感覚を覚えた。
これ、ちゃんとセリフ聞こえるかな・・・?


投稿者 ユウキ : 23:18

2013年01月19日  映画一般

工房de攻防

かなり警戒していたにも関わらず
結局出演する事になってしまった
「宗教色の強い短編映画」の台本読みに参加してきた。

この「台本読み」というのは、キャストが一堂に会し、
スタッフの前で台本を最初から最後まで通して読む事で、
大作映画でもテレビでも、ほぼ毎回行われている。



・・・うーむ。
ここまでは、至ってプロフェッショナルだ。

ちょっと、警戒しすぎだったか・・・?

台本読み自体は特に混乱もなく、
1時間ちょっとで無事に終わった。


・・・さあ、ここからが本番だ。


そこから、日本人キャスト3人は、
近くのファミレスに場所を移し、
午前2時まで、日本語のセリフを調整した。


「この宗派は『お御堂』じゃなくて
 『教会堂』って言うみたいだから、
 このセリフは『教会堂まで・・・』に
 変更した方がいいんじゃない?」


こういった水際の調整が、
アメリカ人の目に触れる日本人像に
影響を与えるので、みんな必死だ。


・・・さあ、セリフはこんなもんだろう。

あとは・・・、今日から撮影日までの間、
できるだけ古い映画を観て勉強するか。

よーし、やるか・・・。

投稿者 ユウキ : 03:30

2013年01月17日  オーディション★2

Uターン不能

ま・・・マズイ。

夕方にオーディションを受けた、
「宗教色の強い短編映画」の日本人役を取ってしまった・・・。


ひええええええ、どどどどどどどどうしよう!!!


・・・もうこうなったら、腹をくくるしか無いか。

プロの俳優として、演じきろう。


・・・幸い、俺のシーンは宗教色がかなり薄い。

当時の日本人の移民の心境に思いをはせ、
可能な限りリアルに演じきろう。


撮影は、来週水曜日。
明日は、キャストによる「台本読み」だそうだ。

・・・ほっ。

撮影スケジュールは、至ってプロフェッショナルだ。


俳優って、中々ややこしい職業だなぁ・・・。

投稿者 ユウキ : 23:19 | コメント (2)

2013年01月16日  オーディション★2

見渡す限りの地雷原

「とある短編映画」のオーディションに参加する事になった。

低予算なので、報酬は無いに等しいんだけど、募集されてる役が、
90年前にアメリカに移民として来た日本人の役なのだ。


・・・ちょっと前に書いた通り、
俺の「ひいおじいさん」は、移民ではないけど、
100年前にアメリカにいた。


・・・この役、ちょっとやりたいぞ。


 ただ、これは、リスクもかなりある。


だってこの作品、宗教色が強すぎるのだ。


この短編映画をプロデュースしているのは、
とある教会の牧師さんだ。

自分の受け持つ教会が、
約90年前に、日本人の牧師によって作られたので、
その歴史を振り返る作品を撮りたがっているのだ。


・・・アレ?

なんか最近、似たような話をどっかで聞いたような・・・?


 うぐぐぐぐぐぐ、どうしたもんか。


俳優に特定の宗教色がつく事は、実に良くない。

 「ああ、あの俳優さんは◯◯教だから」

と、色眼鏡で見られてしまう。


俺はただでさえ、教会を建てた「ひいおじいさん」の影響で、
「キリスト教系」に見られてしまうのだから、
これ以上、そっちの方向に行きたくないのだ。

・・・「宗派が違うよ」なんて言ったところで、
キリスト教に詳しい人間しか、分かるワケが無いしね。


俺は俳優だ。

もし自分の役が宗教人だったなら、その人の生き方に敬意を払い、

神道、仏教、イスラム教、キリスト教、創価学会、
天理教、幸福の科学、サイエントロジー、ひかりの輪・・・、

偏見を持たず、誠心誠意、やらなければならないのだ。


しっかしなぁ・・・、

いくらアメリカがキリスト教系の国だったとしても、
キリスト教系→キリスト教系と、
2回連続でそっち系のイベントが続けば、
そりゃぁ、そういうイメージを持ってしまうよなぁ。

うーーーーーーむ。。。。


・・・とりあえず、オーディションだけでも受けておくか。
その後で、また悩もう。

投稿者 ユウキ : 23:49 | コメント (1)